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避難所の運営・コミュニティ形成
事例名 | 避難所における子育て支援「おやこの広場きらりんきっず」 |
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場所 | 岩手県陸前高田市 |
取組時期 | 応急期復旧期復興前期復興後期 (2011 年4月 14 日~) |
取組主体 | おやこの広場きらりんきっず(現:特定非営利活動法人きらりんきっず) |
取組概要
2010年7月に、陸前高田市の駅通り商店街の一画に子育て支援施設「おやこの広場きらりんきっず」が開設されたが、東日本大震災の津波被害により活動拠点が流失し、スタッフ自身も被災した。避難所で多くの人が生活する中で、子育て中の親が孤立しないよう、親子の居場所づくりのために、震災翌月に避難所の中学校にて活動を再開した。
その後も、地域での子育てを支援する活動を継続する一方で、子育て知識の向上のための講座や父親支援、季節行事やイベントなど、多彩な事業構成で地域の子育てを支援しており、陸前高田市の地域子育て支援拠点に認定されている。
具体的内容
避難所でのひろばの再開
2010年7月26日にスタートした「おやこの広場きらりんきっず」は、約8ヵ月後に東日本大震災の津波被害を受け、活動拠点が流失し、スタッフも全員が被災した。代表を務める女性は、大きな喪失感と不安を抱えながら日々を過ごす中、乳幼児を抱える親子のよりどころが必要だと強く感じた。そこで、約1,200人が避難していた陸前高田市立第一中学校の図書室の通路を借りて、ひろばを再開した。ひろばでは、乳幼児を抱える親同士の情報交換や、粉ミルクやオムツなどの支援物資の配布も行われ、子どもを安心して遊ばせることができる場として親子の居場所となった。
地域子育て支援拠点への認定と経験の継承
2011年8月に、同市高田町の仮設店舗内を間借りし、広場を移設した。翌年6月に仮設店舗「高田大隅つどいの丘商店街」が完成したのを機に、おやこの広場きらりんきっずも同商店街内に移転し、活動を継続させた。2013年12月に特定非営利活動法人の認定を受け、地域の子育て家庭への育児支援事業を担う地域子育て支援拠点に認定された。子育て親子の交流の場を提供し、交流の促進を図るとともに、子育てに関する相談・援助や講習等も実施している。
2019年に陸前高田市竹駒町滝の里に移転した後、震災から9年目となる2020年1月に、4事業所からなる複合型コミュニティ施設「陸前高田アムウェイハウスまちの縁側」内にて活動を継続している。
東日本大震災で自分たちが経験した事を伝承し、防災をより身近なものとして感じてもらうため、2019年4月から防災講座を開催した。それを受けて、2020年5月に避難生活に役立つ知識をまとめた「きらりん防災手帖」を発行するなど、各地でさまざまな災害が頻発する中、震災の教訓を伝え、子育て家庭の日頃の備えを啓発している。
・内閣府「平成27年版 少子化社会対策白書 第2部 少子化社会対策の具体的実施状況」(2015年)
・NPO法人子育てひろば全国連絡協議会「平成24年度子育てひろば全国連絡協議会公開セミナー」(2012年)
・岩手県「NPO法人 団体概要 岩手県子育て支援拠点事業:きらりんきっず」
・特定非営利活動法人きらりんきっず「令和元年度事業報告書」
http://kirarinkids.jp/images/h31gh.pdf