岩手・宮城・福島の産業復興事例30 2018-2019 想いを受け継ぐ 次代の萌芽~東日本大震災から8年~
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産業復興の主な取り組み東日本大震災の被災地域では、事業者や自治体などの活動をソフト・ハードの両面から支援する事業が数多く実施されている。ここではそのうちの一部の事業を紹介する。新商品開発や新規事業の立ち上げ、販路開拓、生産性向上等の支援新しい産業の創造・産業の復興[ 概要 ] 大手企業等と被災地域企業とのビジネスマッチングを目的にしたワークショップを開催。[ 特色 ] 人材不足や販路開拓、新商品の開発手法など、自助努力や既存制度の活用だけでは解決できない課題を抱える被災地域企業が主な対象。支援企業は、被災地域の企業ニーズに応え、自社の利害を超えて、技術、 情報、販路など、自らの経営資源を被災地域企業に幅広く提供する。1地域復興マッチング「結の場」復興庁[ 概要 ] 復興庁職員が専門家や商工会議所等と連携し、被災地で経営課題の解決に取り組む企業に対して具体的な実務支援(ハンズオン支援)を実施。[ 特色 ] 支援対象は、新商品開発や販路拡大などの新事業に取り組む被災地域企業。支援案件ごとに体制を組み、助言・指導にとどまらず、企業等と共に事業化を推進する。企業を直接に支援する「個社支援」と、商工会議所や観光協会と連携して会員企業を支援する「グループ支援」がある。2被災地域企業新事業ハンズオン支援事業復興庁4復興庁クラウドファンディング支援事業復興庁[ 概要 ] セミナー開催や専門家派遣等を通じて、被災事業者のクラウドファンディング(CF)実施を支援。[ 特色 ] 被災地にCFを浸透させ、被災事業者の資金調達手段を多様化し、産業復興を目指す。CFを成功させるためのマーケティング・プロモーションやWEB制作・動画制作などについて、専門家の支援を受けることができる。8津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金経済産業省[ 概要 ] 商業施設等の整備に要する費用の一部に補助金を拠出。[ 特色 ] 東日本大震災で特に大きな被害を受けた津波浸水地域(青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県)および原子力災害により甚大な被害を受けた警戒区域等であって避難指定が解除された地域をはじめとする福島県の産業復興を加速させ、雇用の創出を通じて地域経済の活性化を図ることが目的。7中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業(グループ補助金) 経済産業省[ 概要 ] 「地域経済の中核」を形成する中小企業等のグループが作成する復興事業計画に対して、施設および設備の整備に補助金を拠出。[ 特色 ] 東日本大震災により甚大な被害を受けた津波浸水地域、または警戒区域等であって、特に復興が遅れている被災3県が対象。費用の4分の3が補助される、内訳は国が2分の1、県が4分の1。3専門家派遣集中支援事業復興庁[ 概要 ] 専門家・専門機関が、被災地で新たな事業を立ち上げる企業やまちづくり会社設立を検討中の協議会等に対し、市場調査等の集中支援を実施。[ 特色 ] 集中支援の具体的な内容は、新商品・サービスの開発や、既存商品の高付加価値化など多岐にわたる。事業立ち上げ費用の全額または一部を復興庁が負担。支援期間は最長6カ月間程度。6株式会社東日本大震災事業者再生支援機構復興庁[ 概要 ] 東日本大震災によって過大な債務負担を負った事業者などの再生支援を目的として設立。[ 特色 ] 金融機関が被災地域事業者に対して有する債権の買い取りなどを通じて、債務の負担を軽減しつつ、二重ローン問題などの財務課題を抱える事業者の再生を支援している。国によって設立され、民間の金融機関と連携して支援を行っている。5産業復興事例集の発行復興庁[ 概要 ] 被災地の事業者らによる産業復興に向けた新たな挑戦や課題の克服の取り組みを取材し、事例集編さんを実施。[ 特色 ] 課題克服の取り組み事例は、事業継承の成功や被災地外からの進出など。被災地内外で共有され、今後の事業創出や復興の加速化につながることが期待される。被災地内外のイベント等で配布し、取り組み事例を紹介している。152

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