Hand in Handreport.86

風評の払拭にむけて実際に現地に訪れて見たこと聞いたことを、分かりやすく伝えるレポートです。

インタビュー2024.12.27

逸品「赤のスパークリング」完成! 南相馬・小高を、賑わい生むワインの里に

赤のスパークリングワインを手にする三本松貴志さんと諸橋沙夏さんのツーショット写真

福島県南相馬市小高区で酪農家を営んでいた三本松貴志さん(51歳)。2011年1月に父親から牧場を引き継いだものの、わずか2か月後に東日本大震災が発生し、酪農を諦めざるを得ない状況に追い込まれました。しかし、避難生活中に家族で出かけた旅先での光景が、彼の人生を大きく動かしました。

「ワインで有名な山形県高畠町に家族で行ったとき、立ち寄った店がワインを買い求めるお客さんたちでとても賑わっていたんです」

震災からの復興を目指す南相馬市小高区にも、そうした光景を実現したいと決意した三本松さんは、牧場があった場所にぶどう畑を作り、ワイン造りに挑戦しました。様々な困難を乗り越え、2020年に初めての収穫を迎え、そして今年、世界的にも珍しい「赤のスパークリングワイン」を販売しました。

一体どんな味わいなのでしょうか?女性アイドルグループ「=LOVE(イコールラブ)」のメンバーで、福島県いわき市出身の諸橋沙夏さんがリポートします。

取材の様子は動画でも公開中!

世界的にも珍しい「赤のスパークリングワイン」

南相馬市小高区にある「コヤギファーム」を訪れた諸橋さん。三本松貴志さんに、酪農家からワイン農家へと転身したきっかけを伺った後、「ぜひ私の造ったワインを味見してください」と声を掛けられました。

諸橋さんの前にズラリと並べられたワインボトル。2023年に収穫したぶどうで造った4種類のワインです。三本松さんは迷彩柄が好きだそうで、ボトルのラベルには迷彩柄が描かれ、銘柄は「カムフラージュ」と名付けられています。その中から1本を手に取った三本松さん。それが、世界的にも珍しい「赤のスパークリングワイン」でした。

コヤギファームで造られた赤スパークリングワインの写真
コヤギファームの「赤スパークリングワイン」(右端)

「赤のスパークリングワインって珍しいですよね!」と、飲む前からテンション高めの諸橋さん。スパークリングワインといえば、透き通ったイエローを思い浮かべますが、ボトルから注がれたワインは、美しいルビー色に輝いていました。早速、香りを確かめてから口に含むと…。

「これはぐびぐび飲んでしまいそう!炭酸が効いてさっぱりした爽快感がある中に、赤ワインの深い味わいが感じられます。今まで飲んだワインの中で一番すっきりしています」

この赤のスパークリングワインは、酸味が特徴のブラッククイーンという品種と、甘い香りが特徴のマスカット・ベーリーAをブレンドして作られました。通常の赤ワインのアルコール度数は12~16%ほどですが、このワインは9%程度と控えめで、渋みを抑えて飲みやすく仕上げられています。三本松さんは、「クセがないので、魚とも肉とも相性が良いです。食事をしながら楽しめますよ」と、自信たっぷりに語ってくれました。

ちなみに、お勧めのペアリングは、同じ南相馬市にある漬物店「香の蔵」の『クリームチーズのみそ漬』。震災後に誕生したこの商品は、福島を代表する人気商品です。

赤スパークリングワインを片手に諸橋さんがポーズをとっている写真

ワインの産地へ「100年続くワイナリー建設」

ぶどう栽培を始めた当初、南相馬市小高区はまだ原発事故の被災地として見られていました。しかし、三本松さんは最近、その印象が徐々に薄れつつあると感じています。「コヤギファーム」のワインはインターネットで購入可能で、全国から注文が入るようになりました。そして、三本松さんは故郷が「被災地」のイメージから脱却するため、新たな挑戦を始めています。

「このコヤギファームを観光農園にしたいと思っています。ワインだけでなくブルーベリーの栽培も始めましたし、ニホンミツバチの巣箱を設置したので、いずれはハチミツも採取したいですね。妻がシフォンケーキ作りを得意としているので、飲食店もやってみたいです。小高区には飲食店が少ないので、そうした新しい楽しみを提供して、多くの人に南相馬市を訪れてほしいと思います。ただ、まずはワイン造りをしっかりと行うことが最優先です」

未来への思いを語る三本松さん

震災と原発事故で諦めざるを得なかった酪農から、ワイン造りに転向した三本松さん。牧場があった場所だけでなく、南相馬市小高区の耕作放棄地や遊休農地にぶどう畑を広げ、震災前には見られなかった風景を作り上げています。「観光農園など夢も広がっていますが、どのような故郷にしていきたいですか?」と諸橋さんが尋ねると、三本松さんは未来への思いを語りました。

「何もない状態から始まったワイン造りですが、少しずつ形になっています。これから栽培面積をさらに広げ、私がいなくなっても100年後もワインが親しまれる地域になってほしいです」

南相馬市は、神事と祭りが一体となった「相馬野馬追」が開催される場所として知られています。震災後の混乱期でさえ開催され続けてきたこの祭りは、1000年以上の歴史を持ちます。「相馬野馬追」にも最初の一歩があったように、何事も小さな一歩から始まります。

「小さくても良いので醸造所をここに建てて、正真正銘の南相馬市小高区産ワインを販売したいです。いまはまだ原発事故のイメージが残っていますが、この土地の良さをもっと知ってもらえるようにしていきたいですね」

ワイン造りを始めて5年、大柄ながら人懐っこい笑顔を見せてくれた三本松さん。その“小さな第一歩”には、「カムフラージュ」された大きな夢が秘められていました。

「すっきりのみやすいコヤギのワイン」と書かれたホワイトボードを掲げる女性アイドルグループ「=LOVE」のメンバー諸橋沙夏さんの写真

PRESENT

2024年12月27日(金)放送分のプレゼントは、今回取材をさせていただいた「コヤギファーム カムフラージュ 赤スパークリングワイン」です。3名様にプレゼントいたします。
ブドウ農園のある「小屋木」の地名を冠したワイナリー、「コヤギファーム」で丹精込めて造られたワインです。赤スパークリングではあるものの、アルコール度数9%と低めでさっぱりとした飲みやすい口当たりが特長。福島県産のお肉やお魚のお供としてペアリングも楽しんでみては。

このページの中で、リポーターの諸橋沙夏さんが取材の感想として書いた言葉が応募キーワードです。ページをお読みいただき、番組ホームページのメールフォームからご応募ください。

本商品は、TOKYO FMで放送中の「Hand in Hand」内で応募プレゼントとして紹介されているものです。
本サイトからの応募はできませんので、希望される方はこちらよりご応募ください。
なお、応募締切は2025年1月3日(金)となります。

【動画はこちら】イコラブ諸橋沙夏さんが南相馬と飯館村で新たな特産品をリポート!

ラジオ放送情報

「Hand in Hand」は、平日朝6時から生放送でお届けするラジオ番組「ONE MORNING」内で毎週金曜の朝8時11分に放送。TOKYO FM/JFN36局ネットにてお聴きいただけます。番組を聴き逃した方は、ラジオ番組を無料で聴くことができるアプリ「radiko」のタイムフリーでお楽しみください。
※タイムフリーは、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことのできる機能です。

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