岩手・宮城・福島の産業復興事例集30 2019-2020 東日本大震災から9年~持続可能な未来のために
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福島業種 その他の事業サービス業代表者 加藤勝一氏[代表取締役社長]所在地 福島県福島市土湯温泉町字下ノ町17TEL. 024-594-5037FAX. 024-573-1857WEB http://www.genkiuptcy.jp株式会社元気アップつちゆエネルギーの地産地消を実現し温泉街をスマートシティーに変貌させる風光明めい媚びな温泉地として知られる土湯温泉。2010年までは年間約26万人の観光客でにぎわっていたが、東日本大震災発生後は、福島第一原子力発電所の事故に伴う風評の影響も大きく、年間約11万人にまで落ち込んだ時期もあった。歴史ある温泉街の復興のため、地元で考えられたのが、温泉という重要な資源を生かした再生可能エネルギー事業だった。温泉の熱で沸点の低い媒体を蒸発させてタービンを回すバイナリー発電と、まちを流れる東ひがし鴉からす川の砂防堰えん堤ていの高低差を利用した小水力発電を軸に、2015年から発電を開始。中でも当初、年間260万kWhの供給を想定していたバイナリー発電は、現在300万kWhの供給を実現するまでになった。事業を運営する株式会社元気アップつち発電事業が成功を収め街にも観光客が戻ってきた1Summary1温泉街復興のために尽力を続ける代表取締役社長の加藤勝一氏 2温泉バイナリー発電機3発電施設で使用した温冷水を利用したエビ養殖施設23◦年間26万人の観光客が11万人まで減少◦温泉という資源を生かした再生エネルギー事業に取り組む◦観光客は被災前まで回復今後は定住人口増を目指す128

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