被災地の元気企業 40
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課題克服のポイント 今後の課題と挑戦 【名 称】 サメの街気仙沼構想推進協議会 【住 所】 宮城県気仙沼市本吉町大谷87-1 (株式会社中華高橋水産内) 【代表者】 会長 村田 進 【 連 絡 】 TEL:0226-44-3032 【 H P 】 http://www.samazing.jp/info.html 【 E-mail 】 info.samemachi@gmail.com サメに対する正しい理解を対外的に 情報発信し、サメ文化を広める 近年、環境保護団体等によるサメの保護キャンペーンが高まっているが、これは主に国外の事業者による、“フィニング”(=サメを漁獲した後、ヒレだけを切り取り魚体を海に投棄する行為)を取り上げたものである。日本でも一部でサメ保護キャンペーンが行われたが、 協議会が中心となり、日本ではヒレのみならず、魚肉は練り物、皮は革製品、骨は健康食品と、サメの全てを有効利用していることをアピールした。「日本の歴史あるサメ文化・サメの多様な活用方法を発信し、日本のサメ漁、サメ資源の利用について正しい理解をしてもらうことで、サメ文化を広めていきたい」村田氏は語る。 気仙沼のサメ関連事業の維持、発展 国や民間から多くの応援を受け、盛り上がりを見せている協議会であるが、サメ肉、皮、骨などの更なる利用拡大を図る上で、それぞれの部位にかかる商品開発は重要な課題だ。例えば、高級な練り物に利用されるサメ肉であるが、それ自体を調理し食する文化はまだ気仙沼にも十分に根付いているとはいえず、協議会では気仙沼市内をはじめとして都内のレストラン等でもサメ肉のメニュー化に力を入れている。 「サメを広く認知してもらい、ヒレ以外の部位の利用拡大を通じて、サメの魚体価格を維持する」「サメの街気仙沼をブランド化することで、地域の発展に寄与する」村田氏をはじめ協議会のメンバーの決意は固い。 「水産庁からの補助金」と「結の場」で得た ネットワークが活動を後押し 「ライバルであったサメ加工業者が協力関係となったことは奇跡的だったが、ヒト、モノ、カネが全て不足していた」村田氏は、立ち上げ当初の状況をこう語る。長年、気仙沼ではフカヒレ業者、サメ肉加工会社はそれぞれライバル関係にあり、協力することなど考えられなかったが、震災を契機として、差し迫った共通の危機・課題を解決するために、村田氏をはじめとする30代、40代の次世代の後継者が協議会を立ち上げ、協同体制が出来上がった。 しかし、現実には震災からの復旧対応で資金的な余裕がなく、そもそも何から活動すべきか もわからなかった。活動が活発化した契機は、2013年度の水産庁の「食のモデル地域育成事業」に選ばれたことである。これにより水産庁から補助金を得て、「Fish-1グランプリ」「気仙沼市産業まつり」などの対外的な活動に参加する中で、協議会メンバー間の関係も緊密になっていった。 更に追い風が吹く。復興庁の主催する地域復興マッチング事業「結の場」に参加したことで、多くの有力企業が協議会の活動を後押しすることに決まったのである。「取り組みはまだ始まったばかり、多方面からの応援を頂きながら、“気仙沼をサメの街とする”という協議会の目標に向けて頑張っていきたい」村田氏は目を輝かせて語る。 写真上:「福建チャーハン」 写真下:「サメの唐揚げ 甘酢ソースがけ」 59
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