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平野復興大臣の会見[平成24年9月28日]

平野復興大臣記者会見録(平成24年9月28日(金)10:20~10:37 於:復興庁記者会見室)


1.発言要旨
 報告は4つございます。
 まず、宮城県、茨城県及び両県内市町の復興推進計画の認定についてです。本日、宮城県、茨城県及び両県内市町から申請された計4件の復興推進計画を認定します。4件の計画で、石巻市の計画ですけれども、商業及び観光関連産業等の集積を図るため、税制上の特例措置の対象区域を拡大するものです。七ヶ浜町の計画は、建築基準法に基づく用途制限を緩和する特例措置を講じるものです。宮城県及び県内11市町の計画は、農業及び農業関連産業を対象とする税制上の特例措置を講じるものです。茨城県及び県内9市町の計画は、工場立地法に基づく緑地等規制を緩和する特例措置を追加するものです。
 2つ目ですけれども、復興推進委員会平成24年度中間報告についてです。これは、9月14日、官邸で復興推進委員会が行われましたけれども、その議論を反映したもので、この復興推進委員会の中間報告が公表されています。この中間報告では、委員会として、平成25年3月に取りまとめを予定している年次報告に向けての課題が整理されています。入念な現地調査に基づき、熱心に御議論をいただき、的確な御指摘をいただいたと思っていますが、改めて感謝を申し上げたいと思います。政府としましても、指摘された6つの課題について、政府全体としてこれを共有するということとあわせて、今後、必要な対応をしっかりとってまいりたいと考えています。
 3つ目ですけれども、これは東日本大震災の総括担当大臣からの報告ということになりますが、東日本大震災時の地震・津波避難に関する特定集落調査、インターネット調査の結果についてです。お手元に調査結果がいっていると思いますが、後で御参照いただきたいと思います。
 これは、内閣官房東日本大震災対応総括室において、東日本大震災時の地震・津波避難について、被災者・各関係者がどのように行動したかなどの対応状況の実態を調査し、記録に残すとともに、今後の対策につなげていくことを目的として、4つの調査を実施しています。これは前にご報告したとおりですが、その4つの調査というのは、住民調査、避難支援者調査、これは8月17日に公表済みです。今回、特定集落調査とインターネット調査の調査結果がまとまったということです。今回、津波による浸水被害のあった特定集落に対するヒアリング調査、及び大津波警報が発表された地域住民へのインターネットによるアンケート調査の結果についてとりまとめたということです。
 主な調査結果はお手元の公表資料のとおりですが、例えば特定集落調査では、地域で亡くなった方全員が昭和35年のチリ津波の経験者であったということで、チリ津波は遠くから来た津波で、じわじわっと水位が上がっていったため、水が来てからでも逃げられたということで、逆に、この経験が今回の津波の経験の中では多分マイナスになったのだろうということだと思います。それから、寝たきりの老人1人を助けるために向かった消防団員6人が亡くなった。高台等に1度避難したものの、貴重品や防寒具等をとるため自宅等に戻り被災をした。事前に指定されていた避難場所が集落から遠く、停電していたため、行政担当者が集落に近い高台にある場所を避難場所として誘導し助かった、等の生々しい回答が寄せられています。
 また、インターネット調査では、避難の呼びかけを見聞きしても津波が来るとは思わなかった人の割合が、年齢が上がるほど多く、最も多い70歳以上では約4割であったということ。避難時の移動手段として車を利用した人は約6割であったということ。平成22年チリ地震の際に避難した方は、東日本大震災時の避難率が高く、約75%が避難をしたといった結果が出ています。 今後、さらに分析を進めるとともに、もう一つ住民調査、これは1万人を対象にしていますが、今これをやっておりまして、中央防災会議の津波避難対策検討ワーキンググループに報告して検証いただくとともに、結果がまとまり次第、公表してまいりたいと考えています。
 最後になりますけれども、明日29日(土)、宮城県石巻市において、被災地の視察をするとともに、石巻市長との間で意見交換を行う予定です。その後、女川町に行き、女川町復興まちづくり事業着工式、これは区画整理事業等の事業計画がまとまっていまして、それについての事業着工式に出席をする予定です。詳しい日程については現在調整中です。
 以上、4点の報告です。

2.質疑応答

(問)改めまして中間報告を復興推進委員会から受け、復興大臣も閣僚の一人として、この中間報告に対する受けとめをもう少し詳しくお聞きしたいのですが。
(答)先ほども少し簡単に触れさせていただきましたけれども、委員の先生方は現地に行かれまして、復興庁の事務方が企画した現地調査以外にも、委員みずから、ここに行きたいということで自主的に行かれて、自主的といっても当然復興庁の職員がついていきますが、現地調査等を精力的にやられております。こうした結果をもとにしての中間報告ということで、かなり建設的なというか、こういう部分、足りなのではないか、こういうところについてはもっときちんとした対応すべきだ、といった提案をいただいています。この提案については、先ほど政府全体で共有すると言いましたけれども、政府全体で共有しながら、これを踏まえて何をしていかなくてはならないかといったことの対応の方向についても、できるだけ早く明らかにしながら、その方向に沿った対応を着実にやっていきたいと思っています。そういったことを踏まえて、来年3月に年次報告が出されますので、この年次報告に評価されるような活動をとにかくやらなくてはならないと思っています。

(問)福島の原発の地域のことについてお伺いしたいのですけれども、大熊町、富岡町で、今月に入って、5年間帰還しないと、町に戻らないことを前提にした復興計画が決まりましたが、これについての受けとめと、今後、グランドデザイン等を出して国と地域との間で積極的にかかわりながら計画づくりしたいというふうに、グランドデザインを出したときに大臣はおっしゃいましたけれども、今後どのように進めていきたいか。2点、お願いします。
(答)この区域の見直しに当たりましては、政府全体としては、放射線量で区域見直しをすると同時に、除染、インフラ等の復旧、それから、地震等で、その後の家を空けたことによって、家が相当傷んでいるというところもあり、そういった家の恐らく何年後か来るだろう取り壊しとか、それから再建築等のことも頭に入れた、全体のスケジュールをしっかり被災自治体と相談しながら、この帰還計画をつくるということを今進めています。
 インフラ等の整備計画等については、特に富岡町等については、今、復興庁の職員と富岡町職員とのすり合わせを行っている最中だと思っています。そういう中で、5年間を帰宅しないということを議会で議決されたということで、これは富岡町の考え方としてはあるということで、これは尊重しなくてはならないということが基本になります。なぜそういう考え方になるのかということについて、まだ私どもは十分な富岡町とのすり合わせができているとは思っていません。先ほど申しましたように、放射線だけではなくて、富岡町は町の南のほうは放射線が低いところもありますから、そういった地域のインフラ整備、インフラ復旧。それから、インフラ復旧というだけではなくて、戻った場合の病院、医療、介護サービス等がどうなるか、家の建て直し等のスケジュール感、そういったものをしっかり調整した上で、その帰還の時期等についてのすり合わせをすべきだと思っていまして、これから我々のほうの考え方もある程度まとめて、富岡町、大熊町もそうなのですが、大熊町の場合はかなり放射線が高いところが多いので、今の段階でも帰宅困難区域というか、5年をめどとした帰宅困難区域は相当のエリアに広がるとに理解していますが、富岡町についてはそういった考え方で、これから調整をしていきたいと思っています。 ただ、基本はやはり、富岡町もいろいろなことを考えて、議会の議決までされたということでしょうから、そのことは十分尊重しながら考えていかなければならないということですが、あわせて、繰り返しになりますけれども、私どもは一日も早く帰れる環境をつくる、条件をつくるということを目指してやっておりますので、そのことを念頭に置きながら、富岡町ともきちんとした意見交換、調整をやっていきたいと思います。

(問)放射線量が低い地域に帰りたいという気持ちもある一方で、今の賠償の基準では、帰還する、待つ期間によって差が出るというのが、地元の首長もまとまって5年以上帰らないというふうに宣言したいというか、しなければならないと、そういう事情もあると思うのですが、その辺についてはどのように。
(答)私どもとすれば、例えば区域見直しによって、確かに早く帰れるところとそうでないところの中では賠償の額が違ってきますから、町内一律賠償にしたいという強い考え方があるということは承知しております。ただ、その考え方でもって帰還の時期を決定しているということについて、私どもは、これは原災本部とも調整しなくてはなりませんが、それを了としているわけではないということです。あくまでも帰れるという状況を、私どもは今これから、先ほど言ったようないろいろな、インフラ等の復旧等を含めて、きちんとやっていきたいと、やらなくてはならないという責務を持っていると思っていますので、そういったものの条件が整ったところについては、できるだけ帰っていただくことがよろしいのかなという考え方でいますし、もともと、とにかく一日も早く帰るという要望が強くありましたから、そういったことを踏まえて復興庁も取り組んでいきたいと思います。 ただ1点、もう一つ、補足的に申し上げますと、エリアに帰っただけで生活が成り立つのかどうかということも私どもは十分考えなくてはならないということをつけ加え、それも頭に入れながら調整していきたいということです。

(問)昨日、官邸に藤田財務副大臣が来て、疑義のある復興予算について藤村官房長官に説明したのですけれども、その後で、全体的な見直しと来年度以降の対応については、総括的に復興庁の方で対応を検討していただきたいというふうに話されていまして、それについて受けとめと、あと、具体的な基準というのを今のところ設けるお考えがあるかどうかというのをお聞かせください。
(答)藤田副大臣が官邸で何を説明されたかというのは、私は一切承知していません。今、財務省の方には、23年度を中心に、24年度分も含めて、いわゆる財源として、増税をした財源としての予算として、さまざまな指摘は受けていますから、それについての精査をお願いしています。いずれにしても来年度予算については、閣議決定の来年度予算編成の中に、真に復興に資するものに予算に配分するという一文は入っていますから、その考え方に沿って予算を編成してもらうよう、復興庁としてはしっかり取り組まなくてはならないと考えています。その過程の中で、何か財務省が考え方を整理するというようなことを思っているようですが、それの中身がどういったものかということについては、まだ私の方には情報は入ってきていませんので、今の段階ではそれ以上のコメントはできないと思います。

(問)話題は変わるのですが、自民党の新しい総裁に安倍元総理が決まりましたが、受けとめと、今後どういうふうな形で自民党とやっていきたいかと、閣僚の一人としてあればお願いします。
(答)他党のことだから、特にコメントはありません。安倍総裁になられましたから、復興については自民党から、今までもいろいろな助言とか意見とか支持をしていただきましたので、引き続き強力な支持または助言、意見等をいただければと思います。

(問)内閣改造について、週明けにもという話がありますが、細野大臣が政調会長に移られるということで、原災担当の大臣が新しくなることが憂慮されていますけれども、どのような方がふさわしいと思われていますか。
(答)ふさわしい方を総理が選ぶと思います。

(以    上)

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