被災地での55の挑戦 ―企業による復興事業事例集―
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71 事例1-4 流通企業と連携したファストフィッシュ商品の製造・販売 岩手県久慈市 1.消費者と接点をもつためのサプライチェーンの川下部門の流通企業との連携 2.川下の流通企業と連携した消費者ニーズに対応した高付加価値の新商品開発の取り組み 3.三陸鉄道㈱と連携した地域ブランドを活用した商品開発・販売の取り組み 久慈市漁業協同組合 1965年設立、従業員数49人'2013年3月末現在( 事例の概要 '1(プロフィール'概要( 久慈市の久慈市漁業協同組合は、久慈市の主要産業である水産業を担う漁業協同組合として、1965年に設立され、水産物の水揚げ、販売、加工に加え、燃料販売、金融関係に携わっている。当漁協は、今次震災により大きな被害を受けた。当漁協の食品加工場は震災時の津波により建屋の1階部分が壊滅した。当漁協は、震災後に水産庁の「水産業共同利用施設復旧支援事業」により復興のための整備を実施し、水産施設、設備の再建等、復旧、復興に努めている。 '2(バックグランド'背景( 従来、地域の水産業は水産物を獲り、水揚げされた水産物を地域の魚市場で販売することが中心で、消費者と直接の接点を持たなかった。また、漁業協同組合も、水産物の加工はするものの、十分な付加価値を生み出してはいなかった。このような状況下、当漁協は、消費者と接点をもち、消費者ニーズを把握するべく、2008年頃より流通企業のイベントに参加し関係を構築し、その後、流通企業のイオンと直接取引を開始して、震災前より塩さばや〆さばなどの加工品、久慈で水揚げされるするめいかやかれい等を納めていた。また、震災後はイオンからの支援として、当漁協の被災した冷蔵庫に残された塩さば製品等の販売の実施に加え、2011年9月には、イオンと当漁協が連携して久慈港にさんま船を誘致し、久慈港で水揚げを行い、水揚げされた水産物をイオンで販売する等の取り組みが行われていた。 課題消費者との接点の尐なさ課題への対応震災後の売上減消費者ニーズ変化への対応他地域との競合水産加工品の付加価値の低さ地域ブランドのなさ品ぞろえの必要性流通企業との連携ニーズにあった新商品開発原料安定確保、商品開発力等競争力強化流通企業と連携した商品開発三陸鉄道との連携ファストフィッシュ新商品開発ファストフィッシュ新商品開発展望本格実施準備構想・計画3.11JF久慈市 加工施設

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