被災地の元気企業 40
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挑戦事例 医療・介護・教育関連産業、石巻市 「孫に会いたい」、「温泉に行きたい」、「家事をてきぱき出来るようになりたい」 これは宮城県石巻市の(一社)りぷらすの施設「スタジオぷらす」の壁に貼られている施設利用者の「夢宣言」である。 りぷらすは、代表の橋本氏が、震災後ボランティアとしてリハビリテーション活動を行う中、現状のやり方に限界を感じたことから立ち上げた、リハビリ複合サービスを提供する事業者である。 「リハビリによって『要介護度』は改善するにもかかわらず、多くの方は改善することをあきらめてしまう。これは、現状の介護保険制度では改善することに関するインセンティブが事業者にも利用者にも無いことが一因となっている。りぷらすでは、介護からの卒業に向けて支援し、各人が役割を持ち健康的で活き活きとした生活を取り戻すことをお手伝いしたい」と橋本氏はミッションを語る。 「なかま、からだ、居場所」づくり りぷらすは、橋本氏の理学療法士としての経験とそこでの問題意識に基づく「介護からの卒業」を事業理念に、要介護者の介護保険からの卒業を目指す「リハビリ特化型 デイサービス事業(介護保険事業)」を中核事業としている。これに、地域密着のトレーニングスタジオ運営の「リハビリ フィットネス」及びリハビリ相談会や地域内外の交流を促進するためのイベント(芋ほり会等)の運営をサポートする「地域交流促進事業」を結びつけて事業を展開している。 する「おたがいカラダづくりサポーター養成事業」を始めた。地域における介護の担い手となる住民に、高齢者の健康づくりを指導する役割を担ってもらう。この活動を行うことで、地域全体が高齢者の健康を支えるのみならず、介護を要する高齢者がおらず、りぷらすを知らない地域住民に対するりぷらすの事業への理解の醸成と知名度の向上を図るという効果も期待される。 代表理事 橋本 大吾 氏 おたがいカラダづくりサポーターの養成 既存の事業に加え、「介護予防や、介護からの改善の可能性をもっと多くの人に知ってもらいたい」との思いから、りぷらすでは、石巻市の助成を受けて2014年9月からリハビリの専門ノウハウを持った介護予防ボランティアを養成k 「介護からの卒業」 高齢者の「夢」を かなえる 取り組み(事業内容) 一般社団法人りぷらす りぷらすの挑戦 リハビリ複合サービス事業への挑戦 ● 地域の自助力・共助力を高める ● 希望する方が在宅生活をおくれるよう、地域住民・スタッフの 健康寿命を増進する ● 社会保障費の削減に寄与する ビジョン おたがい カラダづくり サポーター事業 108

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