岩手・宮城・福島の産業復興事例集30 2019-2020 東日本大震災から9年~持続可能な未来のために
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4 皆さんにお願いしたいのは、ここまでの皆さんの経験を、たくさんの人に伝えていただきたいということです。機会あるたびにいろいろなお話をしていただいて、被災3県に限らず日本全体に、力を与えていってほしいと思います。皆さんがこれからも産業復興の先頭に立ち、「東日本大震災では大変辛い思いをしたけれども、あの大災害を乗り越えたことで私たちの今がある」と言えるようなストーリーを紡いでいっていただくことを、切に願っております。本日は、皆さん、本当にありがとうございました。■アイパッチを付けさせるという方法でしたね。あれは、子どもが嫌がるんですよ。それを、このオクルパッドが代替するのですか。石垣 おっしゃる通りです。オクルパッドを使ってゲームをしてもらって、片目だけに刺激を与えます。田中 素晴らしい技術、素晴らしいアイデアですね。 国ごとの罹患率に大きな差がなければ、世界中に展開できる医療機器ということになりますね。石垣 国や性別による罹患率の差はありません。現在、インドの病院と提携して、普及を図っています。また、JジャイカICAの事業に採択されまして、インドの貧困層に向けた提供にも取り組んでいます。 もう一つ、医療機器をご紹介させていただきます。これが「ポケモン・ステレオテスト」という立体視機能検査機器で、小児弱視を早期発見するためのスクリーニング検査を極めて簡単に行えます。田中 これも素晴らしい発明ですね。こうしたアイデアは、どこから生まれるのですか。石垣 業種や地域、専門分野などの枠を超えた、外部とのコラボレーションに尽きると思います。田中 それに加え、視野を広げ、世の中を知ることが大事なのではないでしょうか。今日は、本当に興味深い話をお聞かせいただき、とても勉強になりました。 * * *田中 さまざまな困難を乗り越え、花を咲かせておられる、あるいは、花が開きつつあるみなさんの状況をお聞かせいただき、本当に感銘を受け、うれしく思っているところであります。「東日本大震災を機に、ものづくりの受託生産だけではやっていけないと考え、自社開発をスタートさせました」(佐藤氏)本座談会は2020年1月9日に開催しました7

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