被災地での55の挑戦 ―企業による復興事業事例集―
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69 虫入り琥珀の写真 事例1-3 「よそ者の視点」で琥珀の魅力再発見! 岩手県久慈市 1.「よそ者の視点」での商品開発のプランニング 2.地域資源のブランディング 3.産学連携によるプロセスイノベーション 久慈琥珀株式会社 1981年設立、従業員数76人'2014年2月現在( 事例の概要 '1(プロフィール'概要( 久慈市の久慈琥珀㈱は、琥珀の採掘・加工・販売ならびに観光施設の営業を手掛けている。久慈の琥珀は宝飾品として数万年の歴史があるが、商業化はあまり進んでいないのが現状である。当社では産学連携によって琥珀の成型加工プロセスを共同研究し、宝飾品以外の商品を開発することで、新しい市場を開拓しようとしている。 '2(バックグランド'背景( 当社は、琥珀商品を北東北の観光ホテルの土産物売り場等で主に販売していた。しかし、震災によって旅館やホテルが一時休業し、観光客が激減すると、23店舗あった販売店も12店舗閉鎖し、宝飾関係の売り上げは約3分の1に減尐した。また、国内観光業が20年で20%ほど減尐したため、これまでとは違った製品開発や新市場の開拓が不可欠であった。取締役営業本部長の新田氏は土産品だけではない、ブランド価値の高い琥珀製品を開発したいとの思いを強くしていた。 2006年に久慈市が職員を岩手大学に派遣したことで、久慈市と岩手大学の交流が進むことになった。当社はレストランウェディングが可能な「ビストロくんのこ」や「久慈琥珀博物館」を経営しており、地域外からの来客は必ず訪れるために、久慈市の仲介で当社と岩手大学の研究者との交流が自然と育まれることになった。 そこで、当社は社外の「知恵」を取り入れながら、地域資源である久慈の琥珀を見直し、新しい商品開発と久慈琥珀のブランディングに乗り出した。 展望本格実施準備構想・計画宝飾品市場の縮小3.11「よそ者」の視点で地域資源を捉える震災による観光収入の激減商品開発のプランニング久慈琥珀のブランディング産学連携によるイノベーションプライシングの基準を作る琥珀原料の域内調達比率を上げるアクセサリー以外の商品比率を上げる宝飾品以外の商品開発土産品以外の商品開発粉末琥珀の成型方法の開発薬理作用の研究課題課題への対応マーケティング東北経済連合会の出口支援銀座直営店での顧客アンケート調査卸売でなく直販による製品保証工業デザイン研究琥珀との共生地域資源'琥珀(を通じた地域との共生

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