復興の教訓・ノウハウ集

復興の教訓・ノウハウ集

災害からの復旧・復興過程で生じる課題に対し、東日本大震災における状況とこれに応じた官民の取組事例、専門的知見も踏まえた教訓・ノウハウを記載しています。(令和3年3月公表)

3-1)

広域避難者と被災地のつながりの維持(避難元地方公共団体の取組)

事例名 避難者の想いや生活状況を共有する『浪江のこころ通信』
場所 福島県浪江町
取組時期 応急期復旧期復興前期復興後期
(2011 年7月~)
取組主体 浪江町 一般社団法人東北圏地域づくりコンソーシアム 他

取組概要

 福島県浪江町では、町と民間団体との連携のもとで、全国各地で避難生活を送る浪江町民への取材に基づく『浪江のこころ通信』を継続的に発行し、避難者の生活状況や復興に対する想いを被災者・地方公共団体・支援機関が共有し、生活再建支援に活かした。

具体的内容

『浪江のこころ通信』の発行

 福島県内外に分散避難した浪江町の町民の生活再建や復興に対する想いと現在の生活状況を共有するため、「浪江のこころプロジェクト」が立ち上がり、2011年7月から『浪江のこころ通信』が発行されるようになった。「浪江のこころプロジェクト」は浪江町と協定を締結しており、『浪江のこころ通信』は町の広報誌『広報なみえ』への綴じ込みで発行されている。
 『浪江のこころ通信』は、一般社団法人東北圏地域づくりコンソーシアムを中心に、全国のNPOや大学等の協力のもと、各地に避難する住民の生活状況や想いを取材・編集し、発行しており、誰がどこに避難しているのか、どのような生活を送っているのか、町の復興にどのような想いを持っているのか等を共有することができる。
 現在も継続して発行されており、避難生活が長期化する中で、町民同士のつながり、町民と町のつながりを維持する重要な媒体となっており、町民が生活再建の見通しを立てたり、町が支援事業や復興事業を創設したりする際に活かされてきた。また、避難先での生活が定着していく様子や生活再建への不安、帰郷への迷いなど、時間の経過とともに移り変わる1人1人の町民の生活や想いが記録された貴重な資料となっている。

『浪江のこころ通信』の発行

「浪江のこころ通信-震災後3年間の記録-」
※震災から3年間の通信を1冊にまとめて刊行したもの

<出典>(他の事例集等への掲載)
・浪江町「広報なみえ 浪江のこころ通信」
https://www.town.namie.fukushima.jp/site/kouhou/kokoro-tsushin.html

・一般社団法人東北圏地域づくりコンソーシアム「近年の業務実績」(2012-2018年)
http://tohokuconso.org/product.html
<活用された制度>
・復興庁 地域の希望復活応援事業(福島原子力災害避難区域等帰還・再生加速事業)
・平成30年度宮城県NPO等の絆力を活かした震災復興支援事業補助金 補助事業

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