復興庁は、2025年9月21日(日)、「親子ヒラメ釣り大会in浜通り」を福島県相馬市・新地町で開催しました。イベントには全国から20組40名の親子が参加しました。当日は海上が強風・高波予報となったため、安全を第一に考えて相馬沖でのヒラメ釣りは屋内でのプログラムに変更となりましたが、参加者の皆さんには福島の海産物の魅力と海の豊かさ、復興の今を知っていただきました。
また、特別ゲストとし、大の釣り好きで5児の父でもあるタレントのつるの剛士さんが参加し、イベントを盛り上げました。
イベントの前半は「クイズ大会」を行い、イベントの後半は参加者と一緒にヒラメのさばき方解説や釣りの仕掛け作り教室、復興視察ツアーが行われました。
また、後半からは輿水恵一復興副大臣も駆けつけ、参加者の皆さんと交流するとともに復興視察ツアーにも参加しました。たくさんの出会いと学びがあった1日の模様をお届けします。

白熱のクイズ大会!
優勝者は何と全問正解
今回のイベント会場は、相馬港にほど近い新地町「わくわくランド」。開会式ではまず復興庁の岡野正明企画官が登壇し、「今日は常磐もののおいしさや福島の海の魅力を楽しんでください。そして初開催の復興視察ツアーが、今後の力強い復興にご理解・ご協力いただける機会となるよう願っています」と、挨拶の言葉を述べました。
続いて特別ゲストのつるのさんが登場。奥様がいわき市出身ということで、福島には帰省で訪れることも多いそう。相馬にも何度も釣りをしに来ていると言い、参加者に「福島は本当にいいところ。ここで今日一日、皆さんと過ごせることを楽しみにしています」と語りかけました。

その後、「つるの剛士さんと学ぶ、魚釣り&常磐ものクイズ大会」が始まりました。福島県の沖合は「常磐沖」とも呼ばれ、冷たい黒潮と共に北上してきたさまざまな魚が暖かい親潮で発生したプランクトンを食べて大きくなる豊かな海です。1年を通しておいしい魚がたくさん獲れることで知られています。「常磐もの」とはこうした魚のことで、特に相馬の海は大きなヒラメが釣れることで有名だといいます。
クイズは、「釣りのことわざ『ヒラメ40(よんじゅう)』はどんな意味で使われる?」、「常磐ものといえばヒラメ、カレイ、アンコウ、スズキなどが有名だが、最近福島県で水揚げされるようになった新しい高級魚は?」など、なかなかの難問ばかり。正解は、前者は「ヒラメはアタリがあっても40秒ほど待ってから合わせたほうがいいという意味」で、後者は「トラフグ」でした。
「正解はこれかな?」「いや、こっちだと思う」……。親子で相談しながら協力して解答していく参加者たち。クイズが進むにつれ「合ってた!」と歓声をあげる子やハイタッチする親子が増え、つるのさんの軽妙なコメントに爆笑が起きるなど、会場はどんどんにぎやかになっていきます。
終わってみれば、つるのさんは15問中12問正解と大いに実力を発揮。しかし、参加者にも釣り経験のある親子が多く、優勝者は何と全問正解。続く表彰式では1位から3位までの親子に賞品が授与されました。表彰される親子は誇らしげな顔で、つるのさんから授与される賞品を受け取ります。会場の参加者たちからも、大きな拍手が贈られました。

表彰式終了後、つるのさんは相馬の海の魅力について「魚が豊富で釣り好きの聖地。常磐ものもどれもおいしいので、息子や娘にもたくさん食べさせたい」と話しました。
ヒラメをおいしく食べる
「さばき方解説」
&
もっと釣りを楽しむ
「仕掛け作り教室」
昼食をとって一休みした後、イベントの後半がスタート。輿水恵一復興副大臣が登壇し、参加者に「今日という日を親子で集い楽しむ時間にしていただけたらと思います。ぜひ福島の魅力や復興の今に触れてください」と呼びかけました。
そして、つるのさんと一緒にヒラメの刺身を試食し、「歯応えがあり甘みもあっておいしい」と満面の笑顔。つるのさんも「新鮮なヒラメの食感は最高」と、その味わいを楽しんでいました。
ヒラメのさばき方解説
釣りサポートスタッフが「ヒラメの5枚おろし」の手順とコツを伝授しました。一般的には魚は3枚おろしにすることが多いのですが、ヒラメは身が平らで大きいため5枚にする必要があります。
ウロコの取り方や包丁の入れ方、皮の引き方のほか、釣ったヒラメを生食する時に気を付けるべき食材管理の注意点を解説。自宅でさばいてさまざまな味わいを楽しめるようにと、さばき方や料理レシピも紹介されました。
当日荒天で釣りが出来なかった参加者の皆様にお土産として、前日に海の様子を確認するために実施した試し釣りで、釣り上げたヒラメ丸ごと1匹を各組に用意。こちらはイベント終了後に手渡され、子どもたちはヒラメが入った大きな箱を抱えて大喜びしていました。
釣りの仕掛け作り教室
次に、参加者は釣り糸同士や糸とおもりを組み合わせた道具「仕掛け」作りに挑戦しました。今回教わったのは、仕掛け作りの基本である「釣り糸の結び方」です。
参加者の机には、必要な道具と代表的な4種類の結び方の手順が書かれた紙が配られ、釣りサポートスタッフとつるのさんが各机を回って丁寧にアドバイス。親子で力を合わせて結んだり、釣りに詳しい保護者さんが自ら子どもに教えたりと、微笑ましい光景があちこちで見られました。
輿水副大臣も皆さんの机を回って声をかけ、仕掛け作り教室を楽しんでいました。皆さんにとって、交流の機会となると同時に、今後の釣りに役立つ貴重な経験となったようでした。
復興視察ツアーで
福島の「今」を知る
釣りの仕掛け作り教室の後、参加者は2台のバスに分乗して復興視察ツアーへ。東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた沿岸部を巡り、各バスに同乗した相馬市観光協会の語り部さんから、当時の被害状況や今日までの復興の歩みを聞かせてもらいました。
語り部の遠藤美貴子さんは、津波直後の光景を見たとき「もう相馬はダメかもしれない」と思ったそう。しかしそれから14年が経った今、沿岸部には伝承鎮魂記念館や市民市場、公園、水産資源研究所などが整備され、漁協施設や海水浴場も再興を遂げていました。
参加者は語り部の話に耳を傾けながら、車窓から各所をじっと見つめていました。震災前から残っている建造物、製氷倉庫の前では、「あの上のダクトの高さまで津波が来たんですよ」と聞いて驚きの声を上げる子どももいました。
津波の怖さや避難の大切さ、そして復興へと歩む福島の「今」を目の当たりにした参加者たち。さまざまな体験を通じて福島の海産物の魅力と海の豊かさ、復興の今を感じていただいたイベントは、大盛況のうちに幕を閉じました。
つるのさんは閉会後に「皆さんと一緒にすばらしい体験ができた」と振り返り、「僕の大好きな福島を、心の底から復興したと言えるまでずっと応援していきたい。多くの人に家族で来て釣りや食事を楽しんでもらえたら」と語りました。
また、輿水副大臣は「参加者の皆さんが親子でさまざまなことを学び、楽しむ姿に接して、あらためてこのイベントの意義を感じた」と回想。そして「皆さんがこれからも何度も福島を訪れてくださるよう、福島の復興をしっかり後押しできるよう、今後も力を尽くしていきます」と力を込めました。
実施概要
- 開催名称
- 親子ヒラメ釣り大会in浜通り
- 運営
- 読売エージェンシー、つり人社
- 開催日時
- 2025年9月21日(日)
第一部:つるの剛士さんと学ぶ、魚釣り&常磐ものクイズ大会・表彰式
第二部:ヒラメのさばき方解説・釣りの仕掛け作り教室・復興視察ツアー - 開催場所
- 相馬市・新地発電所 わくわくランド
震災学習・復興視察ツアー
視察箇所・ルート
- ツアー内容
- 各地を車窓から見学。相馬市観光協会の語り部さんがバスに同乗し、解説を行う。
(約20〜30分間) - 視察箇所・ルート
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わくわくランド発→(1)伝承鎮魂祈念館→(2)海水浴場・監視塔→(3)浜の駅松川浦→(4)相馬双葉漁業協同組合→(5)製氷倉庫→(6)尾浜子ども公園→(7)水産資源研究所→わくわくランド着
(1)伝承鎮魂祈念館
(2)海水浴場・監視塔
(3)浜の駅松川浦
(4)相馬双葉漁業協同組合
(5)製氷倉庫
(6)尾浜子ども公園
(7)水産資源研究所




































