復興の教訓・ノウハウ集

復興の教訓・ノウハウ集

災害からの復旧・復興過程で生じる課題に対し、東日本大震災における状況とこれに応じた官民の取組事例、専門的知見も踏まえた教訓・ノウハウを記載しています。(令和3年3月公表)

7-2)

応急仮設住宅等におけるコミュニティの形成

事例名 町外避難者(応急仮設住宅等入居者)のコミュニティづくり
場所 福島県富岡町
取組時期 応急期復旧期復興前期復興後期
取組主体 富岡町

取組概要

 福島県富岡町では、「富岡町コミュニティづくり推進団体の登録に関する要綱」を制定し、町外で避難生活を送る町民のコミュニティ形成や住民主体の活動の継続を支援している。

具体的内容

富岡町によるコミュニティづくりの推進

 福島県富岡町では、福島第一原子力発電所の事故により町全体が警戒区域に指定されたことにより、全町民が町外への避難を余儀なくされ、応急住宅等で生活する町民が多く、町民同士のコミュニティの再生が大きな課題となった。
 そこで、2013年3月1日に「富岡町コミュニティづくり推進団体の登録に関する要綱」を定め、30戸以上の富岡町民により組織され、継続的に被災者間のコミュニティづくり、ネットワークづくり、イベント等の企画・実施、住民と行政機関の連絡調整等の活動を行う団体を「富岡町コミュニティづくり推進団体」として登録し、情報提供や財政的支援を行うことを決めた。

富岡町コミュニティづくり推進団体の活動

 富岡町コミュニティづくり推進団体には、「福島市及び県北地区在住富岡町民自治会」、「さくら会富岡in柏崎(新潟県)」、「郡山方部居住者会」、「いわき地区広域自治会「さくらの会」」、「いわき市在住富岡町民の会「すみれ会」」、「東雲富岡の会(東京都江東区東雲住宅)」などがあり(2014年3月当時)、各地で富岡町民が集い情報交換やレクリエーションを楽しむ交流会が開催され、住民同士のつながりの維持やコミュニティ活動の再生に貢献した。(2020年10月現在:県内7団体、県外2団体が登録)
 福島市を中心とする福島県北地域には町の建設型応急住宅が無く、県内の他地域に比べて友人や知人が少ないという避難町民の声を受け、町民有志による「福島市及び県北地区在住富岡町民自治会」が発足し、同地域で避難生活を送る72世帯が加入した。自治会では、避難者同士の情報交換の場として福島市内に交流サロンの設置を町に要望し「富岡町さくらサロン」を開設するなど、避難者の孤立防止とコミュニティ活動の再生に取り組んでいる。

<出典>(他の事例集等への掲載)
・福島県富岡町「富岡町 東日本大震災・原子力災害の記憶と記録2011.3.11-2014」(2015年3月)
・福島県富岡町「富岡町 東日本大震災・原子力災害の記憶と記録Ⅱ2014.4.1-2018.3.31」(2019年3月)

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