被災地の元気企業 40
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挑戦事例 医療福祉機器関連産業、会津若松市 革新的な医療・介護 ロボットで人手不足を 解消したい 東日本大震災後、福島県から撤退する企業が相次いだ。その一方、会津でシステム開発を手がけていた馬場氏は、福島県そして会津を活性化させたいとの思いから、以前より取引関係があった会津中央病院の協力を得て、2012年8月に㈱アイザックを会津若松市内に立ち上げた。アイザックは医療・介護ロボット等の開発・製品化を目的とした福島発のロボット製作会社である。 昨今、医療・介護の現場における人手不足は深刻な課題となっている。馬場氏が会津中央病院との深い協力関係において、医療現場担当者へのヒアリングやアンケートを実施した結果、医療現場では患者がベッドから車いす、車いすからトイレに乗り移る際に転倒し、事故が発生する可能性が高いことが分かった。これまでの車いすは、移乗の際に身体を大きく反転させて体を預ける必要があり、看護師やケアスタッフの負担が大きかったためである。この問題を解消するため、馬場氏は、会津中央病院に「受付・案内ロボット」を納入した実績のある福岡県の㈱テムザックと連携して、車いすロボットの開発に挑戦することを決意した。 ビジョン ● 女性、高齢者、障がい者の方々も含めた全員参加の経済社会を 目指す ● 一人でも多くの方が、笑顔で幸せな生活を送り、生きる喜びを 取り戻せるような医療福祉ロボットを作る 医療・介護ロボットの開発 震災の経験や地域のニーズに即した ロボットの開発 代表取締役 馬場 優子 氏 アイザックの挑戦 株式会社アイザック 福島発医療・介護用ロボットの開発に向けた挑戦 さらに、積雪の多い東北地方で、毎冬に大変な労力を要する除雪作業の負担軽減を目的とした遠隔操作型除雪ロボットも開発中である。 遠隔操作型除雪ロボット またアイザックでは、地元企業の目の前にある課題の解決に向け、震災の経験や地域のニーズに即したロボットも開発しており、商品化を急いでいる。 その1つが、大規模災害等が発生した際に速やかに状況把握、救助活動を行う最先端の災害救助・復旧ロボットである。「原発廃炉への利用も視野に開発を進めている」と馬場氏は語る。 取り組み(事業内容) アイザックが現在開発中の移乗・移動ロボットは、従来の電動車いすとは異なり、身体を反転させることなく前方から乗車することができる。これにより、移乗時の労力軽減と走行中の安定性を確保するとともに、ルートナビ等の通信技術を活用することで、介助者がいなくても自律的な移動が可能となる。「現在は試作機が完成し、臨床実験を繰り返している段階であり、製品化は近い」と 馬場氏は語る。 100

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