メニュー
閉じる

吉野復興大臣記者会見録[平成29年12月22日]

吉野復興大臣閣議後記者会見録(平成29年12月22日(金)11:00-11:30 於)復興庁会見室)

1.発言要旨
 先ほど開催されました閣議において、平成30年度の復興庁予算が決定をされました。
 被災地では発災から7回目の冬を迎えております。いまだ多くの方々が仮設住宅等で避難生活を送られていることを思うと、胸が痛みます。
 現場主義を徹底し、被災者に寄り添いつつ、スピード感を持って、できることは全てやる、そして一日も早く復興を果たす、それが復興大臣としての責務である、このように思っております。
 大臣就任以来、できる限り多くの被災地を訪問してまいりました。また、全国各地で被災者支援に携わっている方々ともお会いし、お話を伺ってまいりました。
 地震・津波被災地域を中心に、インフラの整備は着実に進んでおります。一方、復興の進捗に応じ、個々の被災者の置かれた状況も変化しており、一様ではございません。
 避難生活の長期化、恒久住宅への移転など、それぞれの被災者の生活再建のステージに合わせて、切れ目なく支援することが求められております。
 福島では、原子力事故災害からの復興・再生に向けた取組を引き続き進めていく必要がございます。
 こうした課題に的確に対応できる予算とすることを念頭に、大臣に就任して初めての予算編成に当たってまいりました。
 平成30年度復興庁予算案は1兆6,357億円となりました。
 住宅再建・復興まちづくりなどインフラ整備については、完了を見据え、事業の進捗に必要な予算を確保しております。
 その上で、きめ細やかなソフト支援の強化、福島の復興・再生に向けた取組といった課題への対応に注力をしております。
 詳しい内容については、資料1に掲載させていただいております。詳細は事務方にお問合せをお願いいたします。
 私からは、30年度に特に力点を置いて取り組む分野を説明させていただきます。資料2を御覧ください。
 まずは、「心のケアとコミュニティ再生」についてです。
 復興の進展に伴い、災害公営住宅等への移転や避難指示が解除された区域への帰還が進んでおります。新しい生活環境で安心して生活していただけるよう、コミュニティ形成・再生や心身のケアに重点的に取り組んでまいります。
 また、全国に避難をされている方々への相談支援についても、各地の支援拠点での対応を継続いたします。さらに、心のケアの専門家による戸別訪問の実施など、相談体制の強化にも取り組んでまいります。
 加えて、被災者支援に携わる方々への支援を強化してまいります。
 被災者が抱える問題は多様化しております。支援者には多くの知識・スキルが求められております。また、複雑な相談への対応に精神的なストレスを抱えている方もおられます。支援者が心の健康を保ちながら継続的に役割を果たすための支援が極めて重要でございます。
 具体的には、支援者が気軽に相談し、助言を受けることができる体制を整備してまいります。
 また、心の健康を保つための専門家によるセミナーや必要なスキルを身につけるための研修の充実を図ってまいります。
 復興庁は、各自治体とともに、これら支援の実施に積極的に取り組んでまいります。
 次に、「帰還困難区域における特定復興再生拠点整備」です。
 この秋に計画を認定した双葉町、大熊町では、既に整備に着手し、避難指示の解除に向けた第一歩を踏み出しました。加えて、本日、浪江町の計画を認定いたしました。富岡町、飯舘村、葛尾村でも計画の策定に向けた検討が進められております。
 来年度は、現在計画の策定を進めている自治体においても、事業が始まると見込まれます。計画に沿って着実に除染やインフラ整備等を行い、新しいまちづくりを進めてまいります。
 次に、「避難指示解除区域での生活再開のための環境整備」でございます。
 福島では、この春に多くの地域で避難指示が解除されまして、ようやく本格的な復興に向けたスタートを切ったわけでございます。引き続き、医療・介護サービス提供体制の確保、魅力ある教育づくりなど、地域での生活再開に必要な環境整備に取り組んでまいります。
 特に、30年度予算では、介護分野において、応援職員の確保支援などの人材確保策の充実と入所施設等への運営支援を一体的に行ってまいります。32年度まで継続して支援し、地域の介護サービス提供体制の確保を図ってまいります。
 イノシシ等の野生鳥獣の出没が住民の帰還の妨げとなっております。専門家の意見も伺いながら対策を強化してまいります。
 具体的には、捕獲わなの数を大幅に増やしてまいります。加えて、29年度に実施するモデル事業の結果を踏まえ、市街地周辺への侵入防止柵の設置を本格的に行ってまいります。
 また、事業・営農再開や工場等の新規立地への支援、福島イノベーション・コースト構想を通じた新たな産業の創出にも取り組んでまいります。   
 最後に、「風評払拭・リスクコミュニケーションの強化」です。
 今でもなお科学的根拠に基づかない風評や、いわれのない偏見・差別が残っております。これらの解消に向け、復興庁が中心となって、「風評払拭・リスクコミュニケーション戦略」を取りまとめたところです。関係府省庁が戦略のもとで連携し、分かりやすい情報発信を行ってまいります。
 具体的には、テレビ、インターネット等を活用したメディアミックスによる情報発信を行います。
 また、福島から避難している子どもへのいじめの問題もございました。全国の小中高生向けの放射線副読本を改訂してまいります。配布にとどまらず、子どもたちにしっかりと伝わるように工夫をしてまいります。
 これらを通じ、全国の方々に放射線について正しく理解していただくべく、全力を尽くします。それが、福島県の農林水産業や観光業の復興にもつながると考えております。
 これらの方針に従って、被災地の方々が一日も早く安心して生活できる環境を取り戻せるよう、全力で取り組んでまいります。
 2点目、明日、12月23日に東京国際フォーラムにおいて開催されます福島県主催の「ふくしま大交流フェスタ」に参加をいたします。様々な出展ブースを視察し、福島ならではのグルメや伝統的工芸品などの魅力を再確認しながら、出展者の皆様からそれぞれの取組についてお話を伺いたい、このように思っております。
 以上です。
2.質疑応答
(問)今回、大臣は初めての予算で、心のケア等を盛り込まれましたけれども、どのように御自身で評価されるのか、改めてお聞かせください。
(答)私も生活再建支援拠点をかなり巡っておりますので、心の復興、本当に大事だなと。実は私自身も、津波の映像を今になっても見ることができないわけでありまして、正に心の復興、心のケア、そこの大事さを強く感じて、今回、予算を付けておいたところです。
(問)全体の評価としては、今回の予算に関しましてどのように評価されますか。
(答)全体的には、いわゆるハード事業、これは復興が進んでおりますので、ハードの予算は減っております。でも、ハードからソフトへという形で、私が大臣になってからソフト事業、特に心のケア、心の復興、また、水産加工業での販売促進等々のソフト事業の方に、大きくハンドルを切っているところです。それが今度の30年度の予算に反映されているというふうに思っております。
(問)ソフト事業にかなり注力されていると思うんですが、大臣になられてから現場を回る中で、特に、この視察が心のケアとかソフト面に注力しようと思ったきっかけになったというものはありますでしょうか。
(答)よろず相談所、全国に26か所ございますけど、ここをかなり、半分近くは今のところ歩いてまいりました。そこで、県外に避難されている方々のお話、そこへ支援をしている方々、NPO等々の方々のお話を聞くと、心の復興に予算を大きく付けるべきだという印象を持たせていただきましたので、そこは私の個人的な、今も津波の映像が見られない、だから心のケアが大事なんだという思いと一致をしたというところでございます。
(問)復興拠点の関係ですが、浪江で3例目ということで、あと25日に双葉の方で、国費助成の工事に着手すると聞いております。そうした申請・認定、あるいは工事着手のペースについてどのように思われるかというのが1点。もう1点は、改めて復興拠点の意義について、お聞かせください。
(答)私は大臣になる前に、自民党の加速化本部の役員をしておりまして、帰還困難区域の取扱い方、ここを私は発言をずっとしてまいりました。その結果、帰還困難区域といえども、長い年月は掛かるかもしれないけれども、将来必ず避難指示解除するという決意を6次提言の中で書かせていただきました。本当に私自身「やったな。」という思いでございます。
 その決意を元に福島特措法が改正されまして、基本方針の中にその同じ文言が書かれております。これは閣議決定をされている基本方針でございますので、帰還困難区域といえども必ず新しい町をつくるんだ、避難指示解除できるんだ、とりあえず5年以内に特定復興再生拠点を定めて、新しい町をつくるんだということでございますので、本当に帰還困難区域といえども、長い年月掛かっても必ず避難指示解除するという決意は、ワンステップ果たされているのかなと、こんな思いです。
 ちょっと長くなりますけど、私も選挙を受けてきましたので、双葉町、大熊町のおじいちゃん、おばあちゃんと選挙運動をしてまいりました。特に、5年以内ということなんですけど、駅周辺はあと2年ちょっとで常磐線が開通します。ですから、駅周辺はあと2年ちょっとで一部解除がなされる予定になっておりますので、あと2年ちょっとで一番電車に乗って双葉の駅で降りてねっていうお話をすると、皆さん目を丸くして、ある意味で希望を持てたなというお顔をしておりましたので、帰還困難区域といえども避難指示解除ができるということは、そこに住んでいた方々にとっては、本当に大切なことなんだなと、そんな思いをしたところです。
(問)風評払拭のリスクコミュニケーション強化戦略についてなんですが、確かに金額は3億円とそれほど大きい額ではないんですけれども、ただ、このやはり影響は非常にやっぱり大きい内容だと思います。
 特に、やっぱり甲状腺がんですね。小児甲状腺がんのお子さんが今193人ですか、いらっしゃると。それで、転移している方もいると。大臣、地元のいわき市からのそういう方がいらっしゃるわけですね。
 それで、やはりその風評払拭ということだけで前面に出して、その科学的根拠に基づかない風評というふうな言い方をされると、あたかも、放射線の方でそのリスクコミュニケーションがおろそかになっているんじゃないかという方がこの内容ではあると思うんですけれど、それについては大臣はどのようにお考えでしょうか。そういう現状について。
(答)今度の強化戦略では、風評払拭のタスクフォースで、各省庁が局長さんクラスでタスクフォースをつくっていますけど、ある意味で、簡単に言うと、各省庁でパンフレットまではつくっていたんです。でも、その中身を国民に伝えてなかったものですから、だから、風評が払拭されなかったという、このところを大いに反省をしなければなりません。
 ですから、今度はいかにその中身を国民に伝えるかというコミュニケーションのプロと、相談をして、今度の戦略をつくらせていただきました。いわゆる一人一人の国民に、放射線についての正しい理解というものを知らしめていくというのが今度のリスクコミュニケーションの強化戦略です。
(問)ごめんなさい、何か正しいその理解というのが、その政府の見解の押し付けになってしまう。要するに、今もこれは放射能、原発のやはり原因ではないというふうな言い方も今はされているわけですけれども、過剰診断とかですね。そういったやっぱりきちっと正しいことを教えないといじめとかもなくならないと思うんですけれども、そういったもっと政府の方が正しい見解を持つべきだと思うんですが、その辺はいかがでしょうか、もう少し……。
(答)放射線については、政府の見解ではなくて、いわゆる放射線を扱っている科学者の科学的な世界で今行われているといいますか、放射線についての科学的な理解というものを国民に伝えていくということでございます。
(問)まだ来年度予算の当初予算案が決まった段階で、少し気が早いんですが、今回のその当初予算案で、いわゆる復興財源フレームの対象経費が約1.5兆だと伺っております。
 そうなると、これまで2011年から来年度までを含めて、大体29兆ぐらいがおおむね執行済みか、執行予定となっております。
 そうすると、10年間32兆の財源というのは、あと残り3兆円程度だと。そうなると、残りの2019年と20年度は恐らく1.5兆規模で進めていくことになると思うんですけれども、それが被災地復興に適した規模として運用できるかどうか、大臣の見解をお伺いします。
(答)残り2年で3兆の財源があるわけでございますので、特に、岩手、宮城の場合の復興道路、20日にも総理と岩手県を訪問してきましたけど、横軸の道路がまだまだなんで、これはあと復興庁が、今年は、来年度も含めて3年で完成させるということでございますので、鋭意努力をして、何としても完成させるための財源として使っていきたい。
 また、福島はあと3年では終わりませんので、いろいろな福島の事業についても使っていきたいと、このように考えています。
(問)もう1点、復興予算の根本の問題ですけれども、やはりその復興事業はインフラ復旧だけではなくて、被災者の生活再建というものを主軸にしていると。それは諸々の復興基本法にも書かれていることなので、それはある意味被災地に残って生活しても、避難先に行って生活しても、多様な選択肢があって、それを総合的に支えるというのが復興するのに基本だと思います。
 それには、避難指示の有無というのは余り書かれていないはずですけれども、大臣、これから心のケアもかなり力を入れられるということで、これは多様な選択肢をして生活再建している人に、どのような目配りをするお気持ちでしょうか。
(答)福島県で暮らしている方々、そして、福島県の外で暮らしていこうと決心をされた方々、どちらの方々にもやっぱり生活がきちんといくように支援していくのが、そして、最後の一人まで支援を求めている人がいれば支援をしていくというのが私の大方針でございますので、おっしゃるとおりです。どこに暮らそうとも、生活がきちんとできるような支援をこれからしていきたい、このように考えています。
(問)去る12日、吉野大臣は大臣室で自主避難等避難者の方々とお会いになっておられますが、そこでの大臣の御発言を全部紹介すると大臣のお立場なくなるので、あえて差し障りのない部分だけ質問させていただきます。
 大臣は避難者の方々に対して、事故から7年も経ったんだから、そろそろ自立を考えたらどうかと発言されたと聞いてます。いかがでしょうか、事実関係。
(答)皆さんとは偶然にお会いをしましたので、ですから、正式に大臣室でお会いをしたわけではございません。ですから、その点についてのコメントは差し控えたいと思います。
(問)御否定されるようでしたら……
(答)いや、否定はしません。コメントを差し控えます。
(問)浪江の特定再生復興拠点に関してなんですけれども、今回、多分三つの地区でという計画が今、自治体の方から出ていると思いますが、今回、浪江が認定された意義というのを改めて大臣からどうでしょう。
(答)双葉・大熊は一つのエリアで済んだんですけど、浪江は広範囲に渡っておりますので、三つのエリアが指定をされました。そういう意味では、復興拠点というのはやっぱりポイント、ポイント、拠点になるポイントがたくさんあれば、そこはきちんと認められるんだということを今回、浪江が示したと思います。
 ですから、そういう意味で拠点に値する地域はきちんと復興拠点として整備をしていくということが、浪江の計画で証明されたと、そういう意味では私も嬉しく思っています。
(問)前のときにもおっしゃっていましたけど、大きな一歩というか、一つ……
(答)そうですね。大きな一歩、大きな、本当に、大きな一歩だと思いますね。大股の一歩です。
(問)さっき科学的根拠に基づいた風評払拭というお話でしたけれども、これ、読ませていただきましたけれども、基本的にUNSCEARとか、それからIAEAとか、原子力の推進機関による報告書とかを基にしているのが多いんですね。
 今年11月に国連人権理事会から、日本政府に対して母子の健康の問題ですとか、それから住宅の問題とか、自主避難を含めた自宅の問題とかの勧告が出たんですが、それについて大臣御存じかということと、本当にこの科学的根拠というのは本当に大臣が言ったように信用していいのかどうかということをお伺いしたいんですけど、多分、疑念があると思うんですが。
(答)世界で放射線に関する科学的な理解をきちんと伝える、あとは、個人がそういう情報も加味し、いろんな情報を加味して判断するのは、これは個人でございますので、ですから、科学的な情報をきちんと伝えていくというのが政府として、復興庁として一番大事な点だと思います。
 いろんな学者の方々が、いろんな放射線についての意見を言っておりますので、復興庁としては科学的な見解はこうなんですよというふうにお伝えをしていく、が大事です。
 あと、判断するのはこれ、個人でございますので、そこまでは触れないというふうに思います。
 ありがとうございました。

(以    上)

ページの先頭へ