被災地の元気企業 40
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課題克服のポイント 橋本氏による現在のりぷらすの事業取り組みイメージは、茨城県や埼玉県和光市での要介護認定改善に向けた行政の取り組みが参考になっている。しかし、いざ起業という場面では、なかなか一歩を踏み出す決意がつかなかった。橋本氏の起業への背中を後押し、支援の手を差し伸べたのがNPO法人ETIC.である。内閣府の復興支援型地域社会雇用創造事業としてNPO法人ETIC.のメンターによって、起業の覚悟が磨かれた橋本氏は、石巻市河北地区に「スタジオぷらす」を構え、デイサービス事業を始めた。また、起業家支援を行う(一社)MAKOTOからは、石巻市内で開催された起業塾で出会って以降、現在も事業計画立案のアドバイスや資金調達など経営全般についてアドバイスを受けることで、事業経営という自身の苦手分野の不安を小さくすることができた。 今後の課題と挑戦 地域住民自らの力で 介護からの卒業を目指せる社会へ 現在の施設が採算ラインを上回ることができ、事業に対する手応えを感じたことで、りぷらすは近々隣接する登米市内に新たな施設を構える予定である。利用者の増加に合わせたスタッフの確保がりぷらすの課題でもあるが、橋本氏の理念に共感する仲間を増やすとともに、介護保険制度の枠内で活動している専門家への認知度を高めることが課題解決のカギを握ると考えている。 地域健康サポーター事業の展開 また、りぷらすは先述のおたがいカラダづくりサポーター養成事業を推し進め、今後5年間で300名のサポーターを養成し、地域の住民自らが介護からの卒業を手助けできるようになることを目指している。サポーターが充実することで、りぷらすのミッションである ①地域内外の交流を促進、②介護(保険)からの卒業、③専門職の知識・技術を地域社会へ還元することの実現に近づくことになると橋本氏は考えている。 【名 称】 一般社団法人りぷらす 【住 所】 宮城県石巻市相野谷字今泉前29-3 【代表者】 代表理事 橋本 大吾 【連 絡】 TEL:0225-98-8957/FAX:0225-98-8958 【 H P 】 http://rilink.is-mine.net/index.html 【 E-mail 】 ri.linkplus@gmail.com おたがいカラダづくりサポーター養成講座 スタジオぷらす 起業支援団体によるサポートで 起業時の課題を解決 起業直後の地域での取り組み また起業後、介護におけるリハビリの可能性に関して、地域の要介護者やその家族の理解が得られず、また地域でのスタジオの認知度が上がらず利用者数が伸び悩んだ時期があった。橋本氏は、ケアマネジャーに自身の考え方を説明し納得してもらうことで、彼女らが高齢者に対して行うケア作業時の説明や、仕事以外の場所での口コミにリハビリの効果について触れられる機会が増え、次第に地域住民の理解が進み利用者数の増加につながった。 109

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