岩手・宮城・福島の産業復興事例集30 2019-2020 東日本大震災から9年~持続可能な未来のために
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SDGsでもっとも大事なことはやり方を変えることで、意識を変えることSDGsの観点で、これからの企業に必要なことは何か* * *最近の世界的傾向として、ESG投資やCO₂の排出権取引、再生可能エネルギーの固定価格買取制度など、社会的課題を市場メカニズムを通じて解決していこうという大きな流れがあります。その潮流の中で、市場参加者としての企業の役割は大きくなっていると同時に、市場で企業の「社会性」もさまざまな観点から評価されるようになっていることを認識する必要があります。SDGsの取り組みは、市場における企業の評価に直結し、新たなビジネスチャンスを見出して事業を拡大できるかどうかに関わってくるでしょう。SDGsは経済性に結びつかない負担ではなく、自社の未来への投資でもあると捉えてほしいと思います。もう一つ、「金融」についても、これまでとは違う考え方を持ってほしいと思います。これはSDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」も指摘していることですが、これからは、金融を通じてパートナーシップを結ぶことが大事になってきます。単なる資金の貸し手と借り手の関係ではなく、課題意識の共有に基づくパートナーの関係を築き、課題解決に向けた仲間と手段を増やしていくべきです。その意味では、クラウドファンディングの活用はとても良いことだと思いますし、また、地域金融機関にも積極的に関与してほしいと思うのです。SDGsに取り組む中でもっとも大事なことは、「やり方を変えることで、意識も変えること」です。意識を変えることで、これからの世界の大きな変化に振り回されることなく、時代に対応する力を得られるのではないでしょうか。SDGsの実現に貢献する10事例を紹介します「6次産業化の場合、事業の初期段階の取り組みが、すでにSDGsの複数の目標に合致したものになっています。その後、6次産業化の事業が拡大、発展するに従い、新たな目標の達成にも貢献していきます。このように、17の目標は相互に関連し合っており、取り組みの意味を再認識することで、SDGsに対する理解と視野を広げていくことができます」地域の雇用確保持続可能な農業の確立新しい農業の仕組み化食糧廃棄問題への貢献新しい取り組みから得られる学び農林漁業の6次産業化に見るSDGsの循環例気候変動対策への貢献恊働と連携による6次産業化の取り組みSTARTCONTINUE行政・民間・地域の多様なパートナーシップの促進Q111

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