常磐ものってなに?

「常磐もの」は福島県の沿岸「常磐沖」で水揚げされる魚介類のこと。常磐沖は黒潮と親潮がぶつかる「潮目の海」なので、豊かな漁場になり、一年を通して美味しい魚が水揚げされます。春はチダイ、夏はカツオやイセエビ、秋はサンマ、冬はヒラメやアンコウなど、四季折々にさまざまな魚が楽しめます。

常磐ものが美味しい秘密

常磐ものが美味しい理由は「潮目の海」と呼ばれる自然環境にあります。冷たい親潮と暖かい黒潮が交わる常磐沖は、栄養豊富なプランクトンが集まる漁場。このプランクトンを食べて育つため、プロも認める質の良い魚になるのです。
また、美味しさを保つためには鮮度管理が欠かせません。そして、水揚げ後には放射性物質検査を行い、安全性を確認したうえで出荷されます。最新設備や関係者の努力によって、魚の鮮度と安全が保たれ、食卓に届けられます。

冷たい親潮と暖かい黒潮が交わる常磐沖のイメージ図

安心してお届けするために

「常磐もの」の水産物は、厳格なモニタリング検査体制で、安全性を確認してから食卓へお届けしています。

出典: 水産庁「安心して魚を食べ続けるために知ってほしい放射性物質検査の話」(令和6年3月発行)

常磐ものを代表する魚介類

が旬の魚

チダイ

水揚げ時期通年

マダイとよく似ていますが、鰓ぶたの後縁が血が滲んでいるように赤く見えることが名前の由来です。おすすめの食べ方は、刺身、塩焼き、煮付けです。

ヒトエグサ

水揚げ時期12月~5月

地元ではアオノリと称されます。松川浦に設置された海苔棚で養殖されており、冬から春にかけては松川浦に鮮やかな緑色の海苔の絨毯が広がる光景を見ることができます。

が旬の魚

カツオ

水揚げ時期5月~10月

5月になると福島県でも水揚げが始まり、浜は活気づきます。 夏季に水揚げの最盛期を迎えます。

イセエビ

水揚げ時期7~11月

身の部分は刺身で、頭の部分は味噌汁にして余すところなく味わえます。 二つ割りにしてマヨネーズ焼きでも美味しいです。

ニベ

水揚げ時期通年

シログチに似ており、関東では「イシモチ」、関西では「グチ」と呼ばれ混同されがちですが、側線から背びれにかけて斜めに走る褐色の模様が特徴です。

アサリ

水揚げ時期4月〜8月

福島県のアサリの盛漁期は7月~。 酒蒸し、アサリご飯、アサリのバター焼きなどの調理法でお召し上がりください。

ウニ

水揚げ時期5月〜9月

福島県では、5月から9月までが漁期で、夏に盛期を迎えます。 ホッキガイの殻にウニをのせ、蒸し焼きにした「貝焼き」がいわき市の特産品となっています

ホッキガイ

水揚げ時期1月、6月~12月

正式名称ウバガイ、俗称ホッキガイ。福島県では6月から翌年1月までが漁期で、夏に美味。震災前の生産量は全国でもトップクラス。

マアナゴ

水揚げ時期通年

ウナギに似た細長い体形をしており、腹ビレが無く、背ビレと臀(しり)ビレ、尾ビレが繋がっています。体色は背~側面は茶褐色、腹側は白いです。ウナギに似ていますが、下顎よりも上顎が突き出ていることや、体側の側線に沿って白点が並び、その側線上方にも薄く小さな白点が並んでいることで判別できます。

が旬の魚

サンマ

水揚げ時期9月~12月

道東沖で育った秋刀魚は夏から南下を始め、10月〜12月に福島県沖にやってきます。 秋を代表する魚で、塩焼き、刺身などでお召し上がりください。

シラス

水揚げ時期8~11月

カタクチイワシを主とするイワシ類の仔魚です。あたたかいご飯にのせた釜揚げ丼や、かき揚げがおすすめです。勿体ないと感じるかもしれませんが、できる限り多めにしらすを入れることが美味しく料理する秘訣です。

カナガシラ

水揚げ時期通年

成魚の全長は30cmほどで、鼻先が前方に尖っており、小さなとげが左右に生えています。胴体はザラザラした細かい鱗に覆われており、背面が赤褐色、腹面は白色をしています。おすすめの食べ方は、煮つけ、味噌煮、フライなどです。

が旬の魚

ヒラメ

水揚げ時期1月〜12月

福島県で取り組まれている「資源管理型漁業」「つくり育てる漁業」の代表選手。 漁業者自らが稚魚の放流を行ったり、全長30㎝未満の漁獲禁止などに取り組んでいます。 秋から冬にかけて「寒びらめ」として美味。

メヒカリ

水揚げ時期1月~6月、9月~12月

深海性で目が大きく、眼球が青く光って見えるため、俗称としてメヒカリと呼ばれています。 見た目は地味な魚ですが、昧は最高。刺身、唐揚げ、天ぷら、素焼き等いずれも美味しくいただけます。

カレイ

水揚げ時期1月〜6月、9月〜12月

マガレイ、イシガレイなど約15種類のカレイが獲れます。 12~1月には、子持ちのナメタガレイやマコガレイが珍重されます。

ヤリイカ

水揚げ時期10~4月

槍のように長い胴体が特徴のイカです。雄の方が大きくなります。秋から初冬に獲れる小型のものは身が柔らかく、特に天ぷらがお薦めです。また、春にとれる子持ちのヤリイカは卵を付けたまま煮付けにするのがお薦めです。

アンコウ

水揚げ時期1月~6月、9月~12月

冬の旬の味覚として、珍重されています。 福島県の生産量は全国有数です。 アンコウ鍋、ともあえ、唐揚げで体も温まります。

ホウボウ

水揚げ時期通年

全長は40cmまで達し、背面は赤褐色と赤のまだら模様、腹面は白色をしています。体表はなめらかで、翼のようなコバルトグリーンの大きな胸鰭を持っています。獲物を探すときは、胸鰭の付根にある指のように変化した器官で海底を歩くように移動します。

トラフグ

水揚げ時期9月~1月

全長70cm、重さ11kg前後まで成長する大型のフグで、胸鰭近くに大きな斑紋があるのが特徴です。

出典: ふくしま常磐ものNAVI