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渡辺復興大臣記者会見録[令和5年8月28日]

令和5年8月28日(月)15:58~16:15 於)ホテル福島グリーンパレス2F「瑞光の間」

1.発言要旨

 本日午前は浪江町の柴栄水産を訪問いたしました。柴栄水産では、請戸漁港で取れた新鮮な魚や加工品の製造販売を行っており、徹底した品質管理、衛生面の取組を視察させていただくとともに、請戸漁港の更なる復興を目指して前向きに取り組んでいるお話についても伺わせていただきました。ALPS処理水に係る影響のことについては今のところありません。今後については様子を見たいというようなお話を伺ったところであります。

 今回の視察を通じ、地域のなりわいである水産業の重要性を実感するとともに、将来に向かって安心して水産業を継続できるよう、風評対策、なりわい継続支援の重要性についてより一層認識を深めたところであります。

 なお、午前中の柴栄水産訪問の際、本日取れた、取れたてのヒラメの刺身を頂くことを当初予定しておりましたけれども、台風の影響で休漁になったことにより難しくなりました。他方、福島市内の昼食の場において常磐ものを頂くことはできました。大変おいしく、改めて品質が高いと感じたところでございます。

 今後も、三陸・常磐ものの魅力について、テレビやイベント等を通じて情報発信の強化を進めてまいりたいと思います。引き続き現場主義を徹底して、地元の方々の声をしっかりと受け止めて、関係省庁とも連携・検討し、政府一丸となって被災地の復興に向けて全力で取り組んでまいる所存であります。

 今しがた、第27回原子力災害からの福島復興再生協議会が終了しました。協議会では、まず国から、復興に向けた取組状況を報告した後、内堀知事を含む地元関係者の皆様との意見交換を行ったところでございます。

 出席者からは、ALPS処理水の処分に係る風評影響への懸念やなりわい継続への不安、万全な風評対策の徹底、F-REIを中核とした福島イノベーション・コースト構想の推進、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除に向けた取組の加速化、中長期的な復興財源の確保、また、うれしい報告ということでありますが、ALPS処理水の放出決定後に、ここ数日間でふるさと納税の寄付件数が増えているという報告も頂いたところでございます。このような幅広い御意見を頂いたわけであります。

 福島の復興・再生は息の長い取組が必要であることを改めて認識したところであり、本日伺ったお話もしっかりと受け止めながら、必要な事業を確実に実施できるよう取り組んでまいる所存でございます。

 私からは以上です。

 

2.質疑応答

(問)処理水のことでお聞きいたします。処理水の海洋放出後、中国から電話などで嫌がらせや迷惑行為が相次ぎ、韓国では処理水の放水を受け、海の色が変わったという誤った情報が流れ、いわれのない偏見や差別に再びさらされ、不安や憤りを感じている福島県民も少なくないと思います。政府はこういった事態を想定していたのでしょうか。想定内だったか想定外か教えてください。

(答)まずは、福島の皆さん方に迷惑な電話が来ているという情報はマスコミから頂いたわけでありますけれども、この嫌がらせの電話に関しましては極めて遺憾であると私は思っておりますし、大変憂慮することだというふうに思います。政府としては、今後ともALPS処理水について高い透明性をもって、科学的根拠に基づく丁寧な情報提供を進めていく必要があるというふうに思っております。

 また復興庁では、中国、香港を含めたより多くの国・地域からの理解醸成を図るために、海外向けのポータルサイトの多言語化や動画広告に取り組んでいるところであります。今後とも処理水の安全性を国内外に積極的に発信していかなければならないということで、この点についてはしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。

(問)渡辺大臣としては想定されていた事態だったのか、そもそもこういったことは起こらないだろうと思われますか。どっちですか。

(答)想定の範囲というのは、少なくとも風評の範囲はいろいろな形があるというふうに思っております。その風評の一つの形態としては考えられる範囲だと私は思いますが、こういった形で集中的に来るということ自体が極めて異常であると。これは、いわゆる今回のALPS処理水に対する問題とは別次元の問題ではないかなと。それは電話のみならず、中国にいらっしゃる邦人の問題についてもそうであります。そういうことを考えていきますと、このALPS処理水を超えた一つの次元の問題だというふうに考えております。

(問)今しがた終わりました協議会の内容について2点お伺いしたいんですが、今質問がありました中国からの嫌がらせに関するような動きについてのやり取りとかは協議会の中で出ましたでしょうか。

(答)先ほども知事のほうからもございました。知事からも、やはりこれはいわゆるALPS処理水の風評というよりも、その別の次元で正に進んでいることだという、そういった認識でありますので、私と共有するところであります。あと、ほかの団体の方からもやはりございました。

(問)どういった内容の。

(答)電話が多くかかってきたと。特に医療機関に電話がかかってきたという話もあり、医療機関にかかってきますと当然命にも関わってくる内容でありますので、これは是非とも何とかしてほしいというような話がありました。これも政府としても検討していく必要があるんじゃないかなと、そのように思っております。

(問)それに対して政府側はどのような対応をするというふうに伝えられたんでしょうか。

(答)具体的な内容について、今の段階では申し上げることができません。ただ、特に医療機関にそういう形で嫌がらせの電話をかけてくるということは極めて問題だということで、今できるのは、外交ルートを通じてこういった事態があるということで抗議させていただくということでありますが、今後について、より具体的な形で、引き続きこういった問題が出るのであれば対応を考えていかなければならないというふうに思っています。

(問)もう一点だけ。西村経産大臣が冒頭の御発言でもありましたように、漁業者への賠償などについては適切に対応していくという御発言がありましたけれども、中国は今輸入規制を強化されていますけれども、そういった具体的なやり取りについて何かありますでしょうか。

(答)今の段階では具体的なやり取りはございません。

(問)廃炉をめぐる地元との合意形成について伺います。処理水の海洋放出をめぐっては、今、漁業者の皆さんをはじめ、地元との合意形成に課題と禍根を残した面もあると思います。国としての反省点と今後続く復興と廃炉に向けて改善できる点があるとお考えであれば教えてください。

(答)今回の漁業者との関係がございますけれども、漁業者との関係というのは、関係者という範囲の中で理解を得なければいかなる処分もしないというお話があったわけですね。この問題につきましては、まず復興庁としては理解を深めるための活動をずっとしてきたわけであります。国内外問わずやってまいりました。したがって、ALPS処理水の決定した過程においては、私は政府一丸となって理解醸成に努めてきたのではないかなと、そういう理解であります。したがって、西村経産大臣の言葉に対して私がどうのこうのコメントすることはありませんけれども、政府一丸となってまず理解の醸成に努めてきたというこの事実は、私はあるというふうに思っております。

(問)地元との合意形成は大臣としてはうまくいっているという認識でよろしいんですか。

(答)合意形成という形というのは、そもそも理解醸成の中でお互いに私は理解をしていくという中身だというふうに思っておりまして、やはり人と人と会うことによって理解が深まっていく部分というのは確実にあったというふうに私は思っております。

(問)先ほど、大臣は協議会の中でふるさと納税の話がありましたけれども、寄付額が放出後増えていると。西村大臣からも、水産物の売上高が処理水の放出後に伸びているといった話が冒頭ありましたけれども、そういった放出後の全国からの反響について、大臣としてどういうふうに考えられますか。

(答)私自身は、福島の復興というのは正に日本の再生につながる大事なものだということで復興大臣としての職務を今進めていっているところであります。したがって、福島の復興を成し遂げるためには、様々なところに私自身は出向いて行ったところでありまして、出向いて行くことによって様々な課題も私自身が理解することができます。そういった状況の中で、是非とも西村大臣との連携も深めながら今後は進めてまいりたいというふうに思っております。

 今言ったように、要するに漁獲高が増えたかどうかというのは直接私はあの場で聞いただけであって、具体的な数字として聞いているわけではありません。ただ、先ほど申し上げたとおり、いわき市の市長からふるさと納税について件数が増えたというお話があったということは、その会議の中でお話がありましたものですから、それはお伝えさせていただきました。

(問)中国からのいたずら電話の件について、風評とは別次元の話であるというお話がございました。やっていることとしては風評被害の延長上なのかなという部分もあるんですけれども、国としては外交上とかそういった問題というふうに捉えているということなんですか。

(答)ある面では私は外交上の問題だというふうに捉えています。中国にいらっしゃる日本の日本語学校に石が投げられたり卵が投げられたという、これは報道ベースで私は知ったわけでありますけれども、これは風評とは違う問題ではないでしょうか。あくまでもこれは外交上の問題としてしっかりと外務省が抗議をすべき内容だというふうに思っております。更に、地元に、先ほどもお話ししましたけれども、かなりの迷惑電話が集中してあるのであれば、この点についても何らかの対応は政府として考えていく必要があるのではないかなと、そのように思っておりますが、まだ具体的な対策は今のところございません。あくまでも外交ルートの抗議を今させていただいているということであります。

(問)今の点で確認なんですが、外交ルートを通じた抗議というのはもうされたということでしょうか。

(答)はい、されております。

(問)外務省から。

(答)はい、外務省からされております。


(以  上)

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