復興庁復興庁
  • 文字サイズ
メニュー
閉じる

竹下復興大臣の会見[平成27年10月7日]

竹下復興大臣臨時閣議後記者会見録(平成27年10月7日(水)12:50~13:04 於)復興庁)

1.発言要旨
 1年間、1年余りでございましたが、皆さん方に大変お世話になりました。本日をもちまして、復興大臣を退任することとなりました。お世話になりましたことに改めて心から感謝を申し上げます。
 この1年、いろんなことがございましたが、私自身としましては、復興・創生期間、後半の5年間の枠組みを財源も含めまして、一括して決定をさせていただいたというのは、就任当初からどうしてもやらなければならないことだと、こう思っておりましたので、それがまがりなりにも皆さん方の御協力ででき上がったことに、私自身が褒めてはいけないんですが、感慨深いものを感じておるところでございます。
 そして今年度いっぱいの集中期間、パーフェクトとは言えませんが、精いっぱいやらせていただくことができたと。被災地は徐々にではありますが、この1年間を振り返ってみても、行く度に笑顔が増えてきておりまして、その意味でようやく復興の実感を感じていただき始めたかなということを感じておるところでございます。
 改めて皆さん方にお世話になりましたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

2.質疑応答
(問)今、おっしゃってもいただいていましたけれども、改めまして、まず復興・創生期間に向けて、新たな枠組みを作れたということですけれども、どの点に一番苦労なされたのか答えていただけますでしょうか。
(答)一番やらなければならないと思っていたのは、5年間一括でということはどうしてもやらなければならないと。そうやって、ある意味お金の心配をしないで復興に取り組んでもらえる、財源の裏打ちを含めて、そういうものをお示ししなければ、1年1年の予算ではやっぱり予算の執行に支障が出ると思っておりましたので、それができたということが私として一番苦労した、苦労したというか、やり遂げなければならないと思っていたことでございます。
 地方負担も極めてわずかではありますが、入れさせていただくことができたということも大変記憶に残っておることでございます。復興庁もそうでございますが、やっぱり4年半という時間の経過とともに、人間というのはどうしても気の緩み、あるいは慣れといったようなものが出てまいりますので、もう一回、自ら締め直さなければならない。そして特に地方自治体の皆さん方にももう一回、原点に立ち返って仕事をしていただこうという思いを込めて、これは実施をさせていただいたことでございます。
 復興の最終的な目標は何かと言われれば、被災をされた皆さん方のそれぞれの人生でございますので、お一人お一人に自立していただくようにお支えをするというのが復興の仕事であり、市町村もしっかりと自立をして、これからもやっていくという体制をとるのがこの目標でございますので、そこへ向けて、1歩とはいいませんが、3分の1歩ぐらい踏み出すことができたかなという感じを持っております。
(問)就任当初、被災地出身の政治家ではないという質問に対して、「田舎者である」というお答えがありました。逆にこの1年間を振り返って、被災地ではないがゆえに言えたこと、やれたことなどはありますでしょうか。
(答)政治家でありますので、被災地の出身であるかどうかというのは、実際、このポストに就いてみれば、あんまり考えないこと。被災地にとって何がいいか、日本国として何ができるか、あるいは何はどこに限界があるかといったようなことを考えるのがいわば復興大臣の仕事でございますので、あの当時は多少、気負って、俺は田舎者だからみたいなことを言ったことは事実でございますが、誰がなっても復興大臣として考えることはそう大きな違いはないと。
 それは時に被災地に厳しいこともありますし、時に甘いこともあります。それを含めて、誰がなっても、そこは政治家である限り、そう大きな違いはないと。また、あってはいけないと、こう思いました。
(問)もう一つなんですけれども、大臣はよくこれまでの間に、地方創生に対して、今回の東日本大震災の復興が何か示さなければならないことがあるとおっしゃっていました。この1年間ですけれども、何か地方創生、今後の日本の地方政策に対して、東日本大震災の復興策というものが教訓なり、何か道しるべになったりしたものは何かあるのかどうか。
 私個人的には、地方創生の掲げている原則みたいな地域性とか結果重視とか、自立性もそうですけれども、まだ5年もたっていない東日本大震災なんですけれども、それほど地方創生に対して胸を張って、ここをまねてくれというところまではいっていないような気もするんですが、大臣としてはどういう御見解でしょうか。
(答)まだとても十分であるというふうには私も言い切る自信がありません。ただ、いろんな芽が出てきている。例えば異業種の交流、地元の若手の経営者たちが全く異業種の交流を始めるところ、あるいは東京のバイヤーあるいは専門家たちと相談をして、新しい商品を生み出していく。その動きというのは被災地のあちこちで芽が出始めております。
 これが具体的に地方活性化の政策になるという、ただ、今はまだその現象ですが、政策として市町村がしっかりと打ち上げることができるというところまでいけば、地方創生のモデル地区になることは不可能ではないと、こう思っておりますし、被災地の皆さん方に常々申し上げてきたのは、これから地方創生はアイデアと情熱と両方なければいけないんですが、アイデアと情熱のあるところに、国の制度なり予算なりが行くようにするというのが地方創生の基本的な考え方でありますので、どんどん踏み込んでいってほしいと。あるいは地方創生の予算をどんどんとってきてほしいと。
 復興という手法ではなくて、自らとりにいって、地方創生という。自分たちのリスクも背負いますが、そうやってほしいということはたびたび申し上げてきたところでございます。
 まだ、正直いって、ほとんどの市町村役場が復興にほぼ98%ぐらい力をそそがなければならない状況が続いておりますので、なかなか活性化に向けて、町を挙げて、市を挙げて動き出すというところまでの現象は見られておりませんが、間違いなく芽は出始めておると。
 特に若手の経営者の皆さん方の動きというのはおもしろいなと思うことが幾つも出てきておりまして、それは新しい東北の中の幾つかであったり、あるいは先般やった「世界に誇れるお土産」といったようなもの、地元の人も気づかなかったことが、外からの目を入れることによって、あるいは異業種交流をすることによって、全く形を変えて出てき始めているというのは、これは大きな芽だと思います。そこから地方創生がスタートをする。
 つまり情熱というのは、役所がいくら旗を振ってもだめでして、民間の人たち、地域の人たちがそうだと、やろうという気になったときに、初めて地方創生というのは動き出すと、こう思っておりますので、その意味では明らかに芽は幾つも出始めていると。どんどん花開いてくれることを期待しております。
(問)復興をめぐって、大臣が今、残されている課題はどんなことだというふうに考えていらっしゃるかお聞かせください。
(答)やっぱり復興というものを復興・創生期間の間にどこまで仕上げること、少なくともハード面では岩手と宮城では完全に仕上げなければならないと。そこへの一応、方向性は見えてきたかなと、こう思っておりますけれども、福島について言いますと、記者会見でもお話をしておりますが、復興庁というのは10年で終わります。国の復興計画というのも10年という期間に設定をされておりますので、福島はそれでは終わりません。そのときにどういう形で、どういう仕組みで、あるいは予算をどういう形にすることで引き続き、福島の復興を成し遂げていくかというのは、今、決めることではございませんが、10年がやって来る1年か2年前には決めなければならないと、こう思っておりました。
 今、こうこうこうですよという結論に至るまではいきませんでしたが、そのことをいろんな各省の大臣たちに少しずつお話をしながら、そりゃそうだよなと。総理も福島は終わらないよな、そうだよなということも以前からおっしゃっていただいております。それは正直言って、今決めることではないとはいえ、もう少し方向性が出せればよかったかなという思いはないわけではありません。
(問)後任の新しい大臣の方に期待することや託したい思いなどがあれば、伺いたいと思います。
(答)高木君というのは、我々同期でして、当然、同期で非常に仲がいい男でございます。彼はものすごいネアカでありますし、活動的でありますので、必ずやってくれると。地元の人たちの信頼を勝ち得て、きちっと復興を進めてくれると心から期待をしておりますし、彼はやってくれると確信しております。
(問)大臣御自身の今後の活動、地元では県連の会長をされていて、来年の選挙に向けて合区も控えていますが、今回、1年間、大仕事でなかなか大変だったんですが、それとまた別の話で、地元の活動とか今後の合区に向け、どういった活動をされていくか。
(答)少し時間ができるような仕事、役職に就けていただきたいなと、こう思っておりまして、特に合区になりました来年の参議院選挙、日本で初めての試みでありますので、我々は何としてもうまく乗り切らなければならないと、こう思っておりまして、それにかなりの精力をそそがなければならんと、こう思っておりますだけに、今までこの1年間で2回か3回かしか帰れなかったんですが、毎週は無理かもしれませんが、できるだけ地元へ帰って、選挙に向けての対応、あるいは平和安全法制の説明、あるいはTPPをめぐる様々な議論といったようなものを地元の皆さん方としっかりと積み重ねていきたいと、こう思っております。

(以    上)

ページの先頭へ