岩手・宮城・福島の産業復興事例30 2018-2019 想いを受け継ぐ 次代の萌芽~東日本大震災から8年~
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前回の取材から6年余り、松川浦の挑戦は確実に実を結びつつある。2012年4月から企画した「復興チャレンジグルメ」はこの秋で実に第16弾を迎えた。「元気な松川浦」を知ってもらうために継続にこだわり、飽きられないよう、毎回、工夫を凝らしたメニューを企画。安全性が確認され提供できる食材が増えたこともあり、県内外からの問い合わせや団体客の予約も徐々に増加。「呼び水」としての役割は十分に果たしている。相馬市松川浦観光振興グループの事務局長である「ホテルみなとや」の管野貴拓氏は、明るい口調で次のように語る。「お客さまにはおいしいものをたくさん食べて笑顔で帰ってほしい。漁獲量は回復していませんが、今できる最上の宿泊体験をしてもら「復興チャレンジグルメ」がつないできた希望海外進出・観光誘致福島業種 宿泊業、飲食サービス業代表者 小野 芳征氏[有限会社カネヨ水産 代表取締役]所在地 福島県相馬市尾浜字原228-25TEL. 0244-38-8808WEB http://matsukawaura.com2011年に相馬市観光協会と松川浦旅館組合を中心に、松川浦地域の25事業者と、対岸の岩子地区の2事業者で結成。津波でほぼ全域が被災したものの、大部分の事業者が被災前と同じ場所で事業を再開している。県内随一の良港と風光明めい媚びな景観で知られる松川浦を取り戻すため一致団結し、観光復興を目指している。相馬市松川浦観光振興グループ業態を越えた若手中心の結束力新しい価値を育むツアー開発122012年取材時の状況Follow-up東日本大震災の影響で地元食材を安定供給することができず、観光客を受け入れられない状況。しかし、そんな中でも“おいしい魚の町、松川浦”を発信するために「復興チャレンジグルメ」を企画。観光客に地元の食材を安心して提供できる日を夢見て走り始めていた。過去記事はこちらから▶『被災地での55の挑戦─企業による復興事業事例集─』2012年度刊行事務局長の管野貴拓氏70

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