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にぎわいの創出・再生
事例名 | シーパルピア女川・女川みらい創造株式会社 |
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場所 | 宮城県女川町 |
取組時期 | 応急期復旧期復興前期復興後期 |
取組主体 | 女川みらい創造株式会社、女川町 |
取組概要
東日本大震災の津波で被災した中心市街地の再生の一環として、嵩上げ造成された土地に、まちづくり会社の女川みらい創造株式会社がテナント型商店街など新たな商業集積を整備し2015年12月にオープン、まちなかの集客・にぎわいの創出機能を高めている。
テナント型商店街の店舗の所有者はまちづくり会社で、商業者は賃貸で入居するため、店が閉店になっても新規の商業者を誘致することから空き店舗の発生が抑制されている。また、まちづくり会社では集客のためのイベントも企画・実施しており、地域の商業活性化の中心的な役割を担っている。
具体的内容
女川町まちなか再生計画の認定
東日本大震災の津波により、中心市街地が大きく被災した女川町では、2014年12月に「まちなか再生計画」の国の認定を受け、JR女川駅を中心とした7.4haの区域を嵩上げ造成して、公共施設、観光・商業施設を集約することで中心市街地の再生をめざした。
駅前から海に続く歩行者専用のプロムナード沿いに、テナント型の商店街、地域交流センター、物産センターを整備し、入居テナントは小売店、飲食店を予定し、にぎわいと集客の機能を持たせることとした。
テナント型商店街・シーパルピア女川の整備
女川みらい創造株式会社は女川町の第三セクターのまちづくり会社として2014年6月に設立された。資本金1千万円のうち、町の出資は240万円で民間の強みを生かした運営をめざしている。
「まちなか再生計画」に基づき、町有地について町と30年間の定期借地契約を結び、当面無償で町有地を借り、2015年12月にテナント型商店街など商業施設「シーパルピア女川」を整備し、オープンした。
総事業費は約6億3千万円で、そのうち約4億4千万円は国の津波・原子力被災地域雇用創出企業立地補助金(民設商業施設整備型)の助成を受け、町からの補助を除く約9千万円は宮城県の高度化スキーム貸付制度による無利子融資で調達している。
商店街にはテナントとして町外からの商業者を含め27店舗が入居し、生鮮三品を販売する町民向けエリアのほか、飲食店・居酒屋などのフードエリア、観光客がくつろげるコーヒーショップやダイビングショップなど観光客向けのエリアを形成し、駐車場も整備されている。
駅周辺には温泉施設やコワーキング施設など滞在型の施設が整備され、集客の相乗効果を発揮し、新たなにぎわいを創出している。
店舗は女川みらい創造株式会社が所有し、店舗の所有と利用を分離している。これにより、空き店舗が生じれば新たな店舗を誘致することで、店舗の新陳代謝を進め、消費者のニーズに対応した店舗群を形成している。
女川町の復興に取り組む民間事業者は若い世代が中心になっており、同社も斬新な発想で集客のためのイベントの企画も行っており、地域の商業活性化に中心的な役割を担っている。
地元市場ハマテラスの整備
1年後の2016年12月には、シーパルピア女川の南側隣接地に鮮魚や水産加工品など女川町の名産品の販売や地元の魚介類やスイーツを堪能できる飲食店など女川の海をコンセプトとした8店舗が入る「地元市場ハマテラス」をオープンし、観光客の集客能力を高めた。
こちらも「シーパルピア女川」とともに、女川みらい創造株式会社が施設を運営しており、地元の基幹産業である水産加工業・観光業を結合させた新たな観光資源を創出している。

写真:シーパルピア女川「ハマテラス」外観
(出典:シーパルピア女川ホームページ)
・シーパルピア女川ウェブサイト
http://onagawa-mirai.jp/
・復興庁「女川町まちなか再生計画の認定について」(2014年12月)
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-15/20141222160057.html
・新・公民連携最前線「「町有地+テナント店舗」をまちづくり会社が運営、女川町」(2015年7月)
https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/15/434167/072600005/
・津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(民設商業施設整備型)
・シーパルピア女川(2015年12月23日開業)事業費総額 6億3千7百万円
(うち 津波・原子力被災地域雇用創出企業立地補助金 4億4千6百万円)
・地元市場ハマテラス(2016年12月23日開業)事業費総額 3億1千8百万円
(うち 津波・原子力被災地域雇用創出企業立地補助金 2億3千百万円)