被災地の元気企業 40
6/126

竹下大臣巻頭対談企画「新しい東北」の創造を目指して~「被災地の元気企業40」の作成にあたって~「新しい東北」の創造を目指して復旧・復興から本格的な産業復興の段階へと新たな局面を迎えつつある被災地で、産業復興の加速化に向けて、今何が必要とされ、今後どうしていくべきなのか。「被災地の元気企業40」の巻頭企画として、竹下復興大臣が、東北大学教授大滝精一氏(本「被災地の元気企業40」の監修委員座長)と、(株)磐城高箸代表取締役社長高橋正行氏(平成25年度復興庁作成「被災地での55の挑戦ー企業による復興事業事例集Vol.2-」に掲載され、平成26年度の復興ビジネスコンテストにおいて大賞を受賞した企業)の両名を迎え、自立的で持続性の高い地域経済の再生に向けた取組の鍵と、これから求められる支援のあり方について対談を行った。大滝精一東北大学大学院経済学研究科教授竹下亘復興大臣高橋正行株式会社磐城高箸震災後まもなく4年が経過いたします。被災地では、本格的な産業復興という新たな局面を迎えようとする状況の中、復興庁は、今後どのような施策を進めていくのでしょうか。復興庁は、これまで住宅再建を最優先として取り組みを進め、結果として、被災地では復興のつち音が響き、着々と住宅ができつつあります。その一方、未だ仮設住宅にお住まいの方は、4度目の冬という大変厳しい状況を迎えられています。こうした状況の下、今後、復興をさらに加速させていくためには、住宅再建のみならず、学校、商店街などの地域の再建、そして雇用の創出を通じた、被災者の生活全体の再生が大変重要と考えております。 そこで復興庁では、復興を契機として、少子高齢化など日本が構造的に抱える諸課題を解決し、国内や海外へのモデルとなる「新しい東北」の創造をコンセプトに掲げ、取組を推し進めているところです。また、この「新しい東北」の実現のため、平成26年6月には「産業復興創造戦略」を策定しました。 被災地で復興の土台ができつつある今、これから自立的で持続可能性の高い地域経済の再生を果たすため、地元の方々や皆さんの知見を借りながら共に邁進していきたいと考えています。 福島については、被災地の地域経済の再生に向けた一つの方向性として「イノベーションコースト構想」を検討しているところです。これは、必ず進めていかなければならない原発の廃炉において、日本が世界最高水準の廃炉の技術者集団を作り出し、また、人が入れない作業を行う高性能ロボットの技術開発とそれを他の分野にも応用していく、その結果として、被災地に最先端技術の集積地を作っていこうというものです。 一方で、産業の復興は最先端技術だけで成り立つものではなく、農業・水産業・水産加工業といった地場産業の再生も欠かせません。このように、最先端技術の活用と地場産業の再生の両輪で、復興を進めていかねばなりません。 また、若者の見方や考え方もしっかり受けとめるべきでしょう。坂本龍馬など当時の若者が明治維新を導いたように、多くの若者が地域活性化の旗印を掲げて挑戦し、地方の再生を先導する存在となることを期待しています。 竹下4

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です