岩手・宮城・福島の産業復興事例30 2018-2019 想いを受け継ぐ 次代の萌芽~東日本大震災から8年~
16/155

監修委員座談会Discussion東北大学大学院経済学研究科教授福嶋路氏2030年に向けて走り始めた岩手・宮城・福島の先進企業本誌の編さんには東北学院大学柳井教授を座長とする4名の監修委員にご協力いただきました。東日本大震災から8年、改めて見えてきた復興の今の課題と将来への希望。3回にわたり開催された監修委員会から、各委員のメッセージをお届けします。柳井 ハードは整ってきたが、ソフトの整備が追い付いていないというのが、現在の被災地の印象です。そのハードについても、被災地にとって身の丈に合ったものになっているのかどうか、気になるケースもあります。街づくりはハードとソフトの総合化ですから、行政のサポートを受けながら、未来の設計図の中で総合化を実現することが試されているといえます。福嶋 東日本大震災から時間がたち、その間に日本のみならず世界も大きく変わってきました。被災地に向けられる目や関心が変わってくるのは、ある意味では仕方のないことといえるかもしれません。一方で被災地も、いつまでも被災地ではいられないと思います。藤野 時の流れとともに、人の意識は変わりますから、被災地への関心はどうしても薄れていきます。それに昨年、2018年は、西日本豪雨に台風、大阪府北部地震、北海道胆振東部地震と、他地域で大きな災害が続いたので、そちらに関心が移ったということもあります。まだまだ課題が残る東日本大震災後8年の現状東北学院大学教養学部 地域構想学科教授柳井雅也氏座長16

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る