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民間企業による復興支援
事例名 | 資生堂「椿」が結ぶ復興支援活動 |
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場所 | 岩手県大船渡市 |
取組時期 | 応急期復旧期復興前期復興後期 |
取組主体 | 株式会社資生堂 |
取組概要
2012年に大船渡市立赤崎中学校(岩手県大船渡市)で行った椿の植樹活動がきっかけとなり、2013年度から、株式会社資生堂と関わりの深い「椿」を市の花としている岩手県大船渡市で新たな復興支援活動を開始した。行政機関やNPO等と連携し、産業と観光の活性化を通じたまちづくりの支援を行った。現在は、住居の自立再建や商店街・地元産業の復興など「本格復興期」へとフェーズが変わっており、地域によって復興のスピードも異なり、被災者のニーズも変化・多様化している中で、地域の住民と共に復興を進めていくため、気仙地区において「椿」を増やし、育成する植樹活動を軸に、「椿」を共に育てる活動、「椿」の産業化に向けた活動、「椿の里」のまちづくり活動の3つの活動を行っている。
具体的内容
「椿」を共に育てる活動
大船渡市立赤崎中学校(岩手県大船渡市)では、「椿」の植樹から、椿油を搾油し、椿油を使用した商品を体験するという一連の流れを通じ、「椿」が街の新たな産業になる資産であることを伝える活動を行った。復興を担う次世代を育てるという長期的な活動を地元の学校関係者と一緒に考え、大船渡市内の学校教育活動の一環に取り入れられている。

2012年赤崎中学校での植樹活動
資生堂HPより抜粋 https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000000093
「椿」の産業化に向けた活動
「椿」を植樹・栽培・収穫するという一連の流れの仕組み化を定着させ、「椿」を活用した製品の開発・製造・販売の支援を行っている。気仙地区の「椿」の価値向上を目指す活動の一つとして、2014年10月から復興支援活動を通じて生まれた商品「資生堂リラクシングナイトミスト」(100ml 1,400円(税抜))を株式会社資生堂の総合美容サイト「ワタシプラス」にて限定販売した。大船渡市を代表する椿の古木、「三面椿(※)」の香気成分を配合した商品である。
※大船渡市の椿を代表する「三面椿」は、樹齢1400年の巨木で末崎町の熊野神社境内にあり、神社の創建時、境内の東・西・南の三方に椿を植えたことから「三面椿」と呼ばれている。この三面椿の香りを分析し、その結果を参考に調香したものである。

大船渡の三面椿(岩手県指定の天然記念物)
「椿の里」のまちづくり活動
「椿が見える街づくり」をテーマに、街にシンボリックツリーとしての「椿」の植樹や「椿」関連イベントのサポート等、大船渡市と協議をしながら活動を行った。

2014年度完成した椿並木(大船渡市)
資生堂HPより抜粋 https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000000093
・株式会社 資生堂「次世代につなげる『椿』を軸にした復興支援活動について」(2016年2月)
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000000093