東日本大震災から7年を前に、震災時、実際に避難所として使用された施設を利用し、避難所での様子を体験してもらうプログラムが陸前高田市で開催されました。
「東日本震災での体験を、伝え共有していくことがご支援への恩返し。」との想いで、陸前高田市、岩手大学地域防災研究センター、陸前高田グローバルキャンパス、岩手日報社が組織する〈災害対応トレーニングキャンプin陸前高田実行委員会〉が主催し、全国から行政関係者、一般、報道記者などが参加しました。
震災直後、指定避難所ではなかった同市スポーツドームで避難所の運営にあたったササキスポーツの社長、菅野さんから当時の状況や約200名の避難者をまとめるためのルール作り、避難者同士の協力体制などについての講演が行われました。その後、実際に地震が発生した時刻に緊急地震速報が鳴り、津波の映像がモニターに映し出されると、参加者は険しい表情で画面を見ていました。
初日の夕方から夜にかけては、火元の確保や名簿作り、物資の荷卸し作業、震災当日の夕食の再現やドーム内へのテント設営などを行いました。各テントにはラジオが配布され、震災当日のラジオ音源を聴きながらテント内の寝袋で就寝し、初日を終えました。室内とはいえテント内は非常に寒く、参加者は寒さで何度も目を覚ましながらようやく朝を迎えました。
2日目は、ラジオ体操で体を温めた後、震災翌日の朝刊を読みながら菓子パンなどで朝食を済ませました。朝食後は災害対応について班別で討論し、その後は同市職員による避難所運営マニュアルや報道対応に関する講演、給水車による給水体験などが行われ、昼食時には、自衛隊と同市地域女性団体協議会の協力で炊き出しが行われました。疑似避難者を体験した参加者は、温かい食べ物を口にした瞬間、思わず顔がほころびました。
最終日の3日目は、陸前高田グローバルキャンパスを会場に、4つの分科会で被災地の取組について学びました。閉会式では参加者全員で震災での犠牲者へ黙とうをし、3日間で体験したことを振り返りながら、防災の大切さや備えの重要性を再認識していました。
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