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竹下復興大臣記者会見録[平成27年9月18日]

竹下復興大臣定例記者会見録(平成27年9月18日(金)10:05~10:21 於)復興庁)

1.発言要旨
 本日は私の方から報告することは3件でございます。
 一つは地域復興のために行っております「結の場」につきましてでございます。結の場、昨年度開催した結の場で成立したマッチングについて御報告をいたします。
 結の場というのは、皆さん方御承知のとおり、被災地域の企業と大手企業を結びつけまして、新商品の開発や経営力の向上、更には販路の拡大などを狙ったものでございます。昨年度は被災3県の4市で開催をされ、35の被災地域企業と延べ109の大手企業に参加いただきまして、49のマッチングが成立をいたしました。特徴的な例といたしましては、被災地域企業の高度な溶接技術に着目した企業が、滑り台にその技術を生かす。厨房器具などを作っておりましたところのその溶接の技術がすばらしいということで、子供用の滑り台にその技術を生かしまして、公共施設の遊具事業といった新しい分野への進出を支援するといった提案や、被災地域のレストランが抱える“客離れ”に対応いたしまして、大手企業のICT技術を活用して、町全体の観光PR支援を行うとともに、レストランへの集客を促すという提案などがありました。資料を配付させていただいているとおりであります。
 今年度も4か所で開催をする予定でございまして、直近では10月1日に会津若松市、10月7日に久慈市で開催をいたします。復興庁といたしましても、このような企業連携の取組を通じまして、民間の活力を生かして産業復興を加速してまいりたいというふうに考えております。詳細は後ほど事務方にお尋ねをいただきたいというように思います。
 2件目は、生活支援相談員等の実績が活かされる仕組みについてであります。これも資料を配付させていただいておりますが、被災地ではまだ20万人近くの避難を続けていらっしゃる方がおられる中で、多くの生活支援相談員の方々に見守り活動を担っていただいております。この相談員の方々の実績が活かされる仕組みづくりを厚生労働省に働きかけてきたところでございますが、被災者支援の総合交付金で活動されている生活支援相談員の職歴が、今年度から新たに社会福祉士の受験資格に必要な実務経験として認められることになりました。これによりまして、生活支援相談員の方々が現場で培ってこられた経験を活かしまして、今後更に福祉の分野でも活躍される道が開かれるとともに、キャリアアップにもつながるものと、これは大きく期待しております。
 なお、28年度予算の概算要求では、被災者支援の総合交付金を拡充をいたしまして、従来、緊急雇用を含め、様々な制度を活用して実施されてきた見守り事業について統合し、一元化することといたしております。これは何を意味しているかといいますと、現行制度では約600人おられます相談員のうち、総合交付金の対象の400人程度しか実務経験の算入の対象にならないという状況になりますけれども、この一本化によりまして、これまで総合交付金以外の財源で活躍してきた相談員の方々につきましても、一定の要件の下ではございますが、実務経験の算入が認められる対象としていくことにつきまして、厚生労働省とも相談しながら検討してまいります。
 被災者支援がますます重要になっておりまして、それを支える人材の確保は重要な課題でございます。今般の新たなキャリアアップ支援を通じて被災者支援を強化するための人材確保を進めていきたいと考えているところでございます。詳細については後ほど事務方から説明をさせていただきます。
 3点目は、福島県、岩手県を訪問することについてでございます。まず明日でございますが、諸般の事情が許せばという条件はつきます、国会の状況がこういう状況でございますので、諸般の状況が許せば、明日19日土曜日、福島県の楢葉町を訪問をいたしたいと考えております。そして来週の21日月曜日、22日の火曜日でございますが、岩手県の釜石市、大槌町、遠野市を訪問する方向で調整をいたしておるところでございます。
 私からは以上3点でございます。
2.質疑応答
(問)生活支援相談員の実績が活かされる仕組みについてなのですけれども、被災地でも多くの生活支援相談員の皆さんが被災者の方に寄り添っていらっしゃいます。今回の仕組みの導入について改めて大臣から期待される気持ちを伺いたいのですけれども。
(答)生活支援相談員の皆さん方には厳しい状況の中で仮設住宅に入っていただいたり、あるいは復興住宅に移られた方々の支援も含めて様々な形、更には自宅で生活していらっしゃる方々も含めて様々な形で見守り等々を行っていただいております。健康のチェック、あるいは心のケアといったような分野で非常に大きな役割を果たしていただいておりますが、単にそれだけにとどまらず、そのこと、その活動が社会福祉士という一つの国家試験の受験資格につながっていくと、明確につながっていくと、その実務経験が、これは1年とか長い場合は4年必要というケースもありますけれども、日々被災地でやっていただいておりますその活動が、そうした受験資格の実務経験としてカウントされるということになりますと、支援員の皆さん方にとって私は大きな励みになると、こう思っておりますし、この復興事業、あるいはそうした見守り等々が完了した後、その人たちが福祉の分野で思い切り仕事をしていただけるような国家資格を得ていただける可能性が大きく高まったと、こう思っておりますので、これはちょっと変な言い方になりますけれども、明るい材料だと。特に支援員の皆さん方にとっては正に心の張りが出ることであると、こう認識をいたしております。
(問)楢葉町、土曜日、もし状況が許せば訪問されるということですが、9月5日に避難指示が解除され、重点的にどういうような点を視察するのか、ちょっとお願いしたいのですが。
(答)一つは、サイクリングターミナル等で行われます、これが天神岬のスポーツ公園が全体としてリニューアルオープンといいますか、リニューアルされますので、「いくならならは。」という名前のリニューアル記念セレモニーに出席をいたしたい。今月の5日の時点では私は別のところを視察をしておりまして行けなかったものですから、是非一回楢葉には行きたいなと、こう思っておりました。
 天神岬のスポーツ公園ももちろん拝見をさせていただきますし、Jヴィレッジも行きたい、もう一度行きたい。更には小山浄水場、水を提供しております浄水場、これは木戸川ダムから流れる、木戸川で取水をしておりまして、住民の皆さん方から様々な声が上がっている地域でありますので、私自ら現地に行って、更に状況を確認してまいりたいと、このようなことを考えております。
(問)安全保障関連法案に関してなのですけれども、現在審議中で、今後成立した場合に、憲法9条改正についての議論が出てこようかと思うのですが、大臣はどのようにあるべきとお考えかお聞かせ願えますでしょうか。
(答)憲法9条の問題についてはまだ議論に残念ながらなっておりません。私も憲法そのものはどこかの時点で必ず、様々な分野で、この安全保障分野だけではなくて、いろいろ変えなければならない点があるとかねてから考えておりますことは事実でありますが、直接このことが憲法9条にこれからつながっていくかになると、これは推移を見守る以外にないなと、こう思っております。
(問)安保法制に関連して、昨日参議院の特別委員会で野党の反発、混乱の中で採決が行われましたが、大臣はこの状況をどういうふうに御覧になっているかお聞かせください。
(答)昨日は委員会で可決をさせていただきました。私はこの後、参議院の本会議で可決・成立をすることを望んでおりますし、一日も早くそういう状況になってほしいと思っております。
 昨日の委員会での採決、テレビで見ておりましたけれども、混乱の中での採決になったというのは非常に残念な思いはありますけれども、内容自体はしっかりと可決・成立しなければならない課題であり、一歩前進というか半歩前進したなというふうに受け止めております。
(問)昨日のグループインタビューの中で、水産加工業を一つ挙げてだったのですけれども、雇用のミスマッチについて何か助成ができないかというような御発言があったかと思います。来年度の概算要求の中にもお力を入れたいというような項目があったかと思うのですけれども、現時点で何かそれについてのお考えがあれば具体的にお聞かせいただけますでしょうか。
(答)水産加工業の場合、人が集まらないということが一つの大きな大きなネックになっておりますので、それを解消するために、時限になると思いますが、ある程度給料の上乗せができるような支援ができればいいなということで今、来年度の予算要求の中で交渉している最中です。何とか作りたいと、こう思っております。
(問)明日、日程が許せば楢葉町を訪問されるということなのですけれども、グループインタビューの中でも出ておりましたけれども、具体的に今後楢葉により帰還できるような環境を作っていくために、大臣としては具体的にどういったものを整備ですとか、支援をしていくべきだとお考えですか。
(答)まず帰還できる状況をつくること、それが楢葉については9月5日をもってそこまではできたと。これからはより帰還しやすい環境を整えていかなければならない。もちろん一番の大前提は放射線量はきっちり下げるということで、除染でありますが、楢葉につきましては住宅地、あるいはその周りについては終わっておりますので、その次、長い間帰っていないので家が壊れている、あるいは帰りたくても動物たちが入り込んでぐちゃぐちゃにしていったのでなかなか帰れないと、そういう状況も順次今、家のリニューアルあるいは解体、新しく建てるということを通じて、徐々に徐々に進展をいたしております。
 それはまず住宅でありまして、その次に商店街につきましては、あそこには仮設の商店街があることは御存知のとおりでありますし、二つのコンビニエンスストアもありますが、地元のスーパーが進出してくれることが決まっておりまして、新鮮な魚介類も食べたいという御要望に何とか応えようじゃないかと。あるいは日曜営業もしようじゃないかと。あるいは更にはお年寄りの方が多い中で、宅配ということもやろうじゃないかという動きも出てきております。商店街、買物をめぐる環境は徐々に徐々に今動き始めております。
 それから、医療をめぐる課題でありますが、今は広野町の民間病院のほうに通いになっておりますが、このデマンドバスを引き続き運行をするということが一つ。それから、県立の医療施設を今建設中であったところでございまして、これがしっかりと立ち上がれば、医療の面での不安をまた一歩解消することができるなと。
 そして学校についても、ちょっと日にちは忘れましたが、29年度4月だったかなと。はっきりした日にちは忘れましたけれども、後で事務方に確認していただければ結構ですが、小学校、中学校について、楢葉に作るという方向で今、明らかに動き始めているところでございまして、一歩一歩でございますけれども、暮らしやすい環境というものをつくり上げていくことが帰還したいと、あるいは帰還に向けての後押しになるというふうに考えております。

(以    上)

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