全世界への復興支援への感謝の気持ちと、震災の記憶と教訓を伝承するためのメッセージを国際宇宙ステーション(ISS)から発信します。復興のイメージを語る笑顔の写真等を横断幕にして宇宙に打上げ、ISS内に展示、感謝のメッセージを日本人宇宙飛行士に読み上げてもらい、その映像を全世界に拡散します。各地の花や農作物の種等も打上げ、地上回収後にポスト10年の地域創生や交流、そして震災の伝承に息長く活用します。
一般財団法人ワンアース
東北復興宇宙ミッション2021

世界への感謝のメッセージ
これまでの経緯
宇宙へ行く横断幕を子どもたちが製作
津波被災地を中心とした全46地域から復興10年を語る写真等を電子データで集め(各地域A3サイズ)、福島県川俣町産のシルク織物に高精細印刷し、同町の福田小学校6年生たちに縫製してもらい縦1m横7mの横断幕に仕上げた。横断幕の上下の縁には世界70カ国語で「ありがとう」と記した(2012年末までに日本を助けてくれた諸外国(外務省公開情報)の主要言語を山梨県北杜市の同市立甲陵高校の生徒たちが調べ、手書きしてくれた。
横断幕は11月2日、JAXAに引渡し、2021年2月に宇宙へ向かうNASAのロケットに積み込まれた。横断幕は3月にISSの日本実験棟「きぼう」内に展開し、野口聡一宇宙飛行士がその前に立って各地から公募された世界への感謝のメッセージを要約して読み上げるため、JAXAとタイムラインや手順、レイアウトなど、技術調整を行った。



復興を支援したいと、山梨県北杜市立甲陵高校の生徒たちが、横断幕製作に参加。



絹織物の名産地、福島県川俣町の福田小学校6年生14名が、横断幕を縫製。完成した横断幕は長さ7mになった。
今回宇宙ステーション内に掲げる横断幕は、無重力で羽衣のように揺らめくことを考慮して、薄い絹の布にした。参加する各地から「A3サイズ」で「復興10年を語る画像」を出してもらい、これを並べたところ、長さ7mの大きなものになった。
各地趣向をこらして画像を作成したが、復興した風景や、子どもたちの笑顔の集合写真が多く集まった。
この横断幕は、2021年夏に宇宙から帰還するが、その後、共有の文化財として活用していきたい。



宇宙へ行く記念品の選定と収集
参加各地域から10グラム程度の記念品を預かり、宇宙フライトさせ、帰還後に地域振興や産業創成に活用してもらうため、各地域と相談しながら物品の選定を行った。ワンアースは各地の希望を聞きつつ、宇宙の技術面・安全面などの制約を踏まえ、絞り込みを行った。同時にJAXAと安全審査対応、米国への輸出入対応などの調整を行った。記念品は参加46地域のほか、三県枠も用意し、それぞれ県と調整した(福島県は宇宙酒の原料、宮城はパプリカの種、岩手は米「銀河のしずく」)。記念品は2月上旬までにワンアースが引き取り、JAXAに引き渡す。地域によっては子どもたちに参加してもらいつつ、宇宙へ行く種の採取式や宇宙への「出発式」を開催した。
宇宙へ行く記念品の選定と収集
福島県須賀川市での、牡丹の種採取の様子

福島県福島市での、ドングリ採取の様子

宮城県多賀城市での、古代米刈取りの様子


岩手県大槌町での、ハマギク種の宇宙へ出発式
東北復興宇宙ミッションについての紹介
本ミッション構想の誕生
復興事業「きぼうの桜」で醸成された広域交流の中から、みんなで宇宙を目指し、復興を発信したい、という東北市民のアイデアが出てきました。写真は2019年7月に岩手県洋野町で開催された「きぼうの桜サミット」のフィナーレ(13地域から約500名参加)の様子

地域間の連携醸成(チームビルディング)
2020年10月15日、宇宙ミッションの「グランドキックオフ」としてzoom会議を開催し、実行委員長・山崎直子宇宙飛行士ほか参加する地域代表者(市町村長含む)の顔合わせ、およびスケジュールや役割分担等重要事項の情報共有を行った。復興庁様およびJAXA殿にも参加していただいた。

委員長・山崎直子宇宙飛行士

洋野町長 水上信宏さん

七ヶ浜町長 寺澤薫さん


楢葉町長 松本幸英さん

JAXA 小川志保室長ほか

南あわじ市長 守本憲弘さん

北杜市長 渡辺英子さん
本ミッションのライフサイクル
2020年度に当該事業は完了しますが、そのレガシーは2021年度以降にも地域創成(宇宙ゆかりの特産品開発など)や広域交流(ともに宇宙飛行した仲間)として受け継がれていきます
東北復興宇宙ミッション実行委員会実施体制
委員長 | 山崎 直子 | 宇宙飛行士・一般財団法人ワンアース名誉顧問 |
委員 | 水上信宏 | 岩手県洋野町長 |
委員 | 遠藤譲一 | 岩手県久慈市長 |
委員 | 小田祐士 | 岩手県野田村長 |
委員 | 柾屋伸夫 | 岩手県普代村長 |
委員 | 石原 弘 | 岩手県田野畑村長 |
委員 | 中居健一 | 岩手県岩泉町長 |
委員 | 山本正德 | 岩手県宮古市長 |
委員 | 佐藤信逸 | 岩手県山田町長 |
委員 | 平野公三 | 岩手県大槌町長 |
委員 | 野田武則 | 岩手県釡石市長 |
委員 | 戸田公明 | 岩手県大船渡市長 |
委員 | 戸羽 太 | 岩手県陸前高田市長 |
委員 | 菅原 茂 | 宮城県気仙沼市長 |
委員 | 佐藤 仁 | 宮城県南三陸町長 |
委員 | 須田善明 | 宮城県女川町長 |
委員 | 亀山 紘 | 宮城県石巻市長 |
委員 | 渥美 巖 | 宮城県東松島市長 |
委員 | 櫻井公一 | 宮城県松島町長 |
委員 | 熊谷 大 | 宮城県利府町長 |
委員 | 佐藤光樹 | 宮城県塩竈市長 |
委員 | 寺澤 薫 | 宮城県七ヶ浜町長 |
委員 | 深谷晃祐 | 宮城県多賀城市長 |
委員 | 郡 和子 | 宮城県仙台市長 |
委員 | 山田司郎 | 宮城県名取市長 |
委員 | 菊地啓夫 | 宮城県岩沼市長 |
委員 | 山田周伸 | 宮城県亘理町長 |
委員 | 齋藤俊夫 | 宮城県山元町長 |
委員 | 大堀 武 | 福島県新地町長 |
委員 | 立谷秀淸 | 福島県相馬市長 |
委員 | 門馬和夫 | 福島県南相馬市長 |
委員 | 吉田数博 | 福島県浪江町長 |
委員 | 伊澤史朗 | 福島県双葉町長 |
委員 | 吉田 淳 | 福島県大熊町長 |
委員 | 宮本皓一 | 福島県富岡町長 |
委員 | 松本幸英 | 福島県楢葉町長 |
委員 | 遠藤 智 | 福島県広野町長 |
委員 | 清水敏男 | 福島県いわき市長 |
委員 | 木幡 浩 | 福島県福島市長 |
委員 | 藤原一二 | 福島県川俣町長 |
委員 | 杉岡誠 | 福島県飯舘村長 |
委員 | 本田仁一 | 福島県田村市長 |
委員 | 橋本克也 | 福島県須賀川市長 |
特別委員 | 上村英司 | 山梨県北杜市長(きぼうの桜苗元) |
特別委員 | 大石 弘秋 | 高知県仁淀川町長(きぼうの桜苗元) |
特別委員 | 坂本 浩之 | 福島県三春町長(きぼうの桜苗元) |
特別委員 | 守本 憲弘 | 兵庫県南あわじ市長 |
事務局長 | 長谷川洋一 | 一般財団法人ワンアース代表理事 |
特別協力 | 三陸鉄道株式会社 | |
一般社団法人槌音(岩手県大槌町) | ||
Tohoku Space Community | ||
日本宇宙少年団福島分団 | ||
株式会社夢舞台(兵庫県淡路市) | ||
助成 | 復興庁(東日本大震災発災10年復興発信事業) |
三県知事への事業説明と報道発表
今回の事業は被災地の市町村を主役として計画しているが、各県復興担当部局にも事業を十分に説明し御理解いただくとともに記念品のフライト権を配分することとした。2020年12月、三県知事に説明を行い、同時に報道発表を行った。
12月16日 宮城県・村井嘉浩知事表敬、説明およびパプリカの種宇宙飛行を公表 12月17日 福島県・内堀雅雄知事表敬、説明および日本酒原料の宇宙飛行を公表 12月18日 岩手県・達増拓也知事表敬、説明および岩手米「銀河のしずく」の宇宙飛行を公表
宮城県・村井嘉浩知事表敬

福島県・内堀雅雄知事表敬

岩手県・達増拓也知事表敬