被災地の元気企業 40
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取り組み(事業内容) ビジョン 挑戦事例 ものづくり産業、陸前高田市 地元の資源“気仙椿”を生かし、新たな産業の創出に挑戦 re:terraの挑戦 地元の資源で気仙地区に雇用を創出したい 陸前高田に自生する気仙椿を使った化粧品づくりを通じて地元に新たな産業を生み出すことに挑戦している㈱re:terra(リテラ)。同社は、カンボジアにおいてネイルサロンを立ち上げたカンボジア人の女性起業家ともパートナー関係を結び、美容技術の指導を通じた現地女性の人材育成も行っている。これらの事業は、まさに社長を務める渡邉さやか氏の女性ならではの視点から生まれたものだ。 11歳の時に初めての海外旅行で訪れたネパールで、「豊かさとは何か」という問題意識を持った渡邉氏は、コンサルティング会社に勤務していた経験を活かし、ビジネスを通じた社会課題の解決を目指していた。東日本大震災後は、被災地の支援を通じて、抱き続けたその疑問に対する答えを模索し続けた。渡邉氏は、「豊かさ」とは「地域の資源や人に寄り添って産業を育てていくこと」と関係しているのではないかと感じるようになった。 「地球、自分自身、本来の姿」を意味する「terra(テラ)」に「還る」意味の「re」を頭につけた同社の社名には、「生命が持つ本来の可能性に還る」という意味が込められており、社会問題に取り組み続ける渡邉氏のしなやかで強い志がにじみ出ている。 ● 経済・文化・社会・自然・人間の資本の最適バランスを目指す ● 人が幸せになるビジネスを生み出す ● それらを通じて社会課題を解決する 株式会社re:terra 代表取締役 渡邉 さやか 氏 気仙椿ドリームプロジェクト 自らの考える「豊かさ」を実現するため日本の良い物を海外に発信する事業を始めようと考えていた渡邉氏は、東日本大震災後、その題材を東北地方で探していた。 醤油、酒、デニムといくつか候補があがったが、最終的に気仙椿から取れる椿油を使った化粧品の生産に行きついた。理由は、付加価値の高いものづくりが可能なこと、将来的に海外にも発信しうること、そして地元の若い人が興味をもって参画してくれると考えたからである。 地元の椿を使って気仙地区に雇用を生み、気仙の若い人が夢を見られる ような商品を生み出した い。「気仙椿ドリームプ ロジェクト」はそんな思 いが込められた事業であ る。 販売商品 ★気仙椿ハンドクリーム 気仙椿ドリームプロジェクト第一弾として発売。渡邉氏の思いに共感したハリウッド化粧品が製造し、様々なボランティア活動を行う女性医師の団体であるEn女医会が商品の監修をしている。 ★気仙椿リップクリーム 気仙椿ドリームプロジェクト第二弾。制作段階から地元の高校生や市役所女性職員などに協力してもらい、若い人に地元の宝「気仙椿」の存在を再認識してもらうきっかけとなった。 38

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