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渡辺復興大臣記者会見録[令和5年8月22日]

令和5年8月22日(火)15:45~15:57 於)復興庁記者会見室

1.発言要旨

 本日、冒頭発言は2件でございます。

 本日午前中に開催されました「廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚会議」及び「ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚会議」の合同会議において、ALPS処理水の処分に伴う風評影響や、なりわい継続に対する不安に対処するべく、今後これらの対応に、政府としてALPS処理水の処分が完了するまで全責任を持って取り組むこととした上で、東京電力に対して、原子力規制委員会が認可した実施計画に基づき、速やかに海洋放出開始に向けた準備を進めるように求めることが決定されました。また、海洋放出開始は、気象・海象条件に支障がなければ8月24日を見込むということでありました。

 会議内において私からは、地域に出向いて直接話をして理解醸成に取り組んできたこと、また、今後も地域に寄り添い生の声を丁寧に聞いて対応すること、引き続きALPS処理水の安全性とともに三陸・常磐ものなどの地域の魅力を国内外に積極的に発信すること、速やかに風評対策タスクフォースを開催することを申し上げました。

 復興大臣として、この約1か月間においてもIAEAの報告書の説明を兼ねて現地に赴き、漁業組合の皆様や主要な自治体の首長から現場の声を聞かせていただき、また、両副大臣、政務官とも協力して、約50の自治体、団体との意見交換を重ねてまいりました。復興庁として、ALPS処理水の処分に伴う風評影響やなりわい継続に対する不安に対処していくことの必要性について、認識を深めてまいりました。

 他方で、福島の復興を実現するためにALPS処理水の処分は決して先送りできない課題であり、今回の決定は福島第一原子力発電所廃炉への道を切り開き、そして福島復興に向けた大きな一歩になるものと考えております。

 復興庁として、引き続き現場主義を徹底し、被災地に寄り添いながら、これまで以上に福島の復興に向けて関係省庁とも連携し、政府一丸となって取り組んでまいりたいと思います。

 2点目です。先ほど私から紹介いたしました風評対策タスクフォースを今週25日金曜日に開催し、本日の関係閣僚会議で決定された基本方針の実行と今後の取組について関係省庁から報告を受けるとともに、風評影響に対する不安に政府一丸となって対処すべく、私から関係省庁に指示する予定でございます。

 私からは以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)関係者の理解なしにはいかなる処分もしないという、政府と漁業者の約束についてお尋ねします。昨日の場でも、全漁連の坂本会長が首相との面談でも「依然として反対だ」というふうにおっしゃっていて、今、地元の漁業者からも反対、懸念の声というのが上がっていて、約束は破られてはいないが果たされてもいないというふうな声も上がっています。これは漁業者の声を無視というか、実質、約束が守られていないのではないかというふうにも考えざるを得ないと思うのですが、大臣として、この約束というのは遵守されていると思っていらっしゃいますか。

(答)まず、この問題につきましては、岸田総理大臣と全漁連の会談後の記者会見において、西村経済産業大臣も「自治体、その他の事業者への説明、意見交換及び漁業関係者の声を踏まえて、関係者の一定の理解を得たと判断し」というふうに言われております。このことは、私自身もしっかりと共通の認識という形で進めていきたいというふうに思っておりますし、今後も、私自身はさらに理解の醸成に取り組んでいきたいというふうに思っております。

 本日、政府としてALPS処理水の海洋放出の実行を決定したところでありますが、あらゆる機会を通じまして国内外の関係者に丁寧に説明し、頂いた要望や御意見を政府内で共有して、これからも政府一丸となって理解醸成に努めていきたい、そのように思っております。

(問)2点お伺いします。1点目ですが、8月24日の放出開始を見込むということが今日、決定されたわけですが、この8月24日というタイミングになった理由。様々、海水浴シーズンですとか、底引き網漁など、そういう県内の事情もあったと思うのですが、その辺の地元への配慮といったところを考えられてのこのタイミングだったのか、そのあたりはいかがでしょうか。

 もう1点目ですが、やはり今後求められるのは風評対策。大臣もおっしゃっていましたが、復興庁として、今、風評対策のタスクフォースのお話も出ましたが、今後放出された後、そもそも風評をまず起こさないための対策は、どういったことに取り組んでいくのか教えてください。

(答)2点、今、御質問を頂きました。まず1点目です。8 月24日というふうに決定したことについてですが、これは、本日の会議の中でも総理がおっしゃっていましたが、政府全体として総合的な判断でありますが、安全性の確保と、更には風評対策に対する取組の状況及び今後の取組について確認した結果として、今回の日程となったというふうに理解しております。

 また、2点目であります、今後の風評対策についてでありますが、まず、政府全体として、ALPS処理水の処分が完了するまで全責任を持って取り組むことを決定したというところでありまして、これを踏まえまして、先ほど私が申し上げましたとおり、風評対策のタスクフォースを開催することによって、政府一丸となって、科学的根拠に基づいた情報発信及び三陸・常磐ものなどの地域の魅力を国内外に積極的に発信してまいる所存であります。

 これが、今の段階で風評対策として我々が取り組もうという内容であります。

(問)タスクフォースというのは、具体的に決まっていることは何かあるのでしょうか。

(答)これから25日に向けて、様々な状況を見ながら指示の内容について決めていきたい、そのように思っておりまして、現在の段階ではまだ申し上げられる内容ではありません。

(問)今、大臣は「地元の自治体に地域密着で理解の醸成に努めてまいりたい」とおっしゃいましたが、今後、放出前、若しくは放出の日に福島へ行って、実際に現場の皆さんと意見交換などをされる予定というのは、決まっていることはあるのでしょうか。

(答)今の段階で具体的なものは決まっておりませんが、私自身の従前からの姿勢でありますけれども、地域に密着していく、地域の声をしっかりと受け止めていく、この姿勢は今後も貫きたいというふうに思っておりますので、できるだけ早い時期にまた福島のほう又はほかの地域にもお邪魔したいと考えております。

(問)先ほど、タスクフォースの内容についてはこれからだということでしたが、タスクフォースというのは、これまでも従前から開催されてきた会議体でして、これまでやってこられた取組と、今後の放出後の取組と、何か変わる点というのはあるのでしょうか。

(答)実際に、今回放出するというのは、少なくとも今まで12年間タンクにためていたものを海洋に放出するという、新たなステップを踏むわけであります。

 この点を踏まえて、どのような対応をしていくかということは、今後、25日には一つの方針として指示を出していきたい、そのように思っております。

(問)改めてになる部分もありますが、風評を起こさないために大事なことというのはどういうことが考えられるか、御所見をお伺いします。

(答)まず、風評を起こさないということは、様々な状況があるというふうに思います。例えば海外への情報は、あまりにも拡散することによって、それが国民にとって影響を与えてしまうということもあろうかというふうに思いますが、逆に言いますと、風評を防ぐためには、それぞれの地域の魅力を大いに発信していくことが大事であります。先ほども申し上げました、常磐もの、三陸もの、こういったものは安全でおいしいですよ、こういった方向をしっかりと示していきたいというふうに思います。そういう機会を、私自身も食べることを皆さん方に示していく、そしておいしいということを発信できればと、そんなことも考えているところでありまして、そういったプラス面をしっかりと、いわゆる広報をしていくことが大変重要だというふうに思っております。


(以  上)

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