岩手・宮城・福島の産業復興事例集30 2019-2020 東日本大震災から9年~持続可能な未来のために
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岩手業種 食料品製造業代表者 森下幹生氏[代表取締役社長]所在地 岩手県大船渡市盛町字田中島27-23TEL. 0192-27-5100FAX. 0192-27-5120WEB http://morry.co.jp森下水産株式会社事業モデルの転換を成功させ、2019年の売り上げは過去最高森下水産株式会社は、東日本大震災の津波で、本社工場・第二工場・保管冷蔵庫がすべて全壊。被害は甚大だったが、代表取締役社長・森下幹生氏は10日後に事業の継続を明言し、7月には本社工場の一部で生産を再開させた。全面再開を急ぐ一方で、幹生氏は、会社の将来について金融機関、行政機関などと話し合いを重ねていった。その過程で見えてきたのは、「事業の復旧」ではなく、自社の持続可能性を高める「事業の進化」を目指すというプランだった。森下水産は2011年10月から5年間、一般社団法人中部産業連盟(愛知県名古屋市)のコンサルタントの指導を受け「カイゼン」に取り組んだ。カイゼン運動は社員に浸透し、指導終了後は社内のリーダーが先頭に立ち自律的、継続的単なる「復旧」ではなく「事業の進化」を目指したSummary◦新工場を建設し、付加価値の高い商品の生産が可能に◦原料を世界各地から調達し、売り上げの安定化を実現◦働く環境も改善され、過去最高の売り上げを達成11海外産のシシャモを使った加工製品の製造を担う、最新の第三工場 2代表取締役社長の森下幹生氏(左)と、取締役本部長の森下航生氏 3製造動作の細かいところまで「カイゼン」の工夫が生きている23116

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