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平野復興大臣の会見[平成24年8月24日]

平野復興大臣記者会見録(平成24年8月24日(金)8:45~9:12 於:復興庁記者会見室)

1.発言要旨 

 1点目ですが、第3回復興交付金の交付可能額の通知についてです。本日、第3回目復興交付金の交付可能額通知を行うこととしています。今回は9道県の56市町村に対し、事業費約1,806億円、国費約1,435億円の配分を行います。詳細は資料のとおりです。
 主な内訳としては、水産・漁港関連施設として18市町村、約450億円、防災集団移転促進事業として16市町村、約592億円、うち事業費は12市町村、77地区、約6,400戸を対象に約572億円になります。災害公営住宅整備事業につきましては17市町、約239億円、うち24年度に事業着手、25年度完成を予定するもの約700戸を含みます。
 特に、今回、水産加工業の被害の著しい市町村を支援するための水産業共同利用施設復興整備事業については、被災地における水産業の復興計画の策定や事業実施に向けた環境整備が進捗していること等を背景に、多くの市町村からご要望があり、これを積極的に支援することとしています。石巻市に事業費約160億円、国費約110億円、気仙沼市に事業費約102億円、国費約70億円など全体で事業費約441億円を配分することにしています。
 宮城県内の二線堤道路に続き、今回は、福島県の沿岸部における津波防災緑地について、地元自治体と協議が調ったものに配分を行うことになっています。
 具体的には、背後に守るべき市街地が存在する地域において、海岸堤防と津波防災緑地を組み合わせて一体的に整備することにより、比較的発生頻度の高い津波を防護する海岸堤防の安全性が向上し、比較的発生頻度の高い津波を上回る津波に対しても、そのエネルギーを減衰させる、津波防災緑地に樹林帯を配置するため、海岸防災林の機能を発揮するとの効果が期待されます。
 また、地域の要望である現地再建を可能とすることや、周辺で行う工事により発生する残土等を活用することによりコストが削減できることが確認された3市町の8地区について調査設計費一部の用地取得費として事業費65億円を配分します。
 機会があれば堤防と津波防災緑地の一体施工について話をさせていただきたいと思いますが、今回の東日本大震災においては、想定を上回る巨大津波が発生し、津波の圧力で堤防がぱたんと倒れたというイメージがありますが、そうではありません。津波が堤防を越えると同時に、波のエネルギーが堤防の下にぶつかることによって堤防の裏側の土が浸食されてしまったことによるものです。
 現地、特に宮城県の海岸沿いの被災した状況を見ますと、現在は大分復旧が進んでいますが、もとの状況を残しているところでは堤防の裏側に巨大な水路が、あたかも人工的に作られたような水路がずっと続いています。それは何かといいますと、実は水路ではなく、堤防を越えてきた津波が地面にたたきつけられた勢いで、堤防の裏側の土が掘り起こされたものです。それにより、堤防の中に入っている土が裏側からどんどん流れていくことによって、堤防の中がすかすかの状態になり倒れてしまったというのが東日本大震災での堤防の実態です。
 そこで、今回、堤防についてはいろいろ検討させていますが、もし堤防が倒れたときと、倒れない場合にどのような違いが出てくるかを単純に言いますと、堤防の高さが7メートル、津波が10メートルとした場合、堤防が倒れた状況であれば、10メートルの津波はそのまま陸地に入ってしまいます。もし堤防が倒れなければ、7メートルの堤防がつっかえ棒になり、入ってくる水の深さは3メートルになります。何が違うかといいますと、内陸に入ってくる水の量が圧倒的に違ってくるため、津波による浸水の範囲、被害も大きく変わってきます。このことから、粘り強い堤防ということで、現在、国土交通省では、堤防の裏側の構造を少し強化することを考えています。それだけではなく、例えば、堤防と土堰堤と言いますか、ここでは災害緑地と言いますが、これを1回施工することによって、より堤防が倒れにくくなるのではないかということで、このような構造についての実態、どれぐらい強度が強くなるか、変わるかということについて、国土交通省に検討を指示しています。
 ここでは津波防災緑地と言っていますが、仙台の若林区から南のほうに、長さ、奥行き200メートルぐらいにわたる防潮林があります。現在は防潮林と堤防は別々に整備することになっていますが、一体的に施工できればいろいろな意味で効果が出てくるということで、現在、これについての検討を行っています。堤防は堤防、防潮林は防潮林というような話になっており、現在、そこの調整を行っていますが、しっかりと検討は進んでいます。
 被災者の住宅の確保に必須となる防災集団移転事業、漁業集落防災機能強化事業、災害公営住宅等の速やかな整備を進める観点から、計画上、25年度の事業費として要望されているもののうち、前倒しで実施できる目途が立った部分を配分することと、効果促進事業等の一括配分として、今回は4県の20市町村に対し、事業費約152億円を配分することから、交付可能額は、先日公表した第3回の申請額を上回ることになっています。
 効果促進事業については、使い勝手をさらに良くするためにポジティブリストを拡充するということも行っています。
 第4回につきましては、10月中旬に提出していただく方向で、現在、鋭意検討を進めています。
 復興交付金の交付可能額については以上です。
 私としては、今回の復興交付金の一つの目玉は、この津波防災緑地と防潮堤の一体的整備を交付金に入れているということではないかということで、先ほど、防潮堤と津波防災緑地の一体的整備について長々と話をさせていただきました。
 2点目は岩手県の訪問についてです。25日に田野畑村と岩泉町を訪問し、住宅建設の促進方等について現地を見させていただき、意見交換を行いたいと思います。
 3点目ですが、前回、中間貯蔵施設の調査につきまして、ややはしょった説明と、質問の内容から少しずれた、現状を説明するということでやや長目の答弁をさせていただいたのですが、私はあのときに、中間貯蔵施設の調査に入るときに基本的に、県、地元自治体、地域住民、地権者という四者の観点で考えていくことが必要だと申し上げましたが、その後、時間の関係から、地元住民と地権者を一体で扱うということで話をさせていただきました。その結果、後で議事録を見ますと、地元住民と地権者とを一体的に話すことにより、例えば測量とか、当時は測量とかボーリングというのは例を出していないのですが、そういったものの調査を行うときに、頭の中では地権者の同意ということで言ったつもりなのですが、地元住民と地権者をセットで話したため、その調査等については地元住民の同意が必要だというイメージを与えてしまったかもしれません。正確には、このような調査に入る際には、地域住民へのきちんとした説明が必要です。丁寧な丁寧な説明で、今回こういう趣旨でその地域に調査に入りますということは、きちんと説明しなければなりません。例えば測量、ボーリングを行うということについては、調査の段階では地権者の了解というものが基本になりますので、そこについては、少し表現が、当初の予定どおり四つに分けて話をしていればよかったのですが、一般論で話をしていたために、2つをくっつけて話をしてしまいましたので、話をはしょったというところで、少し違った印象を与える説明の仕方になっているということです。いずれにせよ、地元住民に対しての調査の段階での同意というところまでは要りませんが、これは8+1+1の会議でも申し上げましたが、あれだけの施設を地元にお願いをすると、設置することによる地域に与える影響は様々ありますから、調査の段階から地元の方々にはきちんと丁寧に丁寧にその趣旨、考え方を説明するということですし、実際に設置のときには、地権者はもちろんそうなのですが、地域住民の方々の反対がありますと、設置はなかなかできないということになりますから、その調査の段階から丁寧に丁寧な説明をしていくという趣旨で申し上げたということでご理解いただきたいと思います。
 以上です。


2.質疑応答

(問)交付金について1点お聞かせください。さっき目玉だとおっしゃった津波防災緑地整備事業ですとか、水産加工施設の民間公募型に多く配分するとか、今回、これまでもそうだったと思うのですが、地元の要望に即した形での配分というようなことがあるのかなと思いますが、その辺について、今回の配分について大臣はどのように考えていらっしゃいますか。
(答)地元の要望に即した配分というのは、1回目からも、即したというか、地元の要望をできるだけ尊重していますが、復興交付金に馴染むものと馴染まないものがあること、交付できないものはできませんということは説明を申し上げてきましたし、その姿勢は第3回でも特に変わったということはありません。ただ、今回の水産施設の水産業共同利用施設復興整備事業が出てきた背景の中には、地域が面的にこういったものをやれる状況が出てきたということで、要望は前から出ていたと思いますが、今回このような形での交付ができたということは、今までは点的であったものが、地域として取り組むという状況、環境がそろそろ調いつつあるということの結果ではないかと思います。

(問)防災集団移転事業と災害公営住宅についてお伺いしたいのですけれども、防災集団移転事業については1万9,500戸分の着手まで積み上がったということですが、災害公営住宅については、今回、平成25年度完成予定で8,300戸の予定になったということですが、この数字をどのように受け止めていらっしゃるかということと、元々想定したケースと比較して、大臣はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
(答)特に防災集団移転事業については、現在、地域が一所懸命になって用地の確保、合意形成を行っていますが、全体の必要数からいくと、第3回目においてもまだまだということです。まだまだなのですが、災害公営住宅も含めて、地元も一所懸命にやっている結果としてこのような数字が積み上がっていますので、積極的に評価したいと思います。
 あわせて、どのようなペースであったとしても、これでいいというペースはありません。仮設住宅の方は一日も早い住宅の確保を求めていますから、とにかく今回、明日(25日)も岩手県を訪問しますが、とにかく早くやりましょう、そのために一所懸命ともに汗を流しましょうということを引き続き言っていきたいと思います。

(問)復興関係とはちょっと離れた形ですが、韓国との関係について、昨日、野田総理大臣から韓国の大統領に宛てた親書が送り返されるという異例な状態が続いています。日本政府としても強く抗議していますが、閣僚の一人として今の状況をどのように受け止めていらっしゃるかお聞かせいただけますか。
(答)外務大臣も今までにない強い表現で国会の答弁もされているようですが、そのとおりだと思います。最近は議員外交というのはあまり聞かなくなりましたが、今回の一連の中で、議員レベルでも議員外交、コミュニケーション、こういったものについてもっと積極的に行うべきではないかというのは改めて強く感じました。やはりそういった意味で普段からのコミュニケーションは大事だと思いますし、今回の一連の措置について、私は外交関係についてはあまり詳しくありませんが、日本として主張すべきことは主張する、毅然とした態度をとるべきときにはとるということは当然なことだと思います。

(問)大臣のお考えとしても議員外交は必要だということですか。
(答)もっと積極的にやっていくべきだと思います。

(問)津波防災緑地整備事業についてお伺いします。これは東日本大震災での、いわゆる津波対策の教訓を受けての事業だと思いますけれども、国内でこのような形で同様に整備している場所というのはあるのでしょうか。
(答)東日本大震災のまず復旧復興で、こういう津波緑地防災事業プラス堤防という一体的な整備、現在、防潮林、特に宮城県、福島県にも一部ありますが、それとの一体施工を行うという方向で現在検討しています。これは役所の縦割りからこの名前の違いが出てくるもので、津波緑地は公園になり、防潮林は林野庁の所管、堤防はものによっては国土交通省、農林水産省と分かれます。縦割りと先程言いましたが、今回は、従来に比べればかなり連携はうまくいっていると思います。そのような意味で、今度は防潮林と堤防等についての一体ということもできるだけ行っていきたいと思いますし、その成果を踏まえながら、全国に広げられるものは広げていきたいと私自身は思っています。まだどこまで広げるかというところは政府内で議論しているわけではありませんが、本当に倒れない堤防、木を植え、それを育てるというようなことは、防潮林の役割も果たすということであれば、これは100年事業でも200年事業でもいいと思います。大きなスパンで全国的に広めていくということは、私自身はやってもいいのではないかと思っています。

(問)福島県の汚染土の最終候補地に鹿児島県の南大隅町が挙がっている様ですけれども、いつごろまでにそれを最終的に決めたいお考えなのか、あるいは今後の段取りは。
(答)昨日(23日)の夜中に、報道されているのをたまたま見て、少し驚きましたが、私自身は、今のところ何も聞いていません。環境省にもまだ確認もしていません。少なくとも、現時点で私がコメントするとすれば、そのニュースを見て初めて知ったもので、事実かどうかについてはまだ確認していないということです。
 それから離れて言いますと、中間貯蔵施設は最終処分場ではないと言っていますから、その場所をどこかに見つけなくてはならないという責務を政府が負っているというのは事実だと思います。

(問)第3回の申請があったけれども受けなかった、認めなかった事業の傾向は。
(答)基本的に熟度の問題ということで、その地区の、例えば区画整理事業や道路の整備等について、単価が他と比べて著しく高いとか、事業相互間の調整がまだこれからだというもので、もう少しその部分を急ぎましょうということで先送りしたものはあります。あと、一部内陸部において、今回の震災とは直接関係のない施設整備の要望が出ており、これについては交付金の趣旨に馴染まないということで交付対象にしなかったものもあります。

(以上)

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