岩手・宮城・福島の産業復興事例集30 2021-2022 第二章、始動~ニッポンの次世代モデルを目指す
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宮城県石巻市年に向けて1,000人増、100億円の新産業次世代経営者の育成連携して新たな取り組みにチャレンジ(左)フィッシャーマン・サンドイッチの「銀鮭の王様『銀王』香草グリルサンド」 (右)ふぃっしゃーまん亭の「気仙沼 昭福丸 本マグロ二色丼」地球温暖化や水産資源問題、CO2削減などの問題解決の一助になるべく、フィッシャーマン電力を立ち上げ、水産業の未来に貢献する。若手の水産事業経営者を対象とした次世代経営者育成の「水産イノベーションキャンプ」で地域の活性化を図る。2024年までにフィッシャーマンを1,000人増やし、100億円の新産業を創造する。三陸沿岸を水産業のイノベーションのモデルにする。アパレル企業、航空会社、漁師とシェフなど、さまざまなパートナーとの連携により、新たな取り組みにチャレンジする意識が醸成されている。◆未来のフィッシャーマンを育てる求人サイト「TRITON JOB」や生活キャリアサポート、複数の浜でのシェアハウス運営を行い、これまで40人以上が漁業に就業した。◆水産業の仕組みを変える2016年3月に株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティングを設立し、流通部門を強化。海外輸出にも取り組む。◆魚と漁業の魅力を伝える仙台空港にカキと海鮮丼の「ふぃっしゃーまん亭」、JR東京駅構内にフィッシュサンド専門店の「フィッシャーマン・サンドイッチ」をオープン。魚食の普及に取り組む。アパレルメーカーとコラボしたウエアを作り、漁師のイメージを「カッコいい」に変えようとしている。2016年3月には株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティングを設立し、流通部門を強化。これにより、水産物を「取る」「育てる」ことから、最終消費者へ「届ける」「提供する」までの6次産業化も実践している。水産業の仕組みを変えるための動きとして2021年4月、仙台空港に三陸のカキと海鮮丼が楽しめる飲食店「ふぃっしゃーまん亭」をオープン。加工・流通過程の管理認証、CoC認証を取得した水産加工会社とOEM契約を結び、全国各地のサステナブルシーフードを扱うことが可能で、水産業の「生産」「消費」「ビジネス」を変えていく可能性を秘めている。5月にはJR東京駅構内にフィッシュサンド専門店の「フィッシャーマン・サンドイッチ」をオープン。魚のもっと手軽で楽しい食べ方を提案し、魚食普及に努める。オンラインショップでは海の幸はもちろん、オリジナルのシャツやサンダル、キャップなどアパレル商品を取りそろえているのも特徴。2021年には「フィッシャーマン電力」のブランド名で電力販売事業にも参入し、CO2フリーやコストカットによりサステナブルなエネルギーによる収益化を目指している。水産加工業界は大量に電力を消費しており、その料金を地域に還元することで、持続可能な社会の実現にもつながると考えている。ほかにも、養殖場や漁業を対象とした世界的な認証制度であるASC/MSC認証取得サポート、若手の水産事業経営者を対象とした次世代経営者育成の「水産イノベーションキャンプ」を展開。水産業に特化した実践型インターンシッププログラム「FISHERMAN COLLEGE for YOUTH」では、水産業になじみの無い学生に就業のきっかけとなる機会を提供している。多種多様な事業を展開しているが、その根底にあるのは「日本全体の水産業界が変わるきっかけにしたい」(松本裕也事務局次長)という変わらない思いだ。639成果とポイント新商品の開発流通や消費までを領域に魚食普及へ飲食店も展開新規事業の開始新規のブランド立ち上げ人材育成2030電力事業に参入

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