岩手・宮城・福島の産業復興事例集30 2019-2020 東日本大震災から9年~持続可能な未来のために
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宮城業種 食料品製造業代表者 鈴木健一氏[代表取締役]所在地 宮城県名取市閖上3-90-1TEL. 022-393-6303FAX. 022-393-6304WEB http://suzueinatori.thebase.in株式会社鈴栄閖ゆり上あげの「北限のしらす」を製造直販漁業と加工業の連携が今後の課題東日本大震災が発生するまで、株式会社鈴栄代表取締役の鈴木健一氏は、福島県浪江町の請うけ戸ど漁港に水揚げされる鮮魚の売買に従事していた。しかし、「魚を買い付け、東京の築地や福島の市場に出荷することに追われる毎日でした」と語る忙しい日常は、東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故によって一変。鈴木氏の父が営んでいた「ちりめん加工」ともども継続が不可能になり、鈴木氏は親戚を頼って神戸に避難した。神戸での避難生活は2年に及んだが、その2年間は鈴木氏にとって非常に貴重な時間になった。「ひととき働きづめの生活から離れ、今後を考えることができました。人生をリセットできたわけです」と鈴木氏は話す。というのも、瀬戸内海地方は、古くからちりめん作りの避難生活で新たな可能生に出合った1Summary1代表取締役の鈴木健一氏 2出来たての「北限のしらす」が、手早く袋詰めされていく 3柴田町の特産品「雨乞(あまご)の柚子(ゆず)」を使った商品などを開発23◦東日本大震災の避難生活によって、人生をリセット◦水産庁の補助金を活用して、ちりめん加工・直販の会社を創業◦宮城のウメやユズを使った商品の開発や高校生とのコラボも124

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