復興庁復興庁
  • 文字サイズ
メニュー
閉じる

根本復興大臣の会見[平成26年5月30日]

根本復興大臣記者会見録(平成26年5月30日(金)09:34~09:51 於)記者会見室)

1.発言要旨
  おはようございます。私の方から3点お話をいたします。
  1つは、「県外自主避難者等への情報支援事業」の実施についてであります。
子ども・被災者支援法に基づく協議方針に盛り込んでいる政策の一つである「県外自主避難者等への情報支援事業」について、平成25年度に引き続き実施します。
本事業は、福島県からの県外自主避難者を対象に、情報提供及び相談支援を行い、県外自主避難者が避難生活から自立した生活に移行できるよう支援を行うものです。
平成25年度は4カ所で具体的に実施をいたしましたが、平成26年度は北海道、山形県、東京都、新潟県、京都府、大阪府、岡山県、福岡県の8カ所で実施をいたします。
詳細は配布資料をご覧いただきたいと思います。
次に、「がんばれ復興!! まちづくりトップランナー」についてであります。
本日、「がんばれ復興!! まちづくりトップランナー」について、復興庁のホームページで公表します。
住宅再建まちづくりでは、私の指示の下で、関係省庁の局長級によるタスクフォースを開催してきております。今週の火曜日にも第7回のタスクフォースを開催し、第5弾の加速化措置を公表したところです。これまでの加速化措置などにより復興のステージが進み、早い地区では造成宅地を被災者へ引き渡し、被災者による住宅再建の段階まで進んできています。
一方、まさにこれから宅地造成などを進める市町村もあり、これらの市町村にとっては、どのように工夫すれば早急に宅地造成ができたり、事業期間が短縮され、その結果、住民の住宅再建が整ったりできるか、という情報が必要な時期であります。ただ目の前の事業に全力で取り組んでいるので、なかなか自分で情報収集するのは困難ではないかと思っています。
今回、「がんばれ復興!! まちづくりトップランナー」として紹介する10市町村は、様々な工夫を行いながら平成25年度中に宅地造成を終えております。施工期間を画期的に短くしたりするといった、ほかの市町村のモデルとなるような先導的な取組を行っています。これらを国のほうで取りまとめることで、他の市町村も復興まちづくりの参考にしてもらい、そういう工夫をより容易に行っていただける環境を整備し、様々な横展開を使って、復興の加速化につなげたいと考えています。
また、紹介した市町の復興の取組に対するモチベーションを上げる、という効果もあると考えています。
今後についても、モデルとなるような先導的な取組については、順次展開してまいります。
次に、福島県訪問についてであります。
本日、桑折町、国見町を訪問し、両町長と意見交換をするとともに、復興を進めている現場を視察する予定です。
また桑折町では、皇室に献上されている桃の摘果作業を視察する予定です。
復興の進捗状況を確認するとともに、両町が抱える要望や課題をしっかり受け止めてまいる所存です。
  私のほうからは以上です。

2.質疑応答
(問)明日から中間貯蔵施設の説明会が県内外で行われます。中間貯蔵施設は、福島の復興において最大の課題の一つと言われていますが、大臣は中間貯蔵施設の受け入れが、福島の復興においてどういった意味があるのかとお考えかということと、もう一つは、明日からの説明会で、地元にどういったものを訴えたいか、求めたいか、ということの2点、教えてください。
(答)まず、中間貯蔵施設は福島の復興について、福島の復興を後押しする大業だと思います。
今、除染は福島県で大きな問題になっていますが、各市町村で除染に鋭意取り組んでおりまして、あるいは環境省の直轄でやっている。その一つの問題は、今、仮置き場で保管している、あるいは敷地内に保管している例もある。この除染で出てきたものを、速やかに中間貯蔵施設に移してもらう。それは復興にとって大きな原動力なると思います。
それから、住民の皆様には様々なご意見もあるでしょうから、これは15カ所で、丁寧に現地説明会をやることにしておりますが、住民の皆様の様々な意見や疑問に答えて、そして中間貯蔵施設の必要性も丁寧に説明しながら、住民の皆様のご理解をぜひ得ていけるようにしたいと思います。
(問)昨日、一昨日と、奥尻島のほうに視察に行かれたと思いますけれども、そこで今回の東日本大震災の復興につながる教訓であるとか、参考になること、あるいは参考でも結構なんですけれども、教えてください。
(答)奥尻島に行ってまいりました。そして、北海道南西沖地震による被害からの復興の現場を見せてもらいました。そして、地元の方々から体験談をお聞きしました。
この奥尻の状況において、私の感想を含めて申し上げますと、住宅まちづくりの再建は、被災直後から速やかに各近隣の住民との連携を図られた。住民の皆さんと町、行政、ここが緊密に連絡をしながら復興にあたられた、ということが特徴の一つです。
それから、津波が来襲したときに迅速に移動するための施設として、青苗漁港では人工地盤を整備したこととか、人工地盤を活用しながら防災訓練を実施していることなどをお聞きしました。さらに防潮堤については、ハード偏重ではないかという一部の報道もありましたが、実際に話を聞いてみましたら、集落のある場所に限って、住民合意を丁寧に進める、ハード、ソフトを組み合わせて、避難も含めた総合的な津波防災対策を実施している、ということがわかりました。実際に来てみると、ずいぶん、私もいろいろな文献も読んで、ある程度頭を整理して来ましたが、実際、行ってみると、やっぱり私は、現場主義、これが大事だと思いましたし、現場を見聞きして、やはり事実を正確に把握するということが重要だろうと思いました。
それから奥尻島では、震災5年後の平成10年には完全復興を宣言された。その後も、人口減少や産業振興の必要性などの厳しい環境がある。これは事実だと思います。この状況は、日本の離島が抱える共通の課題と言えると思います。
このような状況を踏まえて奥尻町では、地場産業の施設として、奥尻ワイナリーと併せて種苗育成センターも見てきました。奥尻ワイナリーは復興事業が一段落した後の雇用確保の観点から、建設業の方の雇用を切るわけにはいかないということで新たな地場産業として導入した、ということをお聞きしました。
それに、あわび種苗育成センターでは、減少傾向にあるあわび種苗の回復のために、稚貝育成と放流を行っていました。奥尻島の経済を支える観光業、水産業の新たな取組として、大変参考になりました。
こうした意味で、奥尻島では、まさに迅速に見事な復興を成し遂げたものと思います。しかし、東日本大震災からの復興はまだ4年目に入ったばかりで、いまだ道半ばですが、やはり大事なのは、我々、住宅再建まちづくり、そして、産業再生に取り組んでまいりましたが、やはり大事なのは、地域の雇用確保、地域経済をしっかりした足腰の強いものにしていく。その意味では、産業復興のタスクフォースでお話しした、産業復興が大きな課題になると思います。ですから、「新しい東北」という施策テーマを打ち出して、新しい東北に5本柱で取り組んできましたが、それらをベースに、産業という大きな課題に今後も挑戦していきたいと思います。
(問)2点お伺いしたいと思います。昨日、楢葉町の松本町長が会見をして、いわゆる楢葉町の帰町判断を来年春から、早ければする、という方向を出されましたが、その点について、国としてどのような対応をするか、というのが1点。
もう1点は、福島県が国と協議をして、来年3月に期限が迫っていた仮設住宅供与の1年間延長を決定しました。震災以降、都合3回延長したと思いますけれども、いくつかの根拠法があって、それに基づくと1年ごとに更新していくことになりますけれども、これはあくまで自然災害の枠組みでの法体系であって、やはり避難が長期化する原子力災害の場合の仮設住宅については、別の制度をつくるべきだという声もありますが、このことについてお伺いします。
(答)昨日、楢葉町長が現時点で帰町を目指す時期として、諸条件が概ね整うことを前提に、早ければ平成27年春以降になると考えています、という旨の帰町判断を行ったと承知をしております。また、記者会見後の記者との質疑応答の中では、町長は、まずは来春を目指して帰町を目指す意向を示しております。楢葉町では、町民の早期帰還に向けた環境も着実に整ってきています。そして、町長も言っているように、双葉郡の復興を最前線で支える、いわば復興拠点を目指す町です。我々としても、国・県一体となって楢葉町の復興再生を本格化に向けて、最大限支援していきたいと思います。
  次に、応急仮設住宅の供与期間の問題であります。制度上、自治体の判断で延長することができることとなっておりました。福島県においては、被災者の要望や復興の状況を踏まえて適切に判断されたものと認識しています。避難されている方々においては、1年10カ月先のこの応急仮設住宅の無償提供が継続されることで、当面の見通しが立てられるようになったものと思います。
今のお話は、制度上、応急仮設住宅が建築基準法の観点で、要は、あくまでも仮設住宅ですから1年というのが、これは建築基準法上の観点で、その建物がきちんと安全で住宅として住めるような条件に合っているかということを建築基準法上の観点から見ていくということだと思います。応急仮設住宅という性格ですから、その意味で、今の意見も一つの意見だと思いますが、この仮設住宅を建築基準法上の観点で見ているというところが、そこから1年ごとに見ていく、ということになっているものだと思います。
いずれにしても、真に支援が必要な被災者の方々には、これからも必要な施策を届けられるように、関係省庁と緊密に連絡して取り組んでいきたいと思います。
(問)復興とはちょっと関係ないのですけれども、昨日、安倍首相が、日本人拉致被害者の再調査について、北朝鮮と合意したと発表しました。この点についてお伺いいたします。
(答)拉致問題の解決は、安倍内閣の最重要課題の一つです。この度、北朝鮮が拉致問題について包括的、全面調査を行うことを約束した。これは私は、拉致問題の解決に向けての第一歩であるということを期待しております。

 

(以    上)

ページの先頭へ