被災地の元気企業 40
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課題克服のポイント 【名 称】 釜石ヒカリフーズ株式会社 【住 所】 岩手県釜石市唐丹町字小白浜568 【代表者】 代表取締役 佐藤 正一 【連 絡】 TEL : 0193-55-3663 / FAX : 0193-55-3722 【 E-mail 】 company@hikarifoods.jp 食店に商品を卸す計画だ。釜石ヒカリフーズの「水産加工メーカー」への道のりはまだまだこれからも続く。 佐藤氏の思いに共感した支援先からの 資金提供 震災後の設備新設にあたっては、被災していない新設企業による事業であるためグループ補助金の対象にならなかった。しかし、佐藤氏の想いに自治体・各金融機関が共感し、工場建設資金と当面の運転資金の借入を行うことができた。さらに(一財) 東北共益投資基金による「地域資源活用成長事業支援」としての出資や、「カタールフレンド基金」の支援事業に採択されるなど、今なお支援の輪は増え続けているという。 産・学・官連携による積極的な研究開発 釜石ヒカリフーズは、JST復興支援プログラムを活用し、高知工科大学・岩手県水産技術センター・岩手大学と連携し、「スラリーアイス(塩分濃度を調整可能なシャーベット状の氷。なお、本研究開発では魚介類が凍るギリギリ手前の温度に保つことで、生のまま何日もおいしく保存することが可能)」を各魚種にあわせて調整出来るよう、研究開発中である。また、東京海洋大学・岩手大学・他の水産業者との連携により、釜石産サバ畜養実用化実験を行い、「釜石産サバの付加価値向上」にも取り組んでいる。さらに釜石ヒカリフーズでは、前述のカタールフレンド基金を活用し、「唐丹産海産物を鮮度そのままに全国にお届けする6次産業化プロジェクト」に取り組み、岩手県産の水産物を用いた高付加価値商品の開発と、その全国直販を目指している。 今後の課題と挑戦 「工場」から「メーカー」への発展で 人材を確保 佐藤氏は、地元の若者が、釜石に定着したいという思いがあるにも関わらず、「賃金が安い。仕事にやりがいがない」と都会に出ていくのをこれまで目の当たりにしてきた。この状況を打破し、地元に若者を残す鍵は「自社が『水産加工工場』ではなく、『水産加工メーカー』になる事だ」と佐藤氏は語る。釜石ヒカリフーズは水産加工業者だが、工場内の加工業務だけでなく、貿易、商品開発、ブランディング、品質管理などの様々な業務がある。 佐藤氏は「加工の仕事を含めやりがいのある仕事はたくさんある。やりがいのある仕事を提供し、従業員満足度を高めることで、優秀な若者が働きたいと思う会社を目指す」と話す。現在の工場稼働率は70%程度、まだまだ人材が不足しており、釜石ヒカリフーズの今後の成長のためにも地元の若者の魅力ある雇用の場となることが重要だ。 これまでのネットワークを活かした展開 釜石ヒカリフーズは今後3つの展開を目指している。第1に、新商品開発に力を入れており、(公財)釜石・大槌地域産業育成センターと連携し、加工時の副産物を用いた「イカメンチカツバーガー」を広めている。第2に、まだ研究開発段階ではあるが、釜石で蓄養したサバを、スラリーアイスを用いて鮮度を保持したまま出荷することで釜石ブランドの商品とすることも今後の目標である。そして第3に、海外展開も視野に入れている。東経連ビジネスセンターの協力で中国で開催された商談会に参加し、販路拡大への足がかりとなった。さらに、カタールからの支援で得たルート等を使い、中東・東南アジアの和 釜石ヒカリフーズは2012年3月、釜石市と企業立地協定を結んだ。新設企業としては異例であり、こうした関係者の協力の下に実現した早 迅速な企業立地協定の締結と 本社工場建設 期の事業開始は、顧客への迅速な商品提供を可能としただけではなく、地域の雇用の創出に大きく貢献したといえる。 今後の課題と挑戦 41

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