岩手・宮城・福島の産業復興事例集30 2021-2022 第二章、始動~ニッポンの次世代モデルを目指す
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「もったいない!」の視点が生んだ、フードロス削減と特産品PRの相乗効果人気商品の  開発秘話規格外で出荷できない完熟桃を、瞬間冷凍した新感覚スイーツ。桃本来のみずみずしさや甘みを生かした加工を行っており、食品添加物は不使用。世代を問わず安心して食べることができる。さまざまにアレンジしても楽しく、半解凍でそのまま味わっても美味。東日本大震災から10年。その間、福島・宮城・岩手の被災地の企業は、復興に向けて地道な活動に取り組んできた。地元の特産品を使った新しい商品の開発やブランド化、海外を視野に入れた取り組みなどにより、いくつものヒット商品を生み出している。人気商品7品の開発秘話を紹介する。福島県福島市人気の理由ももがあるももふる 福島県福島市田沢字木曽内前6-8 024-547-3888 https://momogaaru.co.jp/株式会社ももがある※断りがある場合を除き、商品の値段はすべて税込(10%)です。最新の情報は各企業にご確認ください。冷凍で長期保存可能。旬が短い桃のさまざまな品種の香りや食感を、年間通して楽しめる。5品種セット2,150円 東日本大震災後、出荷できず畑に積まれた完熟桃に出合った代表取締役の齋藤由芙子氏。「もったいない!」との思いから、福島の特産品である桃を無駄無く生かす方法を試行錯誤し、「ももふる」が誕生した。 デリケートな桃は出荷基準が厳しく、早摘みが必須。木になったまま完熟した桃が一番おいしいのに、規格外として畑の肥やしにせざるを得ない。その完熟桃を瞬間冷凍により、まるで生のようなおいしさで一年中いつでも楽しめる商品に仕立て上げた。フードロス削減を目指す商品コンセプトへの支持もあり、売り上げの8割を占めるヒット商品となった。材料の完熟桃は適正価格で仕入れ、農家とのつながりも広がった。 「福島の桃をPRするための商品でもあるので、行く先々で福島のことや桃をはじめとする農業について話すようになり、いつの間にか福島を代表して伝えるという役割を担う機会が増えてきているように思います」と語る。「もったいないこそ価値あるブランド」をコンセプトに、桃以外の果物を使った商品の開発にも、フードロスを無くすべく積極的に取り組んでいる。52新規のブランド立ち上げ事業内容の発信・PR復興への復興への歩みの中で歩みの中で生まれた生まれた

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