被災地での55の挑戦 ―企業による復興事業事例集―
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29 事例1-5 被災地視察の研修プログラムによる復興ツーリズム 岩手県宮古市 1.事業存続に対する危機感を社内外で共有 2.地域の自治体・観光関連事業者・住民からの信頼感と観光事業に関するノウハウ蓄積 3.社内ノウハウを活かし、社内アイデアをベースにした商品企画を行える組織体制 三陸鉄道株式会社 1981年設立、従業員数53人'2013年3月末現在( 事例の概要 '1(プロフィール'概要( 宮古市の三陸鉄道㈱は、三陸沿岸の国鉄の廃線に伴い、廃線路線の業務を引き継ぐべく、1981年に岩手県及び沿線自治体からの出資を受け設立された第3セクターの会社である。現在、主要事業の鉄道事業である南リアス線、北リアス線の運行に加え、関連事業として旅行事業(第二種)、物品販売業を手掛けている。 '2(バックグランド'背景( 当社は、震災前より地域の人口減尐による旅客減に悩まされ、行政からの財政の補填で経営を行ってきた。このままでは、企業として立ち行かなくなるという危機感が社内で共有されていた。そして、集客・交流のためのアイデアが社内から積極的に提案され始め、果敢に実行していくという文化・体制が育成されていき、地域外からの観光誘客による旅客獲得、収益確保に積極的に取り組んでいた。その取り組みの一つとして、旅行事業部門での旅行商品開発による着地型観光の取り組みを実施した。また、物品販売部門では、オンラインショップ、イベント・百貨店での販売に加え、地域全体にまたがる鉄道インフラを有し、地域の自治体・観光関連事業者・住民からの信頼感が厚いことを活かし、地域の各プレイヤーと連携した商品開発を行っていた。 人口減での旅客減課題課題への対応域外集客の必要性現地視察ニーズへの対応視察ニーズ減尐への対応事業存続の危機物品販売の取り組み修学旅行ニーズへの対応地域外からの観光誘客の取り組み地域DMOとしての着地型観光の推進地域と連携した商品開発震災学習列車の実施危機感の共有と社内提案体制整備フロントライン研修実施旅行事業部門での商品開発展望本格実施準備構想・計画3.11フロントライン研修の状況 震災学習列車の様子

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