岩手・宮城・福島の産業復興事例30 2018-2019 想いを受け継ぐ 次代の萌芽~東日本大震災から8年~
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2013年取材時の状況Follow-up釜石市を拠点に調理冷凍食品の製造や販売をしている小野食品株式会社。東日本大震災後、力を入れ始めた自社通販ブランド「三陸おのや」は順調に顧客数を増やし、前回取材時の2013年時点で、事業スタート時の約1.5倍である1万7,000人まで拡大、さらなる発展を目指していた。顧客数は右肩上がりに増えていき、2018年11月現在、約4万人を超えるほどにまで成長。全国紙への広告掲載やテレビCMなど、広告の種類や回数を格段に増やすことにも成功し、現在通販事業は、全体売り上げの約7割を超える小野食品の屋台骨となっている。ビジネスの基盤を固めた上で、さらに顧客を増やすことができたのは、「お客さま視点によるマーケティング戦略によるところが大ききめ細かい顧客対応とノウハウを活用した新商品海外進出・観光誘致岩手業種 製造業代表者 小野 昭男氏[代表取締役]所在地 岩手県釜石市両石町4-24-7TEL. 0193-23-4675FAX. 0193-23-6332WEB http://www.onofoods.com1988年設立、釜石市を代表する水産加工業者。一般消費者(通販卸売・直販)、病院・施設給食や学校給食、外食産業をターゲット市場に冷凍食品焼魚・煮魚やレトルト食品の製造・販売を手掛けている。東日本大震災後は自社通販ブランドである「三陸おのや」の売り上げを急速に伸ばしている。小野食品株式会社大胆な事業の見直しで自社ブランドの強みを生かす戦略に11代表取締役の小野昭男氏(左)、コールセンターリーダーの鈴木宣明氏東日本大震災の影響で既存顧客を失い、事業の見直しと絞り込みを図る。価格競争ではなく、高い品質で勝負することに決め、外食産業などへの出荷を減らし、自社通販ブランド「三陸おのや」に注力。広告やデータ管理、物流などは外部の企業を活用し、顧客数を増やすことに成功。過去記事はこちらから▶『被災地での55の挑戦─企業による復興事業事例集Vol.2─』2013年度刊行68

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