今回お話を伺ったのは、福島県いわき市出身で、女優、ファッションモデルほか、幅広いフィールドで活躍する武田玲奈(たけだれな)さん。福島県いわき市の観光や食の魅力を発信する「いわきツーリズム推進特命部長」を務めるなど、地元いわきの魅力を発信しています。
震災当時、武田さんは13歳。海から約10キロ離れたいわき市の自宅で東日本大震災を経験しました。武田さんが感じた恐怖、不安について語ってくださいました。
武田玲奈さんが振り返る2011年3月11日———
2011年3月11日は、私が中学2年生だったと思うんですけれど、上級生の卒業式で学校が早く終わったので、家に帰ってきて、母と2人で家にいました。私はその頃ギターにハマっていて、自分の部屋でギターの練習をしていました。
その時、聞いたことのない着信音(警報音)が鳴って、「なんだろう?」と思っていたら、「避難してください」みたいなメッセージが流れてきたので、一旦机の下に隠れました。すごく揺れて、いろんなものを押さえながら…。自分の部屋の鏡とかテレビとかを押さえて揺れが収まるのを待ちました。怖かったけど、母もいて1人じゃなかったので、母がいてくれて良かったなと思いました。
父は仕事だったので、その後すぐに、どうにかして連絡を取って、無事だということが分かりました。父がその日に帰ってこられたかどうかはちょっと思い出せないんですけれど、その日か、次の日には帰ってきていたはずです。電気、ガスや水道などライフラインが止まってしまっていたので、テレビもすぐには見られなかったと思います。少し経ってから、「こんなことになってるんだ…」と知った感じでした。
何が起きているのか分からないまま避難———
海沿いにいとこが住んでいたので、「大丈夫かな?」と心配になりましたが、連絡が取れて無事だと分かって安心しました。津波のこともそこまで詳しく知らなかったし、私の住んでいる地域は山沿いだったので、現実味がなく、ずっと実感が湧きませんでした。でも、地元ではあるので、昔から通って慣れ親しんだ海がすごいことになっているのをテレビで見て、自然の恐ろしさを感じました。
震災後、しばらく家にいたのですが、ライフラインが全部止まってしまっていたので、水を汲みに行ったりしていました。そんな中で原発事故の話が出てきて、両親が「避難した方がいいんじゃないか?」と言い出して、車で埼玉のおばあちゃんの家に家族みんなで移動しました。私はよく分からないまま移動した感じです。原発という存在も、私にとってはそこまで身近なものでもなかったので…。
福島から埼玉のおばあちゃんの家に避難して、そのまま春休みに入ったので、1ヶ月ぐらいは埼玉にいたと思います。テレビは見ないようにしていたのかもしれません。両親がテレビを見て泣いているのを見ていたので、私はテレビを見ないようにしていたと思います。気持ちを動かされたくないというか、避けていたんだと思います。
避難して一番心配だったのは、猫を家に置いてきたことでした。地元に親族が残っていたので、たまに家に来てもらって猫のお世話をしてくれていたんですけど…。残してきた猫がとても心配でした。
- 武田玲奈さん|俳優、ファッションモデル
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福島県いわき市出身。
2013年にモデルオーディションでグランプリを獲得し、雑誌『Popteen』のレギュラーモデルとして芸能活動を開始、2015年には映画で俳優デビュー。その後、数々のドラマや映画だけでなく、モデルやCM出演など、多方面で活躍中。いわき市の旅行の魅力を発信するアンバサダー「いわきツーリズム推進特命課長」や農産物をPRする「いわきのめぐみ伝え隊!隊長」などに就任するなど、地元いわき市や福島県の魅力発信に努めている。
PRESENT
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