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髙木復興大臣の会見[平成27年10月7日]

髙木復興大臣初登庁後記者会見録(平成27年10月7日(水)22:15~22:32 於)復興庁)

1.発言要旨
 改めまして、このたび復興大臣に就任をさせていただきました、髙木毅でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 先ほど官邸でも記者会見をさせていただきましたので、冒頭、私からの発言は、ここでも同じような趣旨になるかなと思いますので割愛させていただきますが、一点加えるとするならば、明日10月8日でございますけれども、福島県を訪問いたしまして、福島県知事を表敬し、あわせて福島復興局職員への訓示を行う予定でございますので、この一点をつけ加えさせていただくところでございます。

2.質疑応答
(問)大臣、先ほどの官邸での会見の中で一言、大臣が復興の司令塔としてこれから取り組んでいかれるというお話をされておられましたけれども、改めてそういう、この職務に取り組まれる意気込みをお願いします。
(答)もう言うまでもありませんけれども、東日本大震災というのはまさに大地震、それから津波、あわせて不幸なことに原発の事故といった、これまでにない、大変、地域も非常に広範囲でありますし、正に未曾有の日本の災害であるわけであります。もちろん、もう4年半以上たちましたので、関係者の皆さん方の御努力によりまして復興が進んでいる部分もありますけれども、まだまだ足らない部分もありますし、特に福島のことについては、まだこれからといったような状況といっていいかというふうに私は認識をいたしております。
 そうした中にあって、この仕事をいただいて、先ほど申し上げましたけれども、言うならば、この第3次安倍内閣の基本方針の一丁目一番地に、その復興のことが書いてあるわけでございます。ですから、安倍総理を先頭に、全閣僚が復興大臣になったつもりで、ということでございます。まことに僭越といえば僭越でありますけれども、まだまだ、立場は非常にまだ、いわゆる新参といっていいかというふうに思いますけれども、全閣僚、あるいはまた政府の中の復興大臣、すなわち、これは縦割りを排してしっかりとこの復興庁が中心になってやっていくということからすれば、正に私が、そしてまたこの復興庁というものが司令塔になって、復興に頑張っていかなきゃならないという思いでやりたいと、しっかり頑張っていきたいという思いで、司令塔という表現をさせていただいたところでございます。
(問)大臣は福井の御選出ということで、被災地の選挙区の御選出ではないと。前は竹下さんもそうでしたけれども、被災者の方の中には、やはりその被災地の御選出ではないということで若干不安な思いを抱いていらっしゃる方もいらっしゃるようですが、この被災地の方々への不安に対して、どのように応えていかれますか。
(答)この東北地方を中心に被災されているわけでありますけれども、これはもう言うまでもなくですね、東北であろうと、どこであろうと、とにかく日本中が復興に向けてやらなければならないという意識、皆、日本国民は持っていると思います。
 ですから、私も当然そういう思いでありますし、被災地の出身の大臣か、あるいはそうでない大臣かというのは、私は関係ないというふうに思います。強い思いを持って、被災地に寄り添いながら復興に頑張るということであれば、私はそれを問うということはないというふうに思っております。
(問)2点伺います。
 被災地に足を運ばれた御経験があれば、そのときにどんなことをお感じになったかというのが、まず1点。
 あと、今、復興をめぐって様々な課題がある中で、最優先で取り組まれたいと思うことはどんなことかということをお聞かせください。
(答)まず、被災地への訪問ということに関して言うならば、国交省の副大臣をさせていただいておりましたので、その折に、まあ、中心とすれば防潮堤だとか、あるいは高台移転だとか、そういったような工事の状況などを副大臣としては2回でありますけれども訪問させていただいておりますし、あわせて震災直後に、政務というんでしょうか、そういった立場でも訪問いたしておりますし、あのときは女川の原発を見に行ったり、また女川の町を見させていただいたり、まだまだ女川も大変な状況でございました。
 あわせて、あの福島の発電所につきましても、発災、まあ直後と言っていいかと思います、入れるようになってすぐぐらいだと思いますけれども、いわゆるあの防護服をですね、厳重な防護服をつけて、サイトに入らせていただいて、正にあの原子炉のすぐそばまで行って見てきましたし、これは福井県出身とさっき話もございましたけれども、やはり原子力というものに対する思いというのが非常に強いこともありますので、被災地にはそういった形で幾度か入らせていただいているということです。
(問)最優先にしたい課題については。
(答)そうですね、まだまだしっかりとやっていかなきゃならないことはたくさんあると思いますけれども、先ほど官邸でも申し上げましたけれども、一つには、住まいというものをしっかりとやっていかなきゃならんと。まだ仮設に入っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいますから、そういったようなこともそうですし、それから、先ほども申し上げたかと思います、総理の指示でもありましたけれども、正にあの、心というんでしょうか、そういったところにしっかり訴えるというんでしょうか、理解していただけるというんでしょうか、またその被災地の方々の心、また体の健康というようなことにも、しっかり心していかなきゃならないというふうに思います。
 また、これは何をということにはならないのかもしれませんけれども、いずれにしてもですね、やはり、竹下前の大臣も随分現地に行かれたということでありますけれども、さっき申し上げたとおり、早速明日、福島県へ訪問させていただきますし、その後も頻繁に行きたいというふうに思っております。そうした中で、現地の皆さん方の、被災地の皆さん方の話を十分に聞いてやっていくということが、何よりも肝要だというふうに思います。
(問)まず、2点質問あります。1点目、TPPについて、先日、TPPが大筋合意いたしました。農産物重要5品目を守るとした国会決議の整合性について、内閣の一員としてどのようにお考えでしょうか。
(答)これから、まだ詳細よく見てからだというふうにも思いますけれども、まあ国会決議というものがあるということはもちろん十分承知をいたしておりますし、基本的にはそれにのっとった形でこれからやっていくということかなというふうに思います。
 また、あわせて、このTPPへの、東北地方というのは農業あるいは水産業、非常に基盤的な産業だというふうに思いますから、しっかりと、このTPPによって、東北地方の皆さん方の生活あるいはなりわいといったものにですね、その悪い影響が起きないように、復興庁の立場からするとそんなようなことも見ながら、このTPPというものをしっかり対応していきたいというふうに思っております。
(問)2点目なんですけれども、被災地の農業の再生、振興にどのように取り組むかお話を伺いたいと思います。
(答)これは被災地に限らず、日本の農業、正に転換期、岐路だというふうに思いますので、基本はそこにあるんだろうと思います。それにも増して、被災地には被災地の更なるいろんな課題があるんだろうと思いますので、これから、先ほど申し上げたとおり、農業、水産というのは東北にとっての大きな基幹的な産業だというふうに思いますので、そういったところもしっかり見ながら対応していきたいというふうに思います。
(問)先ほど官邸でもお伺いしたんですけれども、被災地の原発の再稼働について、特に福島第二というのは、現地は廃炉を求めていたように、少なくともこれの再稼働について、ほかと同列的に扱うということになるんでしょうか。
(答)私とすれば、先ほど申し上げたとおり、正に原子力規制委員会によって、世界で最も厳しい水準の新規制基準に適合すると認めたもののみ、その判断を尊重し、再稼働を進めていくということが政府の一貫した方針であるということで、私もその思いでございます。ですから、福島の発電所、あるいは女川も先ほどお聞きになったと思いますけれども、そういったものに対しても、そういうことだというふうに思います。
 ですから、要するに、安全審査の申請をするとか、しないという段階もありますし、これはむしろ復興という立場ではなくて、例えば経産省だとか、そういったようなところの問題でもありますし、もちろん地元の理解というのがないといけないわけでありますから、そういったところを見ていく問題ではないかなというふうに思います。地元の方がどのような考えを持っているか、福島第二原発に関して、それを尊重していくということだというふうに思います。
(問)先ほどの大臣の官邸の会見で、やはり被災地の心に寄り添う、というのは、おっしゃることはそのとおりだと。一つお伺いしたいんですが、やはり福島県というのは、大臣御地元の福井県同様にやはり40年近く原発と共生してきた地域です。ところが、原発事故によって、今まで大きな産業であり、恩恵を受けていた原発というのが、ふるさとを奪って、なかなか広範な被害、恐らくもうしばらく続くことになるということで、原子力に関する考え方が一変しております。福島県も福島県議会も、県内原発全機廃炉ということで原子力に対する脱原発とは言い難いまでも、複雑な県民感情を持っております。大臣は先ほど第二原発のサイトについてということでしたが、安全規制が、安全が確認されたものは再稼働するというような御見解であるとおっしゃいましたけれども、やはりその2つの流れの中で一つ溝があるのではないかと私は思います。もしかしたら、この短い会見の中で、大臣の言葉はふさわしくないかもしれません。このことについて、大臣の考えを伺えればと思います。
(答)再稼働するか、しないかというのは、一つには、事業者がどう考えるかということでもあるというふうに思います。そして、また地元の皆さん方の思いというのがあろうかと思います。私は、ですから福島の第二原発については、そういったようなことを尊重しながら進めていけばいいのではないかというふうに思っております。福島の皆さん方が、あるいはまた事業者の方が、廃炉にすべきだということであるならば、それは選択肢の一つだというふうに思います。
(問)総理からは、国交副大臣としての経験を復興の加速化に活かしてほしい、ということだったかと思うんですけれども、具体的にどういった経験を活かせるというふうにお考えでしょうか。
(答)復興庁というのは正に省庁横断、いろいろなところから集まってきていただいて、縦割りを排しながら進めている機関だというふうに思っておりますが、とりわけその中で実際の高台移転だとか、あるいは交通インフラだとかそういったところは、国交省というのがノウハウもありますし、ですからそういったような国交省で副大臣としてやってきた、そういったようなことを、この復興庁でも活かしていきなさいということが、私は総理の思いではないかなというふうに思っています。
(問)今回の改造内閣で新しく一億総活躍担当大臣がつくられましたけれども、大臣にとって活躍とはどういうものか教えてください。
(答)内閣としては3つの方針、これが出ているわけでありますけれども、これから正に少子化、人口減少時代を迎えるわけでありますけれども、そうした中にあって全ての国民が、正に生き生きと仕事をし、そして生活をしていく、正に1億人の日本国民全員が、生き生きと活躍していくそういう場所、ステージをつくっていくというのが、今回の安倍総理の一億総活躍時代というものの狙いではないかなというふうに思っております。
(問)改めてなんですけれども、大臣が復興大臣としてまずこれに取り組みたいということを、1つお教えください。
(答)いろいろなことがあると思いますけれども、いずれにしても竹下前大臣からまた明日、話を聞かせていただきますし、とにかく福島にも明日行きますし、近々岩手にも宮城にも訪れたいと思います。そうした中で今、地元の被災地の皆さん方が何をどうしてほしいのかということを、まず把握させていただいて、その上で私はすぐに、何をやるべきかということを判断していきたいというふうに思っています。
(問)震災から4年半がたちまして、残念ながら震災の風化というのが進んでいるのは否めないと思っています。この風化を止めることはできないにしても、風化が進むスピードを遅らせるということについて大臣は、どういうことをしていけばいいというふうにお考えですか。
(答)要するに日本国民が、あるいはもっと言うとあれだけの災害でありますから世界中の方々が、ああいったことを絶対忘れないということが大事なんだと思いますし、特に日本国民がそういう思いを共有していないと、復興というものもなかなか進まないんだろうというふうに思います。ですから私の立場からすると、被災地に限らず日本国の皆さん方、日本中の皆さん方に、まだこういう現状だと、まだまだ復興はこれからなんだということを、事あるごとにいろいろな話をさせていただく、あるいはまた、正に皆様方にも御世話になりながら、広く東北の今の現状というものを発信していただく、そんなようないろいろな手立ても講じていくということだと思います。日本国民、日本の皆さんが、とにかく福島、宮城、そしてまた岩手を中心とした被災地に、しっかりと思いを続けていただけるように努力をしていく、それが風化というものを防ぐんだというふうに思います。   どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。

(以    上)

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