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第186回(常会)における根本復興大臣発言(平成26年2月21日)

第百八十六回国会
衆議院 東日本大震災復興特別委員会における根本復興大臣発言
(平成二十六年二月二十一日)

 復興大臣及び福島原発事故再生総括担当大臣を拝命しております根本匠です。
 東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。
 
 東日本大震災から、丸三年を迎えようとしています。
 この震災は、地震、津波、原発事故による複合的な災害であり、復興は長期間を要する取組であります。
 発災以来、政府を挙げて、救助救援と復旧復興に取り組んでまいりましたが、二十七万人もの方々が避難先でこの冬を迎えられるなど、復興は未だ途上であります。

 安倍内閣では、復興の加速化を、経済再生や危機管理と並ぶ、内閣の最重要課題と位置付けています。
 私は、復興大臣として、引き続き、「現場主義の徹底」、「復興庁の司令塔機能の強化」、「復興のステージに応じた取組」の三つを信条としながら、復興の加速化に取り組んでまいります。

 地震・津波災害からの復興においては、何よりも住宅再建が最重要課題です。被災者の方々に住まいの見通しを持っていただくため、岩手・宮城・福島について、地区ごとの工程表や住宅・宅地の供給目標を示した「住まいの復興工程表」を策定し、四半期毎に更新してまいりました。また、公共インフラの本格的な復旧・復興については、工程表に従い、着実に取り組んできております。
 これらの事業の隘路(あいろ)となる課題に対し、関係府省の協力の下、「用地取得加速化プログラム」をはじめ、四次にわたり加速化措置をとりまとめてきました。その結果、高台移転の計画は全地区で法定手続を完了し、八割を超える地区で着工し、災害公営住宅でも約七割で着工の段階に入っております。
 また、災害廃棄物の処理は、福島の一部を除き三月末までに完了する見通しとなりました。

 福島の復興・再生については、地震・津波による災害に加え、原発事故とそれに起因する災害からなる「複合災害」であることを前提として、総合的に対策に取り組む必要があります。
 昨年八月に、避難指示区域の見直しを完了し、住民の早期帰還に必要な環境を整えるため、市町村ごとに今後講ずべき取組について工程表を順次策定しております。また、復興公営住宅整備の本格着手のほか、コミュニティ維持などのソフト施策の一体的な実施などにより、長期避難者の生活拠点の形成を推進しております。中通りなどにおいては、子どもの運動機会を確保し、子育て世帯の帰還・定住を支援するため、遊具の更新や運動施設の整備などを五百ヵ所以上で進めております。
 更に、昨年末に、原子力災害からの復興の前提となる賠償・除染・廃炉などの対応に関し、新たな国の方針が決定されております。

 被災地での横断的な課題である職員不足については、全国の自治体から約二千人の職員が支援に入っているほか、先日公表した「用地加速化支援隊」の活用や、工事の発注業務や用地買収業務を民間に委託するなどの対策をとっています。

 今後ですが、住宅再建・まちづくりについては工事が本格化してまいります。これまで打ち出してきた加速化措置を活用し、来年三月までに、二百地区に及ぶ高台移転と一万戸を超える災害公営住宅について工事を完了させるなど、住まいの再建を進めてまいります。
 インフラや住宅の復旧だけでは、まちの賑わいは戻りません。産業やくらしの再生を進めることが重要です。引き続き、被災事業者の事業再開や施設などの復旧を着実に進めます。更に、市街地中心部の商業集積や商店街の再生などを加速化し、被災事業者が本格的に事業を再開できるよう後押しします。加えて、企業の立地促進や再生可能エネルギーの導入といった創造的な取組も支援してまいります。
 同時に、健康・生活についても、避難先での暮らしが長くなりつつあることを踏まえて対応する必要があります。今後とも、被災者の方々が安心して健やかに暮らしていただけるよう、先般とりまとめた「健康・生活支援に関する施策パッケージ」を実施するとともに、現場の課題を吸い上げ、対応していきます。

 原子力災害からの復興・再生については「福島再生加速化交付金」などの道具立てを整えました。具体的には、早期に帰還可能な地域の安全・安心対策により生活の質を向上するとともに、復興拠点を整備するほか、長期避難者のための生活拠点を形成します。あわせて、福島の子どもの運動機会の確保などを進めてまいります。本年は、これらの施策を活用し、福島での具体的な取組を強力に推し進めてまいります。

 これらの取組に加え、復興を進めるに当たっては、我が国や世界のモデルともなる「新しい東北」の創造に取り組んでおります。具体的には二十四時間対応の在宅医療や介護等を提供する「次世代型地域包括ケア」の創出や、温泉熱エネルギーを生かした新たなビジネスモデルの創出など、六十六件の先進的な取組を支援するとともに、経済界・大学・NPOで情報の共有・交換を進める「官民連携推進協議会」の設立などにより、東北に持続的な活力をもたらしてまいります。

 今年は、復興が四年目に入ります。地震・津波からの復興では住宅再建などの工事が本格化し、また、福島の復興・再生では早期帰還や長期避難者の生活拠点の形成に向けた各種事業が本格化するなど、大変重要な一年になります。
 復興のステージが上がる度に、新たな課題が現れてきます。今後とも、現場の声を伺いながら、人材確保や資材不足などへの対応を含め、私の下に設けたタスクフォースによりきめ細やかに対応し、被災者の方々が一日も早く普通の生活に戻られるよう、全力を尽くしてまいります。

 秋葉委員長を始め、理事及び委員各位におかれては、引き続き復興施策への御理解と御協力をお願い申し上げる次第です。
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