岩手・宮城・福島の産業復興事例集30 2019-2020 東日本大震災から9年~持続可能な未来のために
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宮城業種 窯業・土石製品製造業代表者 澤村文雄氏[理事長]所在地 宮城県石巻市雄勝町上雄勝2-25TEL. 0225-57-2632WEB http://ogatsu-suzuri.jp雄お勝がつ硯すずり生産販売協同組合将来を見据えて雇用を確保し雄勝硯の伝統を守り続ける雄勝硯生産販売協同組合は1984年6月に設立され、翌85年5月に雄勝硯が通商産業大臣(現経済産業大臣)から伝統的工芸品指定を受けた。雄勝硯の特長について事務局長の千葉隆志氏は「発色が美しく、力を入れなくても墨を容易に擦れることです」と教えてくれた。伝統工芸品の指定を受けた後、着実に知名度が向上。硯以外にも、建材として使われるスレートや石皿など多くの製品をそろえ、好評を博してきた。しかし、その産地は東日本大震災により壊滅的な被害を受ける。「雄勝石工芸品の歴史は絶対に途絶えさせない」と、理事長の澤村文雄氏と千葉氏を中心に立ち上がり、延べ6,500人のボランティアの手を借りて、がれきの中から原材料や硯、工芸品をできる限り回がれきの中から原材料回収不屈の精神で立ち上がった1Summary1工房で雄勝硯を製造する職人 2作品を手にする事務局長の千葉隆志氏 3新卒採用の2人が職人を目指す23◦東日本大震災で産地消滅の危機も組合員中心に事業再開◦雄勝石工芸品の需要は高まる一方◦将来を見据え人員増強にも努める120

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