国立研究開発法人建築研究所が国際協力機構(JICA)との協力により実施している地震学・地震工学に関する研修参加を目的として来日している研修生一行が11月5日(月)~9日(金)の日程で、東日本大震災や新潟県中越地震の被災地を訪れ、被災地における当時の被害状況やこれまでの復興状況への取組等について学びました。
研修生は、開発途上国(東南アジア、南アジア、中南米の5か国、計7人)の地震学や地震工学を学ぶ研究者や技術者で、同研究所が実施する国際地震工学研修(International Training on Seismology and Earthquake Engineering)で訪問したもので、昨年に引き続き2回目の実施です。
研修生一行は、7日に宮城復興局を訪れ、「宮城の復興の現状と取組について」の講義を受けました。宮城復興局の職員から、東日本大震災の被災状況、これまでの復興状況やこれからの課題についての説明を受けた後、質疑応答が行われました。研修生からは、「ネパールでも2015年に地震災害があったが、高台移転先の土地購入をめぐり、行政と土地所有者との間でトラブルが起きた。日本ではそのような事例はあるか」「高台移転の費用負担はどうなっているのか」「家屋を失った被災者に対する住宅再建補助はどうなっているのか」など、自国の情勢とも重ね合わせた質問が次々に出され、活発なディスカッションが展開され、災害からの復興に対する関心の深さがうかがわれました。
一行は6日に石巻市において震災伝承・防災プログラムを行う団体の取組を視察したほか、7日当日は仙台市の荒浜小学校や慰霊碑を見学、その翌日からは新潟県中越地震の被災地を見学しました。
研修生たちは、しばしば大地震や津波などの大きな災害が起こる日本において、その対応のきめ細かさや復興のスピードに感心した様子で、これらをモデルとして、自国や国際社会における防災や復興に役立てていきたいとの熱い意気込みが感じられました。
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