岩手・宮城・福島の産業復興事例30 2018-2019 想いを受け継ぐ 次代の萌芽~東日本大震災から8年~
88/155

2013年に新工場を立ち上げて以来、工場機能は順調に回復し、現在ではほぼフル稼働に近い水準となった。2018年度の売上高予測は約50億円と、リーマンショック前の水準にまで戻している。現在は2020年までの3カ年中期計画の初年次に当たり、精器事業、表面処理事業、メカトロ事業のコア3事業の周辺事業領域を固めていくことが目標。強みの精器事業に加え、表面処理事業では自動車部品、メカトロ事業では医療機器に力を入れている。自動車部品では、3年前に新たなめっき装置を導入し、車載パーツに進出。プラスチック部品へのめっきの受注が好調で、順調に顧客を獲得するほか、次世代自動車である燃料電池車分野の研究開発も進めている。コア3事業の周辺事業を固めていく中期計画を実行新分野進出福島業種 製造業代表者 林 明博氏[代表取締役社長]所在地 福島県須賀川市森宿字向日向45TEL. 0248-75-3151WEB http://www.hayashiseiki.co.jp1921年創業。精器事業、表面処理事業、メカトロ事業の3事業を基盤とする。大手精密機器メーカーから生産を受託するウォッチケースの製造などの基幹事業で培った高い技術力をベースに、成長分野である医療機器、ロボット分野へ進出。2017年には、その技術力や地域経済への影響力などが認められ「地域未来牽引企業」に選定された。林精器製造株式会社新規参入の医療分野で自社オリジナル製品を開発17Follow-up2014年取材時の状況被災から間もない2011年4月、本社工場が甚大な被害を受ける中、「いいものをつくる」という新たな社是の下で復興に取り組む。2013年にはいち早く新工場を再建。新たに自動車・医療業界に事業の幅を広げるとともに、産学官連携を通じた新規顧客の拡大を目指してきた。過去記事はこちらから▶『被災地の元気企業40 ─創造的な産業復興を目指すフロントランナーたち─』2014年度刊行初の自社開発医療機器を手にする代表取締役社長の林明博氏88

元のページ  ../index.html#88

このブックを見る