被災地の元気企業 40
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日本一おいしい カツオたたきを 塩竈から全国へ 塩竈(しおがま)といえば「三陸塩竈ひがしもの」に代表されるマグロの生鮮品で有名な港町。株式会社明豊は、そんな塩竈で、異色といえるカツオの加工品を主力商品とした事業を展開する。静岡県焼津市に本社を置くグループ会社のノウハウも活用し、カツオのたたきなど高品質な加工品の一貫生産と販売を行う。 松永氏は「塩竈で水揚げ加工した宮城塩竈ブランドのおいしさを全国へ届けたい」と熱く語る。震災により、本社工場は大きな被害を受けたが、東日本大震災復興交付金(水産業共同施設復興整備事業)の活用により平成25年10月に本社工場を新設。最新鋭の設備による加工・保管・梱包が可能となった。 また、震災後新たに一本釣り漁船「第22明豊丸」を取得し、自社で漁獲を行っている点も明豊の大きな特徴の一つだ。震災以前より原材料であるカツオの安定調達は会社の課題だった。自社船による漁獲により、こうした従来の課題を克服しただけでなく、塩竈の水産業全体に貢献したいという松永氏の思いが現実となった。 宮城塩竈ブランドの商品のおいしさを全国の食卓へ届け、塩竈の水産業に恩返しをする―松永氏の挑戦はまだ始まったばかりだ。 取り組み(事業内容) 一本釣りによる漁獲・仕入から 加工・販売までを一貫生産 明豊の大きな特徴の一つは漁獲・仕入から保管・加工販売まで一貫した生産体制を有している点だ。第22明豊丸で漁獲したカツオ・ビンチョウマグロを塩竈港に水揚げし、自社工場での保管・加工を行い、梱包・出荷している。 高品質の水産加工品の製造 震災後、交付金を活用し完成した水産加工品の製造を行う自社工場は、高度衛生管理型の超低温冷蔵庫を完備し、年間を通して安心安全な食品を生産できる体制となっている。最新鋭の加工技術により主力 製品のカツオのたた きをはじめとした加 工品が製造されてい る。 明豊の挑戦 代表取締役 松永 賢治 氏 株式会社明豊 ビジョン ● 持続可能な漁業の支援 ● 安心安全な食品の提供 ● 企業活動を通じた地域への貢献 成功事例 バリューチェーンの拡大によって売上増加を実現 水産加工・食品製造業、塩竈市 また、第22明豊丸が行う一本釣り漁法は、時間と手間がかかるものの、カツオに傷が付かないことで商品価値が増すと同時に、乱獲を防ぐ最も資源にやさしい持続可能な漁業である。 22

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