被災地の元気企業 40
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挑戦事例 水産加工・食品製造業、気仙沼市 世界三大漁場のひとつである三陸沖が眼前に広がる国内屈指の水産都市、気仙沼。カツオ、メカジキ、サンマなどは国内有数の水揚げを誇るが、中でもサメはヨシキリザメ、モウカザメなど全国で流通するサメの約90%が水揚げされ、フカヒレ、サメ肉、骨、皮の加工などサメ関連の事業者が多数存在する。 しかし、震災以前より主力市場である中国でのいわゆる“贅沢禁止令”に端を発しフカヒレ需要が低迷、気仙沼のサメ関連事業者は苦境に陥っていた。そこに震災が起き、津波被災工場の復旧の遅れ、練製品等に用いられていたサメ肉の代替品の普及により、サメの魚価が暴落。サメ関連事業者は更なる苦境に立たされ、事業の存続すら危ぶまれる状況に追い込まれた。 「このままではサメ関連事業だけでなく、気仙l 沼全体が立ち行かなくなる」 2013年7月、サメ加工業を営む㈱ムラタの村田氏、㈱中華高橋水産の高橋氏を中心に、サメ関連事業者が集まりサメの街気仙沼構想推進協議会(以下、「協議会」)が立ち上がった。しかし協議会を立ち上げたものの、当初は資金もネットワークもなく、国や民間企業から資金面、販路をはじめ様々な協力を仰ぎながらのスタートだった。 「“気仙沼のシンボルであるサメ”を活かしてサメ関連事業者の復活だけでなく、気仙沼の復興を成し遂げたい」 サメを目当てに多くの観光客を気仙沼に呼び込み、サメを楽しんでもらうことで、サメ肉の認知、魚価の向上につなげる。その結果として関連事業者のみならず気仙沼の活性化につなげたい。協議会の挑戦が気仙沼で始まった。 「サメの街気仙沼」の認知度向上 協議会は2013年7月、①サメ肉の高付加価値化とマーケット創造の実現、②「サメの街気仙沼」としての街ブランドの確立による地域経済の発展および地域魚食文化の推進への寄与を目的として、気仙沼市のサメ関連事業者8社(㈱ムラタ、㈱中華高橋水産、高橋水産㈱、㈱石渡商店、福寿水産㈱、村芳特殊水産㈱、カネヒデ吉田商店、㈲三陸鮫類)を正会員とし、気仙沼市、漁協、商工会議所の後援も受けて設立された。 水産庁などが後援し日本の水産物 に光をあてる「Fish-1グランプリ」 協議会は、第一回の下関に続き、第 二回となる築地でのイベントに2年 連続で参加した。 新たなサメ肉需要の掘り起こし また、新たなサメ肉の需要を掘り起こすべく、仙台市の秋保温泉旅館組合とともにサメ肉を用いたメニューの開発に取り組むほか、日本中国料理協会と共にサメ肉 を使った中華料理コン クールを開催。さらに 都内の飲食店と「サメ ラーメン」を共同開発 するなどの取り組みを 積極的に進めている。 ● 近海延縄漁船の維持・発展 ● サメ関連産業の地域内集積・魚体資源の有効活用 ● サメの街ブランド化・観光資源化 食のモデル地域育成事業実施団体として活動の発表を行ったほか、ブースにてサメ肉商品の紹介、サメ皮製品等を展示し、サメの街気仙沼の認知度向上を図った。 取り組み(事業内容) サメの街気仙沼を ブランド化し 地域発展に寄与したい サメの街気仙沼構想推進協議会の挑戦 サメの街気仙沼のブランド化によるまちおこしへの挑戦 会長 村田 進 氏 サメの街気仙沼構想推進協議会 ビジョン 58
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