岩手・宮城・福島の産業復興事例30 2018-2019 想いを受け継ぐ 次代の萌芽~東日本大震災から8年~
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前回取材時の2015年、受託中心の経営から開発中心の経営に転換を図ろうとしていたアサヒ電子株式会社。当時注目を集めていた太陽光発電モニタリングシステム「Neoale(ネオエール)」の開発は、その後の経営にも大きな影響を与えているという。菅かん野の寿夫代表取締役社長は次のように語る。「『Neoale』の開発では、クラウドのコア技術を獲得、蓄積することができました。それが、以降の新製品開発に貢献しています。もうひとつ、産総研(産業技術総合研究所)とつながりができたことが大きい。今もAIを使った製品開発のことで相談に乗ってもらっています。産総研の方々との関係は、何ものにも代え難い会社の資産だと思っています」。「Neoale」は、東日本大震災後、産総研とのつながりが会社の大切な資産になった新分野進出福島業種 製造業代表者 菅野 寿夫氏[代表取締役社長]所在地 福島県伊達市坂ノ下15TEL. 024-584-2111WEB https://www.asahi-gp.co.jp/denshi1984年に大手家電メーカーの協力会社として創業したアサヒ電子は、被災後、長年の課題であった自社開発中心のものづくり会社への転換に、より一層力を入れるようになった。さまざまな機関・企業と連携しながら新製品の開発、製造に挑戦し続け、現在は、ロボット・AI技術の活用に取り組み、新たな領域へと踏み出そうとしている。アサヒ電子株式会社諦めない企業文化を武器に新技術・新製品開発に挑み続ける16Follow-up2015年取材時の状況被災後、サプライチェーンのリスク分散の影響を受け業績悪化に見舞われたものの、技術力と信頼を基盤に売上げを回復。再生可能エネルギーの重要性が再認識される中、太陽光発電モニタリングシステムを開発し、注目を集めた。技術力を生かした新製品開発に注力している。過去記事はこちらから▶『私たちが創る~産業復興創造 東北の経営者たち~』2015年度刊行精密部品のチェック工程では、若いスタッフが活躍する86

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