2026年7月、東北で初めてナショナルサイクルルートに指定された「ふくしま浜通りサイクルルート」。ルートの南側・いわき市四倉にあるレンタサイクル店「颯サイクル」の木村匡志さんは、自転車を通じて交流人口を増やし、福島の観光振興を後押しすることを目指して、浜通りのサイクリングの魅力を発信しています。
福島県いわき市出身で、アイドルグループ「=LOVE(イコールラブ)」のメンバーとして活動する諸橋沙夏さんが地元いわき市を訪れ、木村さんにお話を伺いました。
念願のナショナルサイクルルート指定!ふくしま浜通りサイクルルート
ふくしま浜通りサイクルルート(愛称:浜サイ)は、福島県の新地町からいわき市まで、太平洋沿岸を南北につなぐ約180キロ。浜通りならではの自転車旅の魅力が詰まっていて、太平洋を望む海岸線、緑豊かな里山、温泉、グルメ、地域文化のほか、ルート周辺には震災・原子力災害伝承施設などもあって、震災のことを知り、復興への歩みを感じられるルートです。今回、お話を伺った木村さんは、日本サイクリングガイド協会認定のプロガイドでもあります。
- 諸橋
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それでは木村さん、よろしくお願いします。今年7月に、浜サイは、「世界に自慢できるサイクリングコース」として国から指定されたとお聞きました。東北初のナショナルサイクルルート!すごいですね!
- 木村
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そうです(笑)。自分たちも大好きなふくしま浜通りサイクルルートなので、こうやって国に認めてもらって、世界に発信してもらえるっていうことは、すごく嬉しいことだと思っています。
- 諸橋
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決まった瞬間、どう思われましたか?
- 木村
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すごいぞわっとしました(笑)。指定されない可能性もあるんじゃないかと聞かされていたので、決まった時は鳥肌が立ちました。でも嬉しかったです!
- 諸橋
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ルートにあるショップを営む一人として、ナショナルサイクルルートへの指定は待望だったり、念願だったりっていう思いはありましたか?
- 木村
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ここ数年その動きがあって、協議会にも出席させてもらったりして、自分たちも協力させてもらってはいたので、「やっと選ばれた!」っていう風に思いましたね。
- 諸橋
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念願が叶ったんですね。これまで木村さんたちも指定に向けた取り組みをされていたとのことですが…。
- 木村
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そうですね。県外の方に対してモニターツアーとか色々なことをやらせてもらいつつ、協力させていただいていました。
- 諸橋
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指定されたことによる変化などはありましたか?
- 木村
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海外の方たちがレンタサイクルの予約を入れてくれるっていう…。
- 諸橋
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えぇ!大きな変化ですよね!?
- 木村
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本当にびっくりしています。こんなに早々に効果が出てくると思わなくて…。
- 諸橋
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ちなみに、私もいわきに週末帰れた時は、父と2人でサイクリングします!私はママチャリなんですけど(笑)
- 木村
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いやいや、ママチャリで全然大丈夫ですよ!
- 諸橋
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父が本当に自転車が大好きで、今年の父の日に、「自転車をプレゼントする」っていう約束をまだ果たせていなくて…。何かいいものが欲しそうだなぁという感じがあって、ちょっとドキドキしています。
- 木村
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いいものですね。大変だと思いますけど(笑)。
海に、山に、街!個性に富んだ浜通りライド
- 諸橋
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浜サイは、具体的にどんなところを走るルートなんですか?
- 木村
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いわき市区間は、東日本大震災で被災したエリアの防潮堤が整備され、その上がサイクリングロードになっているので、きれいな海と砂浜を見下ろしながら自転車で走ることができます。
- 諸橋
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いわきっぽいですね!
- 木村
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そうなんです!いわきはそんなルートですけれど、北側の相双地区には福島第一原子力発電所があって、そういったところを巡る「ホープツーリズム」。(震災から)15年が経ちましたけれど、復興の様子を見ながらサイクリングを楽しむというか、感じてもらいながら、というエリアです。
- 諸橋
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その先となると…。
- 木村
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相馬エリアですね。松川浦は、両方海に挟まれた5キロもある道を走ることができてすごくいいです。あのエリアには、相馬野馬追っていう文化もあって、たまに馬が散歩しているのに遭遇したりします。私も一回ありましたね。
- 諸橋
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馬と遭遇ですか?それはちょっと面白いですね。
- 木村
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地元の人に聞いたら、「いや、普通だよ」みたいな(笑)。
- 諸橋
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たしかに相馬ならではの光景ですね!
- 木村
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いろいろと幅広い楽しみ方ができるルートかなと思います。
- 諸橋
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地域ごとに個性がすごく出ますね!
- 木村
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本当にそう感じますね。
- 諸橋
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浜サイルート上にある颯サイクルさんですが、こちらではどんな自転車が借りられるんですか?今、お店の中にもたくさんありますけど。
- 木村
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このクロスバイクとか乗りやすいスポーツ自転車、ロードバイク、あとはe-bike(イーバイク)と言って、電動アシスト付きの自転車、お子さま用のペダルが付いているものから、付いていないもの(キックバイク)まであります。

- 諸橋
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実際に浜サイを経験した方から、いろんな声があると思いますけれども。
- 木村
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うちのレンタサイクルですけど、県外や一部海外からもお客さんが来てくれるんですね。それこそ全国で走っているようなサイクリストの方とかも、浜サイの一部を走ってみて、「こんなエリアは他にはないよね!」って言ってくれるんです。自分たちは普通に走っているんで、そこまで感じていなかったんです。
- 諸橋
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地元の人にとっては当たり前にあった景色ですよね。
- 木村
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そうそう!でも、「本当にいい場所なんだな」っていうのは、お客さんの声を聞いて再確認しているみたいな感じですね。
- 諸橋
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浜サイを楽しんで、サイクリングでヘトヘトになった後に食べるお魚―常磐ものとかって木村さんも食べられますか?
- 木村
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私のおじいちゃんが漁師で(笑)。なんなら、店を開ける前に一緒に漁に行って、ヒラメだったりとか常磐ものを獲る側だったりします。
- 諸橋
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えーっ!常磐もののヒラメ、美味しいですよね~!サイクリングを楽しんだ後に、美味しい常磐ものを食べられるという。
- 木村
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アンコウだったり、季節に応じていろんな種類のお魚がいるんで。小名浜の方に行って「道の駅いわき・ら・ら・ミュウ」さんで魚を買って帰るとか、「いわき新舞子ハイツ」っていう自転車にも優しいお宿では、常磐ものをたくさん使った料理を出してくれます。お刺身も美味しかったですよ!
- 諸橋
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自転車もグルメもどちらも楽しめるということで、素敵なところですね!
- 木村
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すごいいいところですよ(笑)!
木村店長おすすめの浜サイルート!
- 諸橋
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今日、本当は自転車に乗れる予定だったんですよね…。
- 木村
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そうですね、海を見ながら…。
- 諸橋
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それが結構な土砂降りで…。私も自転車が大好きなので、今日すごく楽しみにしていたので残念なんですけども。浜サイを利用される方の人気ルートや楽しみ方、木村さんがおすすめするルートはありますか?
- 木村
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そうですね、やっぱりこの四倉から南の小名浜方面ですね。諸橋さんも走られたことあるようですね?
- 諸橋
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はい、私はいつも小名浜方面にサイクリングしに行きます!
- 木村
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防潮堤の上を走って、小さい港がたくさんあるエリアを走ってもらうのが、やっぱり自分たちのおすすめかなと思いますね。サイクリストの方たちは、「風」を読んで走ったりするんです。ゴールを追い風で走って来れるようにルートを考えたりするので、ちょっと街中とか山の方を走って、帰りは追い風。その逆回りだったりっていう風にしています。
- 諸橋
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それは凄い!これからの季節、どんな楽しみ方がありますか?
- 木村
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この浜サイエリア、全体的にそうなんですけれど、海と山が近いんです。なので、海沿いを走って、紅葉も見てっていう風に両方組み合わせられるのが魅力で、いいなと自分的には感じています。
自転車に興味ゼロだった人が無限に走れる人へ———
- 諸橋
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木村さんは、訪れるサイクリストからなんて呼ばれているんですか?
- 木村
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「キムテン」って呼ばれています(笑)。
- 諸橋
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キムテン!木村さんで店長さんだから。ちょっとびっくりしたのが、もともとは自転車に全然興味がなかった?!
- 木村
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そうなんですよ、全く興味がなかったんです。
- 諸橋
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何がきっかけで、お好きになられたんですか?
- 木村
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この「颯サイクル」は、隣にある「株式会社颯建」っていう電気工事会社が運営していて、数年前にこの場所に引っ越してきたんです。当時会長だったうちの兄が、ここのロケーションを見て、「誰か、ここで面白いことをやりたくない?」って言って。その時、たまたま車に自転車を積んできて、ここから自転車で出発していく人がいたんですね。それで、「じゃあ、レンタサイクルをやろう!」って。ただそれだけのシンプルな発想でレンタサイクルをやるってなって。でも自分たち、誰も自転車知らないじゃないですか。どうするの?みたいな感じで(笑)。そのタイミングまでロードバイクとか、こういうスポーツ自転車は全く知らなかったんですよ。
- 諸橋
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そうなんですね!
- 木村
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そこで「店長をやってくれ」って言われたので、まずは自転車の楽しみ方を自分で見つけて。お子さまの自転車も貸し出すので、安全に走れるルートをたくさん見つけて知っておこうと思って、毎日ぐるぐるぐるぐる走っていたら、なんか楽しくなっちゃって。今ではもう、無限に走れる人になっちゃいました(笑)
- 諸橋
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そんなひょんなことから、いいですね!素敵なお店も、いいですね!!
- 木村
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いやぁ、本当に良かったです。
- 諸橋
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ナショナルサイクルルートに指定されて、今、周囲ではどんなことが起きていますか?
- 木村
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指定される前から、こうやって自分たちが「自転車をやたらと楽しんでるぞ!」っていうのを知ってくれた近くのお店屋さんたちが「サイクリストを受け入れるために何をしたらいい?」っていう風に言ってくれたり。全く知らなかったお店屋さんとも本当に仲良くなって、そのお店屋さんの人が自転車に乗るようになったりしてますね。
- 諸橋
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えっ、そうなんですね!
- 木村
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そうそう、いっぱいなんか起こりすぎていて(笑)。
- 諸橋
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とてもいいですね!地域の人たちの協力や、そこから生まれたイベントや企画、今後の展開などありますか?
- 木村
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今も自分たち独自のツアーをどんどんやってるんですけど、今後はそういうツアーを地元の旅館さんと連携して、もっともっと海外の人なども呼びながらやれたらいいなと思っているところです。
- 諸橋
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いろんな方がこの場所で交わるといいですね!最後に、木村さんはこの浜サイを起点に、どんな場所になっていってほしいと望んでいますか?
- 木村
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まずは、地元のお店や、普段の散歩でルートを使っている地域の人たちが、ここを自慢できるような、福島に来たら「何がある?」って聞かれた時に、「浜サイっていうサイクリングロードがあるんだよ」っていう風に言ってもらえるような、そんな地域になれたらいいなと思っています。
颯サイクル
https://www.hayate-cycle.com/
東北初のナショナルサイクルルート指定・ふくしま浜通りサイクルルート
https://hamadori-cycle.jp/
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