被災地の元気企業 40
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3.事業者の課題とその克服方法の整理及び今後の支援の在り方についての考察 本章では、前章で紹介した事業者の取組事例から、事業者が事業を行う中でどのような課題に直面し、課題を克服するためにどの様な対応(取組)が行われたかについて整理する。これに加えて、事業者が課題に対応する際に活用した支援や、今後追加的に望まれる支援メニューを検討・抽出し、課題の克服方法を整理する。 3-1.事業者の課題 3-1-1.成長ステージの考え方 事業者が事業を進める上で直面した課題について、当該事業の成長ステージ別に整理する。この際、事業者の成長ステージの考え方として、①立ち上げ期と②成長・拡大期の2つのステージに分類した。 なお、本事例集掲載事業者は、震災以前から事業を展開している事業者と震災後新規に事業を立ち上げた事業者がいることから、それぞれの事業者が現在どのステージにあるかについては、下表の考え方に基づいて分類を行った。 表 事例掲載事業者の成長ステージ分類の考え方 3-1-2.掲載事業者における事業課題 掲載事業者に対するヒアリング等の情報収集の結果、「立ち上げ期」にある事業者の多くは、直面した課題として、「ビジョンの具体化」、「パートナーの獲得」、「資金調達」を挙げている。他方、今後克服しなければならない課題として、「販路・マーケティング、商品開発」が多くの事業者において挙げられている。 また、「成長・拡大期」にある事業者の多くは、直面した課題として、「技術・生産能力」が多くの事業者で挙げられている。一方、今後克服しなければならない課題として「販路・マーケティング、商品開発」と「組織的経営体制」が挙げられている。 立ち上げ期成長・拡大期震災以前から事業を展開している事業者既存事業の枠を超え、新たな財・サービスの提供を行う新規事業を立ち上げ事業化を図っている段階。既存事業の枠を超え、新たな財・サービスの提供を行う新規事業を震災後に立ち上げ、その事業が市場へ受け入れられ始めているが、今後、更なる市場への浸透が見込まれる段階。震災後新規に事業を立ち上げた事業者新たに事業を立ち上げて、事業化を図っているが試行錯誤している段階。震災後に創業した事業が市場に受け入れられ始めているが、今後、更なる市場への浸透が見込まれる段階。112

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